「AI株はバブルだ」「いや、成長はまだ続く」——投資家の間で議論が続いています。
エヌビディアのジェンスン・フアンCEOは決算説明会で**「バブルではない」**と明言。一方、成長ペースの減速も見込まれています。
この記事では、AI株のバブル論争と今後の見通しを分析します。
エヌビディア最新決算
エヌビディアの業績はどうなっていますか?
2025年8-10月期決算は増収増益の好決算でした。売上高、EPSともに前年同期比で6割強の増加です。
決算のポイント
- 売上高:前年同期比6割超増
- EPS:前年同期比6割超増
- 業績見通し:市場予想を上回る
CEOの発言
「AIバブルだと多くの議論がありますが、私たちの見方はまったく異なります」
フアンCEOは決算説明会でバブル論に反論しました。
バブルではない理由
①業績が伴っている
「AIバブル」と言えるほど予想PERは上昇しておらず、ITバブルの時のようにEPSの増加と株価の上昇が大きく乖離していた状況とは異なっています。
AI関連銘柄の株価水準については一部割高感も指摘されていますが、総じて良好な業績の見通しを伴った株高と考えられています。
②実態のある成長
業績が伴わない実態の乏しい企業に投資マネーが殺到するバブル的な相場とは異なり、実際の収益増が裏付けとなっています。
成長ペースの減速見通し
アナリスト予想
でも、成長が鈍化するんですよね?
はい。アナリストはエヌビディアの売上高成長が今後数年で減速すると見込んでいます。
| 会計年度 | 予想増収率 |
|---|---|
| 26年度(現在) | 約60% |
| 27年1月期 | 41% |
| 28年1月期 | 22% |
利益率の限界
エヌビディアは抜群の収益性を誇る優良企業である一方、営業利益の水準が限界利益に近づいてきたことから、さらなる利益率の改善を望むのは難しくなってきています。
株価に関しては「美味しい時期」を過ぎてしまった可能性も指摘されています。
2025年の主な出来事
DeepSeekショック(1月)
2025年1月、中国のスタートアップDeepSeekが低コストかつ高効率の新モデル「DeepSeek R1」を発表。米国のAI関連株は一斉に下落しました。
トランプ関税(4月)
2025年4月にトランプ政権が新たな関税政策を発表したことをきっかけにAI関連株は底打ち。エヌビディアの株価は最大で約34%の調整を経験しました。
今後の見通し
楽観的な見方
株式市場でのAIブームは少なくとも今後2年くらいは拡大を続けると予想されています。いずれバブル的な過熱を迎えるかもしれませんが、その時はまだ先との見方です。
注意すべき点
ゴールドマン・サックスCEOは「テック株のバリュエーションが高い。今後12〜24カ月の間に株式市場は10〜20%下落する可能性が高い」と警告しています。
AI関連の注目銘柄
米国株
- エヌビディア:AI半導体の王者
- AMD:GPUでエヌビディアに挑戦
- ブロードコム:AI向けネットワーク
- ASML:半導体製造装置
- テスラ:AI・自動運転
日本株
- アドバンテスト(6857):エヌビディア向け売上高が多い
- ディスコ(6146):半導体製造装置
- 東京エレクトロン(8035):半導体製造装置
投資判断のポイント
①分散投資
AI関連に集中投資せず、ポートフォリオ全体でバランスを取りましょう。
②長期視点
AIは長期的な成長テーマ。短期的な調整を恐れず、長期で保有する姿勢が重要です。
③バリュエーションチェック
割高になりすぎていないか、PERなどのバリュエーション指標をチェックしましょう。
まとめ:AI相場はまだ続く
AI株のポイント:
- **エヌビディアCEOは「バブルではない」**と主張
- 業績が伴った株高でITバブルとは異なる
- 成長ペースは減速見込み(26年度60%→28年度22%)
- 今後2年はAIブーム継続予想
- 分散投資と長期視点が重要
AI相場はまだ続く可能性が高いですが、成長ペースの減速も織り込む必要があります。分散投資と長期視点で臨みましょう。
よくある質問(記事のおさらい)
エヌビディアCEOは「バブルではない」と反論。予想PERは過度に上昇しておらず、業績が伴った株高でITバブルとは状況が異なるとされています。
アナリストは売上高成長が減速すると予想。26年度の約60%増から、27年度は41%、28年度は22%と鈍化が見込まれています。
2025年1月に中国DeepSeekが低コストAIモデルを発表し、米国AI関連株が一斉下落した出来事です。エヌビディアは最大34%調整しました。
今後2年はAIブーム継続予想ですが、成長減速も織り込む必要があります。分散投資・長期視点・バリュエーションチェックが重要です。