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バランスファンドとは?メリット・デメリットと選び方を解説
投資信託

バランスファンドとは?メリット・デメリットと選び方を解説

2025-12-16
2025-12-16 更新

バランスファンドの仕組み、メリット・デメリットを解説。株式100%ファンドとの比較、おすすめの選び方、向いている人の特徴も紹介します。

「バランスファンドって聞くけど、株式ファンドとは何が違うの?」——投資信託選びで迷う方は多いでしょう。

バランスファンドは1本で複数の資産に分散投資できる便利な商品ですが、向き不向きがあります。この記事では、バランスファンドの仕組みとメリット・デメリット、選び方を解説します。

バランスファンドとは

バランスファンドとは、株式・債券・REITなど複数の資産を組み合わせて運用する投資信託です。

項目 バランスファンド 株式ファンド
投資対象 株式+債券+REIT等 株式のみ
リスク やや低い 高い
リターン やや低い 高い(期待値)
値動き マイルド 大きい

バランスファンドの資産配分例

タイプ 株式 債券 その他
保守型 30% 60% 10%
中間型 50% 40% 10%
積極型 70% 20% 10%

代表的なバランスファンド

8資産均等型

8つの資産クラスに均等(各12.5%)に投資するタイプです。

資産クラス 配分
国内株式 12.5%
先進国株式 12.5%
新興国株式 12.5%
国内債券 12.5%
先進国債券 12.5%
新興国債券 12.5%
国内REIT 12.5%
先進国REIT 12.5%

代表ファンド:eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)
信託報酬:年0.143%

ターゲットイヤー型

退職時期に合わせて自動的に資産配分を調整するタイプです。若いうちは株式比率が高く、退職が近づくにつれ債券比率が上がります。

固定配分型

株式60%:債券40%など、一定の比率を維持するタイプです。

バランスファンドのメリット

メリット1:1本で分散投資できる

複数のファンドを買い揃える必要がなく、1本で幅広い資産に分散できます。

青山(独立系FP)
青山(独立系FP)

初心者が「株式ファンド」「債券ファンド」「REITファンド」を個別に選ぶのは大変です。バランスファンドなら1本買うだけで完結します。

メリット2:リバランスが不要

資産配分は時間とともにズレていきますが、バランスファンドは自動でリバランス(配分調整)してくれます。

作業 自分で複数ファンドを持つ場合 バランスファンド
資産配分の管理 自分でやる 不要
リバランス 年1回程度必要 自動
手間 かかる かからない

メリット3:値動きがマイルド

株式100%に比べ、債券を組み入れることで値動きが穏やかになります。

読者
読者

暴落時にも下がりにくいってことですか?

青山
青山

はい。例えばコロナショック(2020年)では、株式100%のファンドは約30%下落しましたが、株式50%・債券50%のバランスファンドは約15%の下落で済みました。

バランスファンドのデメリット

デメリット1:長期では株式100%に負けやすい

20年以上の長期投資では、株式100%の方がリターンが高くなる傾向があります。

ファンド 20年間の期待リターン(年率)
株式100% 約5〜7%
バランス(50:50) 約3〜5%
長期投資なら株式100%

投資期間が20年以上あるなら、株式100%のインデックスファンドの方が期待リターンは高いです。バランスファンドは「リスクを抑えたい人」向けです。

デメリット2:資産配分を自分で調整できない

バランスファンドの資産配分は固定(または自動調整)です。「株式をもっと増やしたい」と思っても、自分では調整できません。

デメリット3:コストがやや高め

バランスファンドは複数の資産を管理するため、株式単独のインデックスファンドよりコストが高い傾向があります。

ファンド 信託報酬(年率)
eMAXIS Slim 全世界株式 0.05775%
eMAXIS Slim バランス(8資産均等型) 0.143%

デメリット4:債券部分が足を引っ張ることも

低金利環境では債券のリターンが低く、全体のパフォーマンスを押し下げることがあります。

バランスファンドと株式ファンドの比較

項目 バランスファンド 株式100%
期待リターン
リスク
暴落時の下落幅 小さい 大きい
長期リターン 株式に劣りやすい 高い傾向
手間 少ない 少ない
コスト やや高め 安い

