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4%ルールとは|FIREの出口戦略、取り崩しの考え方を徹底解説
投資基礎知識 FIRE

4%ルールとは|FIREの出口戦略、取り崩しの考え方を徹底解説

2025-12-28
2025-12-28 更新

FIREで有名な「4%ルール」を徹底解説。トリニティ・スタディの根拠、日本での注意点、全世界株での適用可否。資産の取り崩し戦略がわかる。

FIREを目指す人の間で有名な「4%ルール」。

年間支出の25倍の資産を築き、毎年4%ずつ取り崩せば、資産が枯渇しないという理論だ。その根拠と日本での注意点を解説する。

4%ルールとは

4%ルールは、1998年にトリニティ大学の研究チームが発表した資産取り崩しの理論だ。

4%ルールの基本

「年間支出の25倍の資産を築けば、毎年4%ずつ取り崩しても、30年以上は資産が枯渇しない」

  • 必要資産 = 年間支出 × 25
  • 毎年の取り崩し額 = 資産 × 4%

計算例

年間支出 必要資産(25倍) 毎年の取り崩し
300万円 7,500万円 300万円
400万円 1億円 400万円
500万円 1億2,500万円 500万円

トリニティ・スタディの根拠

研究の内容

トリニティ・スタディでは、株式と債券を組み合わせたポートフォリオで、様々な取り崩し率をシミュレーションした。

研究結果
  • 株式50%+債券50%のポートフォリオ
  • 毎年4%取り崩し
  • 30年間で資産が枯渇しない確率:約95%

なぜ4%なのか

4%という数字は、米国株式の長期リターン(約7%)からインフレ率(約3%)を引いた「実質リターン」に基づいている。

2つの取り崩し方法

定額取り崩し

毎年一定の「金額」を取り崩す方法。

資産 取り崩し額
1年目 1億円 400万円
2年目 9,600万円+運用益 400万円
3年目 ... 400万円

メリット:収入が安定
デメリット:暴落時に資産が大きく減る

定率取り崩し

毎年一定の「率」で取り崩す方法。

資産 取り崩し額(4%)
1年目 1億円 400万円
2年目 9,000万円 360万円
3年目 1億2,000万円 480万円

メリット:資産が枯渇しにくい
デメリット:収入が変動する

読者
読者

どちらがおすすめですか?

青山(ファイナンシャルプランナー)
青山(ファイナンシャルプランナー)

一般的には「定額取り崩し」の方が生活設計しやすいです。ただし、暴落時に無理に取り崩さない柔軟性も必要です。「基本は定額、暴落時は支出を抑える」という方法も有効です。

日本での注意点

税金

投資信託や株式の売却益には20.315%の税金がかかる(2024年現在)。

税金の影響

4%ぴったりで取り崩すと、税引き後は約3.2%になる。

例:400万円取り崩し → 税引き後約320万円

税金を考慮して、やや多めに取り崩す必要がある。

インフレ

4%ルールの「4%」は、リターンからインフレ率を引いた数字。

日本のインフレ率が上昇すれば、取り崩し率を下げる必要が出てくる可能性がある。

全世界株での4%ルール

米国株と全世界株の違い

トリニティ・スタディは「米国株」を前提としている。

読者
読者

全世界株(VT等)でも4%ルールは使えますか?

青山
青山

全世界株は米国株より低リターンの傾向があるため、4%ではなく3%が安全とされています。具体的には、株式50%+債券50%で3%取り崩しなら、失敗確率が5%程度に抑えられます。

より保守的な「42の法則」

42の法則

年間支出の約33倍(100÷3)の資産を築き、3%で取り崩す。

10年に一度の大きな下落があっても、利回り7%を目指せば資産を維持できる。

現金クッションの重要性

暴落時に資産を取り崩さないために、「現金クッション」を確保する戦略が有効。

現金クッション戦略
  • 生活費2〜3年分を現金で保有
  • 暴落時は現金から生活費を捻出
  • 資産が回復したら現金を補充

まとめ

4%ルールは、資産取り崩しの有力な考え方だ。

  • 年間支出の25倍の資産で、毎年4%取り崩し
  • トリニティ大学の研究に基づく
  • 30年間で資産が枯渇しない確率は約95%
  • 日本では税金20.315%を考慮が必要
  • 全世界株なら3%取り崩しが安全
  • 現金クッションで暴落に備える

4%ルールは「目安」であり、柔軟に対応することが大切だ。

よくある質問(記事のおさらい)

Q
Q1. 4%ルールで本当に資産は減りませんか?
A

30年間で資産が枯渇しない確率は約95%とされますが、5%の確率で失敗する可能性はあります。暴落が続いた場合や、運用リターンが低い時期に当たると資産が減少します。

Q
Q2. 日本のNISAで4%ルールは使えますか?
A

新NISAの非課税枠(1,800万円)の範囲内なら、売却益に税金がかからないため、4%ルールが有効に機能します。ただし、1,800万円を超える部分は課税口座となるため、税金の考慮が必要です。

Q
Q3. 年間支出が読めない場合はどうすればいいですか?
A

まずは「最低限必要な生活費」と「ゆとりある生活費」の2パターンで計算しておくと良いでしょう。暴落時は最低限の生活費で過ごし、好調時はゆとりある支出をする柔軟性が大切です。


※本記事は情報提供を目的としており、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。投資判断は自己責任でお願いいたします。