共働き夫婦は、資産形成において非常に有利な立場にあります。なぜなら、NISAもiDeCoも2人分使えるからです。
この記事では、共働き夫婦が効率的に資産形成するための戦略を解説します。
共働き夫婦のメリット
NISAは2人分で年720万円
新NISAは1人1口座ですが、夫婦それぞれが開設できます。
| 項目 | 1人分 | 夫婦2人分 |
|---|---|---|
| 年間投資枠 | 360万円 | 720万円 |
| 生涯投資枠 | 1,800万円 | 3,600万円 |
| つみたて投資枠 | 120万円 | 240万円 |
| 成長投資枠 | 240万円 | 480万円 |
iDeCoも2人分で節税2倍
iDeCoも夫婦それぞれが加入できます。
| 項目 | 1人分(会社員) | 夫婦2人分 |
|---|---|---|
| 月額上限 | 2.3万円 | 4.6万円 |
| 年間上限 | 27.6万円 | 55.2万円 |
| 節税効果(税率20%の場合) | 約5.5万円/年 | 約11万円/年 |
夫婦でiDeCoに加入すれば、節税効果だけで年間11万円以上。20年続ければ220万円以上の節税になります。
家計管理のパターン
共働き夫婦の家計管理には、いくつかのパターンがあります。
パターン1:共通財布型
夫婦の収入をすべてまとめて管理するパターンです。
- 家計全体が見えやすい
- 投資額を最大化しやすい
- 不公平感が生まれにくい
- 個人の自由なお金が少ない
- 収入差があると不満が出ることも
パターン2:分担型
生活費を分担し、残りは各自で管理するパターンです。
- 個人の自由度が高い
- 収入差があっても管理しやすい
- 家計全体が見えにくい
- 投資がどちらかに偏りがち
パターン3:ハイブリッド型
共通の生活費・投資用口座と、個人の自由に使える口座を分けるパターンです。
おすすめはハイブリッド型です。「夫婦共通の投資」と「個人の自由なお金」を分けることで、バランスが取れます。
夫婦の投資口座の分け方
それぞれの名義で口座を開設
NISAは本人名義でしか開設できないため、夫婦それぞれが証券口座を開設する必要があります。
| 口座 | 夫 | 妻 |
|---|---|---|
| NISA口座 | ○ 開設 | ○ 開設 |
| iDeCo | ○ 加入 | ○ 加入 |
| 特定口座 | 必要に応じて | 必要に応じて |
同じファンドを買う?分ける?
夫婦で同じファンドを買った方がいいですか?
同じファンドで問題ありません。夫婦とも全世界株式インデックスを積み立てるのがシンプルです。ただし、投資方針が違う場合は、それぞれの判断で選んでOKです。
共働き夫婦の投資戦略
戦略1:NISAを最優先で活用
まずは夫婦それぞれのNISA口座をフル活用しましょう。
| 優先順位 | 制度 | 金額/年 |
|---|---|---|
| 1 | 新NISA(つみたて投資枠) | 240万円(120万円×2) |
| 2 | 新NISA(成長投資枠) | 480万円(240万円×2) |
| 3 | iDeCo | 55.2万円(27.6万円×2) |
| 4 | 特定口座 | 余裕があれば |
戦略2:収入が多い方からiDeCoを始める
iDeCoの節税効果は所得が多いほど大きいです。まずは収入が多い方から始めましょう。
戦略3:育休中もNISAは継続
育休中で収入が減っても、NISAでの積立は継続することをおすすめします。貯蓄から積立するか、金額を減らしてでも続けましょう。
夫婦で話し合うべきこと
投資を始める前に、夫婦で以下のことを話し合いましょう。
1. 投資の目的
| 目的 | 時期 | 必要額の目安 |
|---|---|---|
| 教育費 | 子供が大学進学時 | 500〜1,000万円 |
| 住宅購入 | 数年以内 | 頭金500〜1,000万円 |
| 老後資金 | 60歳以降 | 2,000〜3,000万円 |
2. リスク許容度
暴落時にどう対応するか、夫婦で認識を合わせておきましょう。
3. 生活費と投資のバランス
毎月いくらを投資に回すか、家計と相談して決めましょう。
よくある質問
それぞれの口座で好きなように投資してOKです。ただし、家計全体としてのリスクバランスは意識しましょう。例えば、片方が株式100%なら、もう片方は債券を入れるなど。
専業主婦(主夫)になっても、NISA口座はそのまま維持できます。ただし、収入がなくなったら新規の積立は難しくなるため、夫婦で資金の融通を考えましょう。
NISA口座の資産は名義人のものです。離婚時の財産分与では、結婚後に増えた資産は分割対象になる可能性があります。詳細は弁護士に相談してください。
まとめ
共働き夫婦の資産形成についてまとめます。
- NISAは夫婦2人分で年720万円投資できる
- iDeCoも2人分で節税効果2倍
- 家計管理はハイブリッド型がおすすめ
- 投資方針は夫婦で話し合う
- 同じファンドでOK、シンプルに
- 育休中も積立を続ける
共働きのメリットを最大限に活かして、効率的に資産形成しましょう。
※本記事は情報提供を目的としており、特定の金融商品の購入を推奨するものではありません。投資に関する最終決定は、ご自身の判断と責任において行ってください。