バランスファンドが向いている人

向いている人

メリット
  • 投資に手間をかけたくない人
  • 値動きを抑えたい人
  • 投資期間が10年以下の人
  • 暴落時に不安になりやすい人
  • 資産配分を考えたくない人
デメリット

向いていない人

メリット
デメリット
  • 20年以上の長期投資ができる人
  • リターンを最大化したい人
  • 暴落時も平常心でいられる人
  • 自分で資産配分を調整したい人

おすすめのバランスファンド

新NISAで買えるおすすめ

ファンド名 信託報酬 特徴
eMAXIS Slim バランス(8資産均等型) 0.143% 8資産に均等分散
ニッセイ・インデックスバランスファンド(4資産均等型) 0.154% 国内外の株式・債券に均等分散
たわらノーロード バランス(8資産均等型) 0.143% 8資産に均等分散
青山
青山

どれも低コストで優良なファンドです。新NISAのつみたて投資枠で購入できます。

バランスファンドを選ぶ際のチェックポイント

1. 信託報酬は0.2%以下か

コストは長期リターンに直結します。年0.2%以下のファンドを選びましょう。

2. 純資産総額は十分か

純資産総額が小さいファンドは繰上償還のリスクがあります。100億円以上が目安です。

3. 資産配分は自分に合っているか

株式比率が高いほどリスクもリターンも高くなります。自分のリスク許容度に合った配分を選びましょう。

バランスファンドと「自作バランス」の比較

複数のファンドを組み合わせて「自分でバランス型」を作ることもできます。

項目 バランスファンド 自作バランス
手間 少ない 多い
柔軟性 なし あり
コスト やや高め 安くできる
リバランス 自動 自分でやる
自作バランスの例
  • eMAXIS Slim 全世界株式 60%
  • eMAXIS Slim 国内債券 40%

この組み合わせなら、バランスファンドより低コストで柔軟な運用ができます。

まとめ

バランスファンドのポイントを整理します。

  • バランスファンドは1本で複数資産に分散できる
  • リバランス不要で手間がかからない
  • 値動きがマイルドで暴落に強い
  • 長期では株式100%に負けやすい
  • 投資期間10年以下リスクを抑えたい人に向いている
  • 20年以上の長期投資なら株式100%がおすすめ

自分の投資期間とリスク許容度に合わせて選びましょう。

よくある質問

Q
Q1. バランスファンドと株式ファンド、初心者はどちらを選ぶべき?
A

投資期間が15年以上あるなら、株式100%のインデックスファンド(例:eMAXIS Slim 全世界株式)がおすすめです。長期では株式の方がリターンが高く、暴落も時間で回復できます。投資期間が10年以下なら、バランスファンドでリスクを抑えるのも一つの選択です。

Q
Q2. 8資産均等型は本当に良い配分ですか?
A

8資産均等型は「シンプルで分かりやすい」というメリットがありますが、必ずしも最適な配分とは限りません。日本株や新興国債券の比率が高すぎるという意見もあります。ただ、「何が最適か分からない」場合は、均等配分はリスク分散の観点から悪くない選択です。

Q
Q3. ターゲットイヤーファンドはおすすめですか?
A

ターゲットイヤーファンドは、退職時期に合わせて自動でリスクを下げてくれるため便利です。ただし、コストが高い傾向があり、自分でリバランスできる人には不要かもしれません。「完全にお任せしたい」人には良い選択です。

※本記事は情報提供を目的としており、特定の金融商品の購入を推奨するものではありません。投資に関する最終決定は、ご自身の判断と責任において行ってください。