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暴落が来たらどうする?投資家のためのメンタル管理術
株式投資

暴落が来たらどうする?投資家のためのメンタル管理術

2025-12-16
2025-12-16 更新

「暴落したらどうしよう」「含み損を見ると不安になる」——そんな投資家のために、パニック売りを防ぎ、冷静さを保つためのメンタル管理術を解説します。

「暴落したらどうしよう」「含み損を見ると不安で眠れない」——投資を始めると、いつか必ず訪れる「暴落」への恐怖を感じる方は多いでしょう。

2024年8月の「令和のブラックマンデー」では、日経平均株価が1日で4,451円(12.4%)下落しました。このとき、パニック売りをしてしまった投資家も少なくありません。

この記事では、暴落時にパニック売りを防ぎ、冷静さを保つためのメンタル管理術を解説します。

なぜ暴落でパニック売りしてしまうのか

人間の脳は「損失」に敏感

投資心理学には「プロスペクト理論」という概念があります。これは、人間は利益を得る喜びよりも、損失を被る苦痛の方が大きく感じるという理論です。

読者
読者

確かに、利益が出ても「もっと上がるかも」と思うのに、損失が出ると「もっと下がるかも」と不安になります。

青山(専門家)
青山(専門家)

それがまさにプロスペクト理論です。同じ金額でも、損失の方が約2倍のインパクトを感じると言われています。だから暴落時に冷静でいるのは難しいんです。

パニック売りの3大原因

原因 詳細
投資しすぎ 生活防衛資金を確保せず、余剰資金以上を投資している
売却ルールがない 何を基準に売るか事前に決めていない
値動きを見すぎ 毎日・毎時間チェックして一喜一憂する

暴落時に「やってはいけない」5つのこと

1. パニック売り

最も避けるべきは「暴落中に売る」ことです。

暴落時に売るということは、「安値で売る」ということ。これは投資で損をする最も確実な方法です。

行動 結果
暴落時に売る 安値で売却 → 損失確定
暴落時に買い増し 安値で購入 → 平均取得単価が下がる
何もしない 回復を待つ → 多くの場合プラスに戻る

2. 毎日の値動きチェック

億万投資家の多くは、暴落時に「持ち株の値動きをなるべく見ない」ことを実践しています。

頻繁にチェックすると、下落のたびに不安が増幅され、パニック売りの原因になります。

対策

暴落時は証券会社のアプリを開かない。通知をオフにする。「見ない」ことも立派な投資戦略です。

3. SNSで他人と比較する

暴落時のSNSには、「〇〇万円損した」「もう終わりだ」というネガティブな投稿が溢れます。

これを見ると不安が増幅され、冷静な判断ができなくなります。

読者
読者

でも、情報収集は大事じゃないですか?

青山
青山

暴落時のSNSは「情報」ではなく「ノイズ」です。感情的な投稿に影響されるだけで、判断の役には立ちません。

4. ナンピン買いの連発

「安くなったから買い増し」は一見良い戦略に見えますが、計画性のないナンピン買いは危険です。

  • 下落がどこまで続くか分からない
  • 資金が尽きると何もできなくなる
  • 精神的に追い詰められる

ナンピン買いをするなら、事前にルールを決めておきましょう(例:10%下落ごとに一定額を買い増し)。

5. 積立投資をやめる

暴落時に積立投資を停止するのは、最悪のタイミングで買うのをやめるということです。

ドルコスト平均法では、価格が下がったときは「安く買えるチャンス」。暴落時こそ積立を続けることで、平均取得単価を下げられます。

暴落時に「やるべき」5つのこと

1. 何もしない

暴落時の最善の行動は「何もしない」ことです。

積立設定をそのままにして、相場を見ず、淡々と過ごす。これが長期投資家の正しい姿勢です。

2. 投資の目的を思い出す

「なぜ投資を始めたのか」を思い出しましょう。

  • 老後資金のため?
  • 子どもの教育費のため?
  • 10年後、20年後の資産形成のため?
青山
青山

長期投資が目的なら、1日や1週間の値動きは誤差です。10年後の自分に聞いてみてください。「今日売るべきか?」と。

3. 過去の暴落と回復を確認する

歴史を振り返ると、株式市場は暴落しても必ず回復してきました。

暴落 下落率 回復までの期間
ブラックマンデー(1987年) -22%(1日) 約2年
ITバブル崩壊(2000年) -49% 約7年
リーマンショック(2008年) -56% 約4年
コロナショック(2020年) -34% 約5ヶ月
令和のブラックマンデー(2024年) -12% 約2ヶ月
ポイント

