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米国ETF vs 投資信託、どっちがいい?VOO・VTIと投信の違いを徹底比較
投資信託

米国ETF vs 投資信託、どっちがいい?VOO・VTIと投信の違いを徹底比較

2025-12-16
2025-12-16 更新

「米国ETFと投資信託、どっちがいいの?」——VOOやVTIと、eMAXIS Slimなどの投資信託を比較。信託報酬、分配金再投資、為替、税金の違いを解説し、あなたに合った選び方を紹介します。

「米国ETFと投資信託、どっちに投資すればいいの?」「VOOやVTIを買うべき?それとも投資信託?」——そんな疑問を持っている方は多いのではないでしょうか。

結論から言うと、初心者には投資信託がおすすめです。

ただし、ETFにはETFのメリットがあり、人によってはETFの方が適しているケースもあります。

この記事では、米国ETF(VOO・VTI)と投資信託(eMAXIS Slimなど)の違いを、信託報酬、分配金再投資、為替、税金の観点から徹底比較します。

米国ETFと投資信託の基本的な違い

ETFとは?

ETF(Exchange Traded Fund:上場投資信託)は、証券取引所に上場している投資信託です。株式と同じようにリアルタイムで売買できます。

代表的な米国ETFには以下があります。

ETF 投資対象 経費率
VOO S&P500(米国大型株500社) 0.03%
VTI 全米株式(約4,000銘柄) 0.03%
VT 全世界株式(約9,000銘柄) 0.07%

投資信託とは?

投資信託は、証券会社を通じて購入する金融商品で、1日1回算出される基準価額で取引されます。

代表的な投資信託には以下があります。

投資信託 投資対象 信託報酬
eMAXIS Slim 米国株式(S&P500) S&P500 0.0814%
eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー) 全世界株式 0.05775%
楽天・全米株式インデックス・ファンド(楽天VTI) VTIに投資 0.162%

比較①:信託報酬(コスト)

ETFの方が信託報酬は低い

商品タイプ 商品名 信託報酬/経費率
米国ETF VOO 0.03%
米国ETF VTI 0.03%
投資信託 eMAXIS Slim 米国株式 0.0814%
投資信託 楽天VTI 0.162%
読者
読者

ETFの方がコストが安いなら、ETFを買った方がいいんですか?

青山(専門家)
青山(専門家)

コストだけ見ればそうですね。ただ、ETFには「売買手数料」「為替手数料」などの別コストがかかります。トータルで考える必要があります。

ETFにかかるその他のコスト

  • 売買手数料:売買時にかかる(証券会社によっては無料)
  • 為替手数料:円→ドル、ドル→円の両替時にかかる
  • スプレッド:市場価格と基準価額の乖離

投資信託の場合、これらは「信託報酬」に含まれているか、または発生しません。

長期保有での差

100万円を20年間保有した場合のコスト差を計算してみましょう。

商品 信託報酬/経費率 20年間のコスト概算
VOO 0.03% 約6,000円
eMAXIS Slim S&P500 0.0814% 約16,280円

※単純計算(運用益を考慮せず)

20年で約1万円の差です。この差をどう見るかは人によりますが、後述する「分配金再投資」の効率を考えると、投資信託の方がトータルで有利になるケースも多いです。

比較②:分配金の扱い

ETFは分配金が出る

VOOやVTIは、四半期ごとに分配金が支払われます。2025年時点の配当利回りは約1.1%程度です。

読者
読者

分配金がもらえるなら嬉しいですよね?

青山
青山

一見嬉しいですが、長期投資では分配金を受け取ると複利効果が弱まってしまいます。再投資するなら手間もかかります。

投資信託は「再投資型」が選べる

投資信託では、分配金を自動で再投資する設定が可能です。

メリット
  • 分配金が自動で再投資され、複利効果を最大化
  • 手間がかからない
  • 分配金への課税を繰り延べできる
デメリット
  • 配当金を受け取って生活費に使いたい人には不向き

長期の資産形成が目的なら、分配金再投資型の投資信託が有利です。

分配金に対する税金

ETFの分配金には、以下の税金がかかります。

  • 米国での源泉徴収:10%
  • 日本での源泉徴収:20.315%

投資信託(国内籍)の場合、「二重課税調整」が自動で行われ、日本の所得税から外国税額が控除されます。

注意

NISA口座では二重課税調整の対象外となります。そのため、NISA口座で米国ETFを保有すると、米国での10%課税は取り戻せません。

比較③:為替の取り扱い

ETFはドル建て

米国ETFを購入するには、円をドルに両替する必要があります。

  • 購入時:円 → ドル
  • 売却時:ドル → 円(必要に応じて)
  • 分配金:ドルで受け取り
読者
読者

ドルを持っておくのって面倒じゃないですか?

