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債券投資入門|個人向け国債の利回りが1%に!株式との違いとメリット
株式投資

債券投資入門|個人向け国債の利回りが1%に!株式との違いとメリット

2025-12-16
2025-12-16 更新

2025年、個人向け国債の金利が1%に到達。株式とは違う債券の特徴、個人向け国債の3種類の違い、金利上昇局面での選び方を解説します。

「株式投資はリスクが気になる」「元本保証で安全に運用したい」という方に注目されているのが債券投資です。特に2025年は、個人向け国債の金利が17年ぶりの高水準に達し、関心が高まっています。

この記事では、債券投資の基本と、個人向け国債の選び方を解説します。

債券とは

債券とは、国や企業がお金を借りるために発行する「借用証書」のようなものです。投資家は債券を購入することで、発行体にお金を貸し、その見返りとして利息(クーポン)を受け取ります。

読者
読者

株式と何が違うんですか?

西山(資産運用アドバイザー)
西山(資産運用アドバイザー)

株式は会社の「所有者」になる投資ですが、債券は会社や国の「債権者」になる投資です。株式は値上がり益を狙えますが、債券はあらかじめ決まった利息を受け取るのが基本です。

株式と債券の違い

項目 株式 債券
性質 出資(所有者になる) 貸付(債権者になる)
収益 配当金+値上がり益 利息(クーポン)
元本 保証なし 満期時に返還(国債は国が保証)
リスク 高い 低い(発行体による)
値動き 大きい 小さい

個人向け国債とは

個人向け国債は、日本政府が個人投資家向けに発行する債券です。国が元本と利子の支払いを保証しているため、最も安全性が高い債券といえます。

個人向け国債の3種類

種類 金利タイプ 満期 2025年8月発行分の利率
変動10年 変動金利 10年 年0.96%
固定5年 固定金利 5年 年0.96%
固定3年 固定金利 3年 年0.76%
最新情報

2025年6月募集分では、変動10年と固定5年の利率がともに年1.0%に到達しました。これは過去と比較しても魅力的な水準です。

具体的な利息額の例

利率1%(年率)の5年物を100万円で購入した場合:

  • 半年後の利息:約3,985円(税引き後)
  • 5年間の利息合計:約39,850円(税引き後)
西山
西山

銀行の普通預金金利(0.1%程度)と比べると、個人向け国債の利回りは約10倍。安全性を重視しつつリターンも欲しい方には魅力的な選択肢です。

金利上昇局面での選び方

2025年現在、日本銀行は金融政策を正常化する方向で動いており、金利は上昇傾向にあります。このような局面では、どの種類を選ぶかが重要です。

読者
読者

3種類あると、どれを選べばいいか迷います。

西山
西山

金利上昇局面では変動10年がおすすめです。半年ごとに利率が見直されるため、金利が上がればより高い利息を受け取れます。

選び方の目安

こんな人に おすすめ種類 理由
金利上昇を期待 変動10年 半年ごとに利率が上がる可能性
今の金利を確定したい 固定5年 5年間、現在の高金利を固定
短期で様子見したい 固定3年 3年後に金利を見て判断
専門家の見解

「金利上昇局面は約2年続くことが多い。今は変動金利商品を選ぶか、満期が短い商品を『つなぎ』として持つのが賢明」という意見もあります。

個人向け国債のメリット・デメリット

メリット
  • 元本保証(国が保証)
  • 1万円から購入可能
  • 発行後1年経過すれば中途解約可能
  • 中途解約しても元本割れしない
  • 毎月発行されるので購入しやすい
デメリット
  • 発行後1年間は解約不可
  • 中途解約時は直近2回分の利子相当額が差し引かれる
  • インフレ率を下回ると実質的な価値が目減り
  • 株式のような大きなリターンは期待できない

インフレに注意

読者
読者

利率1%なら十分高いように感じますが…

西山
西山

インフレ率が2%であれば、利率1%の国債では実質的にお金の価値が目減りします。「安全だから」と全資産を国債にするのではなく、株式との組み合わせでバランスを取ることが大切です。

