「アセットアロケーションって何?」
「株と債券、どんな割合で持てばいい?」
投資成績の約9割はアセットアロケーション(資産配分)で決まるという研究があります。
この記事では、アセットアロケーションの基本と、年代別の考え方を解説します。
アセットアロケーションとは
アセットアロケーションとは、資産をどのような種類(アセットクラス)に、どんな割合で配分するかを決めることです。
主なアセットクラス
| アセットクラス | 特徴 |
|---|---|
| 株式 | ハイリスク・ハイリターン |
| 債券 | ローリスク・ローリターン |
| 不動産(REIT) | 中程度のリスク・リターン |
| 現金・預金 | リスクほぼゼロ、リターンも低い |
ポートフォリオとの違い
- アセットアロケーション:株式60%、債券40%などの「配分」
- ポートフォリオ:具体的に何を買うか(オルカン、VTIなど)
アセットアロケーションが「設計図」、ポートフォリオが「実際の建物」というイメージです。
「100 - 年齢」ルール
資産配分の目安として、「100から年齢を引いた割合を株式に」というルールがあります。
| 年齢 | 株式比率 | 債券・現金比率 |
|---|---|---|
| 20歳 | 80% | 20% |
| 30歳 | 70% | 30% |
| 40歳 | 60% | 40% |
| 50歳 | 50% | 50% |
| 60歳 | 40% | 60% |
なぜ年齢で変えるんですか?
若いうちは失敗してもリカバリーする時間があるからです。逆に退職が近い年代は、リスクを抑えて資産を守ることが重要になります。
年代別のおすすめ配分
20〜30代
| アセット | 配分 |
|---|---|
| 株式 | 70〜80% |
| 債券 | 10〜20% |
| 現金 | 10% |
長期投資が可能なため、リスクを取れる時期です。株式中心の積極運用がおすすめ。
「オルカン100%」「S&P500 100%」のようなシンプルな構成でも問題ありません。若いうちは時間が味方になります。
40〜50代
| アセット | 配分 |
|---|---|
| 株式 | 50〜60% |
| 債券 | 30〜40% |
| 現金 | 10% |
教育費などの出費も増える時期。リスクを徐々に抑えながら、資産成長も狙うバランス型に。
60代以上
| アセット | 配分 |
|---|---|
| 株式 | 30〜40% |
| 債券 | 40〜50% |
| 現金 | 20% |
年金や退職金の取り崩しで生活していく時期。債券中心の安定運用に移行。
株式と債券の関係
なぜ株式と債券を組み合わせるのでしょうか?
逆相関の関係
一般的に、株式と債券は逆の値動きをする傾向があります。
- 景気が良い → 株式↑、債券↓
- 景気が悪い → 株式↓、債券↑
両方持つことで、どちらの局面でも資産全体の変動を抑えられます。
2022年のように、株式と債券が同時に下落する年もあります。「必ず逆に動く」わけではない点に注意。
リバランスの重要性
時間が経つと、株価の変動で配分が崩れてきます。
例
- 当初:株式60%、債券40%
- 1年後:株式70%、債券30%(株価上昇で)
この場合、株式を売って債券を買い、元の比率に戻す作業をリバランスといいます。
年に1回程度のリバランスを推奨する専門家が多いです。
よくある質問
ダメではありません。特に20〜30代で長期投資するなら、「オルカン100%」はシンプルで良い選択肢です。ただし、年齢が上がるにつれて債券を加えることも検討しましょう。
「ホームカントリーバイアス」と呼ばれる考え方ですが、必須ではありません。オルカンには日本株も約5%含まれています。特別な理由がなければ、世界分散で十分です。
まとめ
アセットアロケーションは、投資成績を左右する重要な要素です。
- 投資成績の約9割は資産配分で決まる
- 「100 - 年齢」が株式比率の目安
- 若いうちは株式中心、年齢とともに債券を増やす
- 年1回程度のリバランスを推奨
※本記事は情報提供を目的としており、特定の金融商品の購入を推奨するものではありません。投資に関する最終決定は、ご自身の判断と責任において行ってください。
参考: