「投資の確定申告、どうすればいいの?」
——確定申告シーズンが近づいてきました。仮想通貨(暗号資産)で利益を得た方、投資信託を売却した方は、確定申告が必要なケースがあります。
この記事では、2026年の確定申告に向けて、仮想通貨と投資信託の税金・申告方法を解説します。
仮想通貨(暗号資産)の税金
現行制度:雑所得として総合課税
仮想通貨の利益は、現時点では雑所得として総合課税されます。
| 課税所得 | 税率(所得税+住民税) |
|---|---|
| 195万円以下 | 15% |
| 195〜330万円 | 20% |
| 330〜695万円 | 30% |
| 695〜900万円 | 33% |
| 900〜1,800万円 | 43% |
| 1,800〜4,000万円 | 50% |
| 4,000万円超 | 55% |
株と違って税率が高いんですね。
そうです。株式は20%の分離課税ですが、仮想通貨は給与などと合算される総合課税なので、所得が多いほど税率が上がります。最高55%にもなります。
2028年から分離課税へ(予定)
2026年度税制改正大綱で、仮想通貨を株式と同様の申告分離課税(20%)にすることが決まりました。
- 税率:20%(所得税15%・住民税5%)
- 損失繰越:3年間可能
- 適用時期:2028年1月頃(金融商品取引法改正後)
ただし、2025年分の確定申告(2026年に申告)には間に合いません。2025年分はまだ雑所得として申告が必要です。
仮想通貨の確定申告が必要なケース
確定申告が必要:
- 仮想通貨の売却益が年間20万円超(給与所得者)
- 仮想通貨同士の交換で利益が出た
- 仮想通貨で商品を購入した(決済時の時価で計算)
確定申告が不要:
- 保有しているだけ(含み益は課税対象外)
- 売却損のみ(損失繰越は現時点では不可)
仮想通貨の申告方法
- 取引履歴を取得:取引所からダウンロード
- 損益計算:総平均法または移動平均法で計算
- 確定申告書を作成:雑所得として記載
- e-Taxまたは紙で提出
国税庁が提供する「暗号資産の計算書」や、民間の損益計算サービスを活用すると、計算が楽になります。
投資信託の税金
特定口座なら確定申告は原則不要
投資信託を特定口座(源泉徴収あり)で運用していれば、税金は自動的に計算・徴収されるため、確定申告は原則不要です。
| 口座の種類 | 確定申告 | メリット |
|---|---|---|
| 特定口座(源泉徴収あり) | 原則不要 | 手間がかからない |
| 特定口座(源泉徴収なし) | 必要 | 確定申告で調整可能 |
| 一般口座 | 必要 | 自分で計算が必要 |
でも、確定申告した方がお得なケースもあるんですよね?
はい。特に損失が出ている場合は、確定申告することで節税できるケースがあります。
確定申告すべきケース
1. 損失の繰越控除
投資信託で損失が出た場合、確定申告すれば3年間繰り越しできます。翌年以降の利益と相殺して、税金を減らせます。
2. 損益通算
複数の証券会社で取引していて、A社で利益、B社で損失が出ている場合、確定申告で損益通算できます。
3. 配当控除
国内株式の配当金や、国内株式ファンドの分配金は、確定申告で配当控除を受けられる場合があります。所得税率によっては還付を受けられます。
投資信託の申告方法
- 年間取引報告書を確認:証券会社から送付
- 確定申告書を作成:分離課税の欄に記載
- 損失繰越がある場合:「上場株式等に係る譲渡損失の損益通算及び繰越控除用」を添付
NISAの税金
NISAは確定申告不要
NISA口座での利益は非課税のため、確定申告は不要です。
NISAでの損失は、課税口座の利益と損益通算できません。NISAで損失が出ても、他の利益と相殺することはできないので注意してください。
NISAで損したら、確定申告しても意味がないんですか?
残念ながらそうです。NISAの損失は「なかったこと」になります。これがNISAのデメリットの一つです。
節税ポイントまとめ
仮想通貨の節税ポイント
必要経費を漏れなく計上
- 取引手数料
- セミナー参加費
- 書籍代
- 通信費(按分)
損益計算方法を選ぶ
- 総平均法か移動平均法、有利な方を選択
- 一度選んだら原則変更不可
2028年の分離課税を待つ
- 大きな利益確定は2028年以降を検討
- ただし、市場環境も考慮が必要
投資信託の節税ポイント
特定口座(源泉徴収あり)を活用
- 手間がかからない
- 扶養・社会保険への影響を避けられる
損失は確定申告で繰り越す
- 3年間繰り越し可能
- 翌年以降の利益と相殺
複数口座は損益通算を検討
- 確定申告で全体を調整
まとめ
仮想通貨と投資信託の確定申告についてまとめます。
仮想通貨(暗号資産):
- 現行は雑所得(最高税率55%)
- 2028年から分離課税(20%)へ
- 売却益が年間20万円超で申告必要
投資信託:
- 特定口座なら確定申告は原則不要
- 損失は3年間繰り越し可能
- 配当控除で還付の可能性あり
NISA:
- 確定申告は不要(非課税)
- 損失は損益通算・繰越控除の対象外
正しく申告して、適切に節税しましょう。
※本記事は情報提供を目的としており、税務アドバイスではありません。
個別の税務判断は税理士等の専門家にご相談ください。投資に関する最終決定は、ご自身の判断と責任において行ってください。
よくある質問
給与所得者の場合、仮想通貨の売却益が年間20万円を超えると確定申告が必要です。仮想通貨同士の交換や、仮想通貨での商品購入も課税対象になります。
特定口座(源泉徴収あり)なら原則不要です。ただし、損失の繰越控除や複数口座の損益通算をする場合は、確定申告した方が有利なことがあります。
2028年1月頃の見込みです。金融商品取引法の改正が前提となるため、法改正後の施行となります。2025年分の確定申告には間に合いません。
確定申告は不要です。NISAでの利益は非課税のため、申告の必要はありません。ただし、NISAでの損失は損益通算・繰越控除の対象外です。