社債という選択肢

個人向け国債よりも高い利回りを求めるなら、社債(企業が発行する債券)も選択肢になります。

2025年4月時点で、年利3%を超える社債も発行されています。ただし、社債は発行企業が破綻した場合に元本割れするリスクがあります。

項目 個人向け国債 社債
発行体 日本政府 企業
利回り 約1% 1〜4%程度
元本保証 あり なし(発行企業のリスク)
最低購入額 1万円 10万円〜100万円程度

ポートフォリオにおける債券の役割

債券は、株式と組み合わせることでポートフォリオ全体のリスクを下げる効果があります。

年代別の債券比率の目安

年代 株式 債券 考え方
20〜30代 80〜100% 0〜20% 長期投資できるので株式中心
40代 60〜80% 20〜40% バランスを意識し始める
50代 40〜60% 40〜60% リスクを抑える方向へ
60代以降 20〜40% 60〜80% 元本保全を重視
西山
西山

年齢が上がるにつれて、株式から債券にシフトしていくのが一般的です。「100−年齢」を株式比率の目安にする考え方もあります。

個人向け国債の購入方法

購入窓口の比較

窓口 メリット デメリット
ネット証券(SBI、楽天など) 手続き簡単、24時間申込可能 対面相談はできない
銀行・ゆうちょ銀行 窓口で相談可能、安心感 営業時間に限られる
大手証券会社 担当者がつく 他の商品を勧められることも
西山
西山

手数料はどこで買っても無料です。操作に慣れているなら、ネット証券が最も手軽でおすすめです。

募集スケジュールの確認方法

財務省のウェブサイトで、最新の募集条件(利率、募集期間など)を確認できます。

財務省公式サイト

「財務省 個人向け国債」で検索すると、公式の商品説明ページにアクセスできます。利率は毎月変わるため、購入前に必ず確認しましょう。

手順 個人向け国債の購入手順(ネット証券の場合)
1
証券口座を開設

SBI証券、楽天証券などで口座開設します(本人確認書類・マイナンバーが必要)。すでに口座があれば次へ。

2
募集期間を確認

毎月10日前後〜月末頃が募集期間です。証券会社のサイトで「個人向け国債」を検索すると、現在の募集情報が表示されます。

3
種類と金額を選んで申し込み

変動10年、固定5年、固定3年から選択し、購入金額(1万円以上1万円単位)を入力します。

4
購入代金を入金

発行日(翌月15日頃)までに、証券口座に購入代金を入金します。

5
発行日に口座へ反映

発行日に保有欄に反映され、半年後から利息が受け取れます。

購入のベストタイミング

読者
読者

いつ買うのがいいんですか?

西山
西山

変動10年の場合、金利が上がりそうな時期に買うと、半年後に利率が上がる可能性があります。ただし、金利予測は難しいので、「買いたい時が買い時」と考えて大丈夫です。毎月募集されているので、焦る必要はありません。

まとめ

債券投資のポイントを整理します。

  • 債券は「貸付」による投資で、株式よりリスクが低い
  • 個人向け国債は国が元本保証する安全な債券
  • 2025年は金利が上昇し、変動10年で年1%の水準に
  • 金利上昇局面では変動金利型が有利
  • 株式と組み合わせて分散投資に活用しよう

安全資産として、生活防衛資金の一部を個人向け国債で運用するのもよいでしょう。

よくある質問

Q
Q1. 個人向け国債の利率は今どのくらいですか?
A

2025年6月募集分で変動10年・固定5年ともに年1.0%、固定3年は年0.76%です。17年ぶりの高水準となっています。

Q
Q2. 個人向け国債は途中で解約できますか?
A

発行後1年経過すれば、いつでも解約できます。ただし、直近2回分の利子相当額が差し引かれます。元本割れはしません。

Q
Q3. 金利上昇局面ではどの種類を選ぶべきですか?
A

変動10年がおすすめです。半年ごとに利率が見直されるため、金利が上がればより高い利息を受け取れます。

※本記事は情報提供を目的としており、特定の金融商品の購入を推奨するものではありません。投資に関する最終決定は、ご自身の判断と責任において行ってください。