「変動金利で住宅ローンを組んでるんだけど、日銀が利上げしたら返済額ってどれくらい上がるの?」
——2025年12月、日銀は政策金利を0.25%引き上げ、0.75%に設定しました。これは1995年以来、実に30年ぶりの高水準です。
「ついに金利のある世界が本格的に来た」と感じている方も多いでしょう。特に変動金利で住宅ローンを借りている方にとっては、毎月の返済額がいくら増えるのか、そしてこの先どこまで上がるのかが最大の関心事のはずです。
この記事では、日銀利上げが住宅ローンに与える影響を具体的な数字とともに解説し、投資・資産形成への影響も考えます。
日銀の利上げ|何が変わったのか
政策金利の推移
日銀は2024年3月にマイナス金利を解除してから、段階的に政策金利を引き上げてきました。
| 時期 | 政策金利 | 主なアクション |
|---|---|---|
| 〜2024年3月 | −0.1% | マイナス金利政策 |
| 2024年3月 | 0〜0.1% | マイナス金利解除 |
| 2024年7月 | 0.25% | 追加利上げ |
| 2025年1月 | 0.5% | 追加利上げ |
| 2025年12月 | 0.75% | 追加利上げ(30年ぶり水準) |
0.75%って、世界的に見たらまだまだ低いですよね? そんなに騒ぐことですか?
確かにアメリカの5%超と比べれば低いですが、日本は約30年間ほぼゼロ金利だったわけです。「金利がない」ことを前提に住宅ローンを組んだ人が多いため、たとえ0.25%の上昇でも影響は大きいんです。
変動金利はいつ・どれくらい上がる?
2026年4月に基準金利が上昇
多くの銀行は、日銀の利上げを受けて2026年4月に変動金利の基準金利を0.25%引き上げる見通しです。
ただし、これがそのまま適用金利に反映されるとは限りません。銀行間の顧客獲得競争により、「引き下げ幅」を拡大して適用金利の上昇を抑える動きも見られます。
| 項目 | 現在(2026年2月) | 2026年4月〜(予想) |
|---|---|---|
| 基準金利 | 2.625%程度 | 2.875%程度 |
| 引き下げ幅 | −2.0%程度 | −2.0〜2.1%程度 |
| 適用金利(新規) | 0.35〜0.5% | 0.5〜0.75% |
返済額への影響は?
2026年7月以降の返済から反映されます。具体的な影響を試算してみましょう。
条件:借入3,000万円、35年返済、元利均等
| 適用金利 | 月々返済額 | 差額(0.35%比) | 総支払額 |
|---|---|---|---|
| 0.35% | 約75,800円 | — | 約3,184万円 |
| 0.60% | 約79,300円 | +約3,500円/月 | 約3,331万円 |
| 0.85% | 約82,800円 | +約7,000円/月 | 約3,478万円 |
| 1.10% | 約86,400円 | +約10,600円/月 | 約3,629万円 |
月3,500円か……年間で4万2,000円。思ったほどじゃない気もしますが。
1回の利上げだけならそうですが、問題はこの先です。IMFは2026年中にさらに2回の追加利上げを予想していて、政策金利が1.0%に達する可能性もあります。そうなると適用金利は0.85〜1.0%程度になり、月々7,000〜10,000円の負担増です。35年間の総額では300〜400万円の差になります。
多くの銀行の変動金利には「5年ルール」(金利が変わっても5年間は返済額を据え置き)と「125%ルール」(見直し時に返済額が125%以上にならない)が適用されます。ただし、返済額は変わらなくても利息と元金の割合は変わるため、元金の減りが遅くなる点には注意が必要です。
固定金利への借り換えは必要?
「変動金利がこれ以上上がる前に、固定に切り替えた方がいい?」——この質問は非常に多いですが、結論から言えば慌てて切り替える必要はありません。
固定金利はすでに上昇済み
固定金利は「長期金利(10年国債利回り)」に連動しており、日銀の利上げを先取りしてすでに上昇しています。2026年2月時点で、35年固定(フラット35)は1.8〜2.0%程度。変動金利との差は依然として大きいです。
判断基準
- 変動金利のメリット
- 現時点では固定より圧倒的に低い(0.5% vs 1.8%)
- 日銀の利上げペースは緩やか(急激な上昇リスクは低い)
- 繰上返済や売却で早期に完済できるなら有利
- 変動金利のデメリット
- 今後の利上げ回数・幅が不透明
- 金利1.5%超になると固定に切り替えても手遅れ
- 心理的な不安が投資判断に影響することも
結局、どうすればいいんでしょう?
個人的には「変動金利のまま、繰上返済の資金を別途確保しておく」戦略がバランスがいいと思います。たとえば月々の差額分(固定との差額×12ヶ月)を新NISAで積み立てておき、金利が本格的に上がった時点で繰上返済に充てる。これなら金利が上がらなければ投資リターンが得られ、上がった場合もカバーできます。
投資・資産形成への影響
預金金利もわずかに上昇
利上げの恩恵として、普通預金・定期預金の金利もわずかに上昇しています。ただし、0.75%の政策金利に対して普通預金は0.1%程度と、恩恵は限定的です。
NISAの積立は続けるべき?
結論:続けるべきです。金利上昇局面でも、インデックス投資の長期リターンは預金金利を大きく上回ります。ただし、住宅ローンの返済に不安がある場合は、生活防衛資金を厚めに確保してから投資に回しましょう。
一般論として金利上昇は株価にマイナスですが、日本の金利水準はまだ歴史的に低く、企業業績が堅調であれば株価への影響は限定的です。むしろ銀行株・保険株は金利上昇の恩恵を受けるセクターとして注目されています。
まとめ
- 日銀は政策金利を0.75%に引き上げ(30年ぶり高水準)
- 変動金利は2026年4月に0.25%程度上昇し、7月以降の返済に反映される見通し
- 3,000万円借入で月約3,500円、年間約4.2万円の負担増
- IMFはさらに追加利上げを予想。政策金利1.0%到達の可能性も
- 慌てて固定金利に切り替える必要はないが、繰上返済資金の確保は重要
- NISAの積立投資は金利上昇局面でも継続すべき
よくある質問
2026年4月に基準金利が0.25%程度引き上げられ、適用金利は0.5〜0.75%程度になる見通しです。3,000万円・35年借入の場合、月々約3,500円の返済増が見込まれます。
固定金利(フラット35)は1.8〜2.0%とすでに上昇しており、変動金利との差は大きいです。慌てて切り替える必要はありませんが、金利が1.5%を超えるシナリオに備えて繰上返済資金を確保しておくことをおすすめします。
「5年ルール」は金利が変わっても5年間返済額を据え置く制度、「125%ルール」は見直し時の返済額上昇を125%以内に抑える制度です。ただし返済額が変わらなくても利息割合は変化するため、元金の減りが遅くなります。
IMFは2026年中にさらに2回の追加利上げを予想しており、政策金利が1.0%に達する可能性があります。ただし日銀の利上げペースは欧米と比べ緩やかで、急激な金利上昇リスクは低いとされています。
※本記事は情報提供を目的としており、特定の金融商品の購入を推奨するものではありません。
投資に関する最終決定は、ご自身の判断と責任において行ってください。