NVIDIAの独走が続くAI半導体市場で、最も有力な対抗馬として注目されるAMD。
2025年10月にはOpenAIとの大型契約発表で株価が24%急騰するなど、存在感を高めている。その事業内容と投資家が注目すべきポイントを解説する。
AMDの基本情報
AMD(アドバンスト・マイクロ・デバイセズ)は、CPU・GPU・AI半導体を設計する米国の半導体大手だ。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 正式名称 | Advanced Micro Devices, Inc. |
| 設立 | 1969年 |
| 本社 | 米国カリフォルニア州サンタクララ |
| CEO | リサ・スー |
| 上場市場 | NASDAQ(ティッカー:AMD) |
| 時価総額 | 約3,300億ドル(約50兆円) |
AMDはIntelのライバルというイメージでしたが、今はNVIDIAのライバルなんですか?
両方です。CPUではIntelと、AI向けGPUではNVIDIAと競合しています。特に近年はAI半導体分野での成長が著しく、NVIDIAに次ぐポジションを確立しています。
AMDの事業セグメント
AMDの事業は4つのセグメントで構成される。
1. データセンター
AIサーバー向けGPU・CPUが急成長中。
- Instinct MI300シリーズ:AI向けGPU
- EPYC:サーバー向けCPU
- Pensando:データセンター向けネットワーク
2024年度のデータセンター売上は前年比94%増と驚異的な成長を達成。
2. クライアント
PC向けCPUを展開。
- Ryzenシリーズ:デスクトップ・ノートPC向け
- Intel Core対抗として高い評価を獲得
3. ゲーミング
ゲーム機・PC向けグラフィックス。
- Radeonシリーズ:PC向けGPU
- PlayStation 5、Xbox向けにカスタムチップを供給
4. 組み込み
産業機器・自動車向けの組み込みプロセッサ。
業績の推移
| 指標 | 2024年Q3 | 前年同期比 |
|---|---|---|
| 売上高 | 92億ドル | +36% |
| データセンター売上 | 35億ドル | +94% |
| 粗利益率 | 54% | 改善 |
| 純利益 | 31%増 | - |
2025年Q3には記録的な92億ドルの売上高を達成し、AI半導体が成長を牽引している。
OpenAIとの大型契約
2025年10月、AMDはOpenAIとの大型契約を発表した。
- OpenAIが今後数年で合計6ギガワット規模のAMD製GPUを導入
- AMD株は24%高の203.71ドルまで急騰
- 時価総額は1日で634億ドル(約9.5兆円)増加
これにより、AI半導体市場でNVIDIAに次ぐポジションを確立した。
NVIDIAとの比較
| 項目 | NVIDIA | AMD |
|---|---|---|
| AI GPU市場シェア | 70%超 | 10-15% |
| 主力AI製品 | H100/H200 | MI300X |
| ソフトウェア | CUDA(業界標準) | ROCm |
| 強み | エコシステムの完成度 | 価格競争力 |
NVIDIAに勝つのは難しそうですね…
確かにNVIDIAの優位性は大きいですが、AMDは「価格競争力」と「マルチベンダー化」の流れで追い上げています。大手クラウド企業もリスク分散のためAMDを採用する動きがあります。
投資家が注目すべきポイント
株価バリュエーション
| 指標 | 数値(2025年12月時点) |
|---|---|
| 株価 | 約215ドル |
| PER | 約213倍 |
| 52週レンジ | 76〜267ドル |
| アナリスト目標株価 | 約283ドル |
40人のアナリストが「買い」を推奨している。
成長ドライバー
- MI300シリーズの拡大:2024年に50億ドル超の収益
- OpenAI契約:長期的な収益源
- EPYC:サーバーCPU市場でシェア拡大
- AI買収:Silo AI、ZT Systemsを買収
リスク要因
- NVIDIAとの技術格差(特にソフトウェアエコシステム)
- AI投資サイクルの変動
- PC・ゲーミング市場の成熟化
今後の見通し
AMDは2026年後半に次世代AI GPU「MI450シリーズ」の発売を計画。
| 時期 | 予定 |
|---|---|
| 2025年Q4 | 売上高96億ドル(見通し) |
| 2026年後半 | MI450シリーズ発売 |
AI半導体の需要拡大が続く限り、AMDの成長ポテンシャルは高いと見られる。
日本での投資方法
| 方法 | 特徴 |
|---|---|
| 米国株直接購入 | SBI証券、楽天証券等で購入可能 |
| 投資信託 | S&P500・NASDAQ100連動型に含まれる |
| 半導体ETF | SMH(ヴァンエック半導体ETF)等 |
まとめ
AMDは、NVIDIAに次ぐAI半導体企業として存在感を高めている。
- データセンター売上が前年比94%増と急成長
- OpenAIとの大型契約で株価24%急騰
- AI半導体「MI300」シリーズが好調
- Ryzen・EPYCのCPU事業も堅調
- 2025年Q3売上高は過去最高の92億ドル
NVIDIAの対抗馬として、AI半導体市場の成長とともに注目すべき銘柄だ。
よくある質問(記事のおさらい)
AMDは、CPU・GPU・AI半導体を設計する米国の半導体大手です。PC向けCPU「Ryzen」、サーバー向け「EPYC」、AI向けGPU「MI300」などが主力製品です。
NVIDIAはAI半導体市場でシェア70%超のトップ企業で、CUDAという独自のソフトウェアエコシステムが強みです。一方、AMDはシェア約10-15%ですが、価格競争力と「マルチベンダー化」のニーズで追い上げています。
はい、SBI証券や楽天証券などで米国株として購入できます。また、S&P500やNASDAQ100に連動する投資信託、半導体ETFを通じた投資も可能です。
※本記事は情報提供を目的としており、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。投資判断は自己責任でお願いいたします。