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日銀利上げと投資への影響|2025年の金利動向と対策
経済・マーケット

日銀利上げと投資への影響|2025年の金利動向と対策

2025-12-17
2025-12-17 更新

日銀の利上げで投資環境はどう変わる?株価、為替、債券への影響と、個人投資家がとるべき対策を解説します。

2024年3月、日銀は17年ぶりにマイナス金利を解除しました。その後も追加利上げを実施し、日本の金利環境は大きく変わりつつあります。

この記事では、日銀の利上げが投資に与える影響と、個人投資家がとるべき対策を解説します。

日銀の金融政策の変化

マイナス金利解除の経緯

時期 政策金利 出来事
2016年1月〜 -0.1% マイナス金利導入
2024年3月 0〜0.1% マイナス金利解除
2024年7月 0.25% 追加利上げ
2025年1月 0.5% さらに利上げ

なぜ利上げしたのか

利上げの背景
  • インフレ率が2%目標に近づいた
  • 賃金上昇の兆し
  • 円安是正の必要性
  • 金融正常化への道筋
黒澤(投資アナリスト)
黒澤(投資アナリスト)

長らく「金利のない世界」だった日本が、ようやく正常な金利のある世界に戻りつつあります。これは投資環境に大きな影響を与えます。

株式への影響

一般的な理論

金利と株価の関係

一般的に、金利上昇は株価にマイナスと言われます。理由は以下の通り:

  • 企業の借入コストが増加
  • 将来利益の割引率が上昇
  • 債券の魅力が相対的に上昇

セクター別の影響

セクター 影響 理由
銀行 プラス 貸出金利と預金金利の差(利ザヤ)拡大
保険 プラス 運用利回り改善
不動産 マイナス 借入コスト増、利回り競争力低下
グロース株 マイナス 将来利益の現在価値が低下
公益 マイナス 高配当の魅力が相対的に低下
読者
読者

銀行株は買いということですか?

黒澤
黒澤

銀行株は金利上昇の恩恵を受けやすいですが、すでに株価に織り込まれている可能性もあります。「金利が上がったから銀行株を買う」という単純な戦略は危険です。

為替への影響

円高方向への圧力

要因 円への影響
日本の利上げ 円高要因
日米金利差の縮小 円高要因
米国の利下げ 円高要因

為替と投資の関係

為替の動き 米国株投資への影響
円安 円換算でプラス
円高 円換算でマイナス
為替リスクに注意

円高が進むと、外貨建て資産の円換算価値が下がります。米国株が上昇しても、円高で相殺されることがあります。

債券への影響

金利と債券価格の関係

金利の動き 既存債券の価格
金利上昇 下落
金利低下 上昇
黒澤
黒澤

すでに持っている債券は、金利が上がると価格が下がります。ただし、満期まで持てば額面で償還されるので、途中の価格変動は気にしなくて良い場合もあります。

債券投資の選択肢

商品 特徴
個人向け国債(変動10年) 金利上昇に連動、元本保証
社債 利回り高め、信用リスクあり
債券ETF 分散投資可能、価格変動あり

住宅ローンへの影響

変動金利 vs 固定金利

金利タイプ 金利上昇時の影響
変動金利 返済額が増加
固定金利 影響なし
変動金利の注意点

変動金利で住宅ローンを借りている人は、金利上昇で毎月の返済額が増加する可能性があります。返済計画に余裕を持っておくことが大切です。

個人投資家がとるべき対策

対策1:長期投資のスタンスを維持

黒澤
黒澤

金利変動で一喜一憂せず、長期投資のスタンスを維持することが大切です。短期的には株価が下がっても、長期では経済成長に沿って回復する傾向があります。

対策2:過度な為替リスクを避ける

対策 内容
円資産も保有 オルカンだけでなく、日本株や円建て資産も
為替ヘッジ商品 為替リスクを抑えた投資信託
ドルコスト平均法 為替変動を平均化

対策3:ポートフォリオの見直し

見直し項目 内容
債券比率 金利上昇局面では短期債が有利
セクター配分 金融セクターの比率を確認
円資産比率 為替リスクの許容度を確認

対策4:変動金利ローンの見直し

住宅ローンが変動金利の場合、今後の返済計画を見直しましょう。余裕資金があれば繰り上げ返済も選択肢です。

2025年の見通し

日銀の今後

シナリオ 内容
メインシナリオ 緩やかな利上げ継続(年1〜2回)
リスクシナリオ 景気後退で利上げ停止・利下げ

市場の織り込み

黒澤
黒澤

市場はある程度の利上げを織り込み済みです。「利上げがあるから株が下がる」とは限らず、予想通りの利上げなら株価への影響は限定的なこともあります。

よくある質問

Q
Q1. 利上げで株価は必ず下がりますか?
A

必ずしも下がりません。利上げの背景が「景気が良いから」であれば、企業業績の改善で株価が上がることもあります。重要なのは利上げのペースと、市場の予想との乖離です。

Q
Q2. 預金金利は上がりますか?
A

すでに一部の銀行で預金金利が上昇しています。ただし、政策金利の上昇幅ほどは上がらない傾向があります。ネット銀行の方が金利上昇への反応が早い傾向があります。

Q
Q3. オルカン投資は続けていい?
A

はい、長期投資なら続けて問題ありません。短期的な金利変動や為替変動に惑わされず、積立投資を継続することが大切です。ただし、円高が進むと円換算のリターンは下がる可能性があることは理解しておきましょう。

まとめ

日銀の利上げと投資への影響をまとめます。

  • 日銀は2024年にマイナス金利を解除、利上げ継続中
  • 銀行・保険はプラス、不動産・グロース株はマイナスの傾向
  • 円高方向への圧力で外貨建て資産に注意
  • 債券は金利上昇で既存保有分の価格下落
  • 長期投資のスタンスを維持することが大切
  • 変動金利ローンは返済計画を見直し

金利のある世界への移行は、投資環境の大きな変化です。冷静に対応しましょう。

※本記事は情報提供を目的としており、特定の金融商品の購入を推奨するものではありません。投資に関する最終決定は、ご自身の判断と責任において行ってください。

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日銀 利上げ 金利 為替 株価
黒澤 この記事の筆者

黒澤

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外資系金融でアナリスト経験後、独立。株式分析・経済解説を手がける。

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