青山
青山

為替の管理は確かに手間です。また、為替手数料も発生します。SBI証券では住信SBIネット銀行を使えば手数料を抑えられますが、それでも手間はかかります。

投資信託は円建て

投資信託は円建てで購入・売却できます。為替の変動は基準価額に反映されるため、投資家が為替取引をする必要はありません。

項目 米国ETF 投資信託
購入時の通貨 ドル
為替取引 必要 不要
為替手数料 かかる 信託報酬に含まれる
管理の手間 あり ほぼなし

「手間をかけたくない」という方には、投資信託が圧倒的に楽です。

比較④:最低投資額

ETFは数万円〜

ETFは1口単位での購入となるため、最低投資額が高くなります。

ETF 1口あたり価格(2025年12月目安)
VOO 約550ドル(約8万円)
VTI 約290ドル(約4.3万円)

※為替レート1ドル=150円で計算

投資信託は100円から

投資信託は100円から購入可能です。少額から始めたい人や、毎月の積立額を細かく設定したい人には投資信託が向いています。

項目 米国ETF 投資信託
最低投資額 数万円〜 100円〜
積立設定 可能(金額は柔軟性に欠ける) 自由に設定可能

比較⑤:リアルタイム取引

ETFは株式と同じように取引可能

ETFは証券取引所に上場しているため、市場が開いている時間帯はリアルタイムで売買できます。指値注文や成行注文も可能です。

投資信託は1日1回の基準価額で取引

投資信託の取引価格は、1日1回算出される「基準価額」で決まります。注文を出しても、約定価格は翌営業日以降に確定します。

読者
読者

リアルタイムで売買できた方が有利じゃないですか?

青山
青山

短期売買をするならリアルタイム取引は便利です。ただ、インデックス投資で長期保有するなら、リアルタイム取引は不要ですし、むしろ「頻繁に売買してしまう」リスクにもなります。

VOOとVTI、どっちがいい?

米国ETFを選ぶなら、VOOとVTIのどちらを選ぶべきでしょうか。

VOOとVTIの違い

項目 VOO VTI
投資対象 S&P500(大型株500社) 全米株式(約4,000銘柄)
経費率 0.03% 0.03%
配当利回り 約1.13% 約1.10%
時価総額カバー率 約80% 約100%

選び方の目安

  • VOO:米国の大型優良株に集中投資したい人
  • VTI:中小型株も含めた米国市場全体に投資したい人
結論

過去10年のパフォーマンスはほぼ互角です。どちらを選んでも大きな差はありません。「S&P500」という指数に馴染みがあるならVOO、「米国市場全体」に投資したいならVTI、という選び方で問題ありません。

結論:初心者には投資信託がおすすめ

ここまでの比較をまとめます。

項目 米国ETF 投資信託 勝者
信託報酬 ◎ 0.03% ○ 0.05〜0.16% ETF
分配金再投資 △ 手動 ◎ 自動 投資信託
為替の手間 △ 必要 ◎ 不要 投資信託
最低投資額 △ 数万円〜 ◎ 100円〜 投資信託
リアルタイム取引 ◎ 可能 △ 不可 ETF
二重課税調整 △ 手動(確定申告) ◎ 自動 投資信託

投資信託がおすすめな人

  • 投資初心者
  • 少額から始めたい人
  • 手間をかけたくない人
  • 新NISAのつみたて投資枠を使いたい人
  • 分配金を自動で再投資したい人

米国ETFがおすすめな人

  • コストを極限まで抑えたい人
  • 為替管理や確定申告が苦にならない人
  • まとまった資金で一括投資したい人
  • 分配金を受け取りたい人
  • リアルタイムで取引したい人

まとめ

米国ETFと投資信託の違いをまとめました。

  • 信託報酬:ETFの方が低い(VOO 0.03%)
  • 分配金再投資:投資信託は自動で再投資可能
  • 為替:投資信託は円建てで手間なし
  • 最低投資額:投資信託は100円から

初心者には、手間がかからない投資信託がおすすめです。

eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)やeMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)なら、低コストで米国株式や全世界株式に投資できます。

「とにかくコストを抑えたい」「為替管理も苦にならない」という方は、VOOやVTIなどの米国ETFも選択肢になります。

大切なのは、自分に合った方法で長く続けることです。どちらを選んでも、長期・積立・分散投資を続ければ、資産形成は進みます。

よくある質問

Q
Q1. VOOとeMAXIS Slim S&P500、どっちがいいですか?
A

手間をかけたくないならeMAXIS Slim S&P500、コストを極限まで抑えたいならVOOがおすすめです。初心者にはeMAXIS Slimの方が扱いやすいでしょう。

Q
Q2. 米国ETFの分配金はどうすればいいですか?
A

長期投資なら再投資がおすすめです。ただし、米国ETFの分配金は自動再投資ができないため、手動で買い増しする必要があります。

Q
Q3. NISA口座ではどっちがいいですか?
A

つみたて投資枠を使うなら投資信託一択です。成長投資枠では米国ETFも購入可能ですが、NISA口座では二重課税調整の対象外となるため、投資信託の方が有利になるケースが多いです。

Q
Q4. 楽天VTIとeMAXIS Slim S&P500、どっちがいいですか?
A

信託報酬はeMAXIS Slim S&P500(0.0814%)の方が低いです。VTI(全米株式)に投資したいなら楽天VTI、S&P500に投資したいならeMAXIS Slimを選びましょう。

Q
Q5. 為替リスクはどう考えればいいですか?
A

米国ETFも投資信託も、どちらも為替リスクは同じです。円高になれば評価額は下がり、円安になれば上がります。長期投資では為替変動は平準化される傾向があります。

※本記事は情報提供を目的としており、特定の金融商品の購入を推奨するものではありません。投資に関する最終決定は、ご自身の判断と責任において行ってください。