どんな暴落も、いつかは回復しています。「売らなければ負けない」というのは、長期投資の鉄則です。

4. 生活防衛資金を確認する

暴落時に冷静でいられるかどうかは、生活防衛資金が確保できているかにかかっています。

  • 生活費の3〜6ヶ月分が普通預金にある → 安心して待てる
  • 生活費ギリギリで投資している → 不安でパニックになりやすい

5. 投資仲間と話す(ただしネガティブな人は避ける)

冷静な投資仲間と話すことで、「自分だけじゃない」「長期で見れば大丈夫」という安心感を得られます。

ただし、ネガティブな人や煽るような投稿には近づかないこと。

暴落に備える「事前準備」

1. リスク許容度に合った投資額にする

「〇〇%下落しても平常心でいられる」金額だけを投資しましょう。

投資額 30%下落時の含み損
100万円 -30万円
500万円 -150万円
1,000万円 -300万円
読者
読者

自分のリスク許容度って、どうやって分かるんですか?

青山
青山

「この含み損を見ても売らずにいられるか」をシミュレーションしてみてください。300万円の含み損に耐えられないなら、投資額は1,000万円以下に抑えるべきです。

2. 売却ルールを事前に決める

「暴落したら売らない」というルールを事前に決めておくことが重要です。

ルールの例
  • インデックスファンドは市場全体の暴落では売らない
  • 個別株は「成長ストーリーが崩れたとき」だけ売る
  • 生活に支障が出る場合を除き、含み損で売らない

3. 自動積立を設定する

自動積立なら、暴落時も感情に左右されず、淡々と買い続けられます。

「売るか売らないか」を毎回判断しなくて済むのが、積立投資の大きなメリットです。

4. 投資の勉強を続ける

インデックス投資複利の仕組みを理解していれば、暴落時も「長期で見れば大丈夫」と思えます。

知識は最大のメンタル対策です。

「損切り」と「パニック売り」は違う

損切りは合理的な判断

すべての売却が悪いわけではありません。損切りは、冷静な判断に基づく合理的な行動です。

行動 特徴
パニック売り 恐怖・不安で感情的に売却
損切り 事前のルールに基づき冷静に売却

損切りすべきケース

  • 個別株:業績悪化、不祥事、成長ストーリーの崩壊
  • 投資信託:運用方針の変更、信託報酬の大幅引き上げ

損切りすべきでないケース

  • 市場全体の暴落:インデックスファンドは市場回復を待てばよい
  • 一時的なニュース:長期的な価値に影響しない下落

まとめ

暴落時のメンタル管理術をまとめます。

やってはいけないこと

  • パニック売り(安値で売却)
  • 毎日の値動きチェック
  • SNSで他人と比較
  • 計画性のないナンピン買い
  • 積立投資をやめる

やるべきこと

  • 何もしない(淡々と積立を続ける)
  • 投資の目的を思い出す
  • 過去の暴落と回復を確認する
  • 生活防衛資金を確認する

暴落時の最善の行動は「何もしない」こと。積立設定をそのままに、相場を見ず、淡々と過ごす。これが長期投資家の正しい姿勢です。

「暴落は安く買えるチャンス」——この言葉を心に刻んでおきましょう。

よくある質問

Q
Q1. 暴落時に買い増しした方がいいですか?
A

余裕資金があり、精神的に耐えられるなら買い増しは有効です。ただし、計画性のないナンピン買いは危険。「10%下落ごとに〇万円買う」など、事前にルールを決めておきましょう。

Q
Q2. 暴落はどれくらいの頻度で起きますか?
A

10%以上の調整は年に1〜2回、20%以上の暴落は数年に1回程度起きています。長期投資を続ける以上、暴落は「いつか必ず来るもの」として心構えをしておくことが大切です。

Q
Q3. 暴落中は相場を見ない方がいいですか?
A

長期投資家にとっては「見ない」のが正解です。毎日チェックすると不安が増幅され、パニック売りの原因になります。証券会社のアプリ通知をオフにするのもおすすめです。

Q
Q4. 暴落で売ってしまいました。どうすればいいですか?
A

まずは冷静になりましょう。売却で得た資金を使って、再度積立投資を始めることができます。「失敗した」と落ち込むより、「次からは売らない」という教訓にすることが大切です。

Q
Q5. 暴落に強いポートフォリオはありますか?
A

株式100%よりも、債券や現金を含めたポートフォリオの方が暴落時の下落幅を抑えられます。50代以上は株式比率を下げ、リスクを抑えたポートフォリオを検討しましょう。

※本記事は情報提供を目的としており、特定の金融商品の購入を推奨するものではありません。投資に関する最終決定は、ご自身の判断と責任において行ってください。