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投資信託の分配金「再投資型」と「受取型」どっちがいい?違いと選び方
投資信託

投資信託の分配金「再投資型」と「受取型」どっちがいい?違いと選び方

2025-12-16
2025-12-16 更新

投資信託の分配金、再投資と受取どちらを選ぶべき?複利効果を活かすなら再投資、定期収入が欲しいなら受取。20年で65万円の差がつくことも。

投資信託を購入するとき、「分配金コース」の選択を求められることがあります。「再投資型」と「受取型」、どちらを選べばいいの?と迷う方も多いのではないでしょうか。

結論から言えば、長期で資産を増やしたいなら再投資型がおすすめです。この記事では、両者の違いと選び方を解説します。

再投資型と受取型の違い

再投資型とは

分配金が出たとき、その分配金で同じ投資信託を自動的に追加購入する方式です。

読者
読者

分配金がもらえないってことですか?

西山(資産運用アドバイザー)
西山(資産運用アドバイザー)

もらえないのではなく、もらった分配金で自動的に買い増しているイメージです。現金として手元には入りませんが、保有口数が増えていきます。

受取型とは

分配金が出たとき、その分配金を現金として証券口座に入金する方式です。

項目 再投資型 受取型
分配金の行き先 自動で追加購入 現金として証券口座へ
保有口数 増える 変わらない
手元の現金 増えない 分配金分増える
手続き 自動(手間なし) 自動(手間なし)

複利効果の差

再投資型の最大のメリットは複利効果です。分配金を再投資することで「利益が利益を生む」状態になり、長期的に資産が大きく増える可能性があります。

シミュレーション比較

新NISAで元本100万円を年5%で20年間運用した場合:

年数 再投資型 受取型 差額
5年後 約128万円 約125万円 +3万円
10年後 約163万円 約150万円 +13万円
15年後 約208万円 約175万円 +33万円
20年後 約265万円 約200万円 +65万円
複利の力

20年間で65万円もの差がつきます。これが複利の効果です。運用期間が長いほど、再投資型の優位性は大きくなります。

再投資型のメリット・デメリット

メリット
  • 複利効果で資産が増えやすい
  • 再購入の手間がかからない
  • 購入手数料がかからない(多くの場合)
  • 長期の資産形成に最適
デメリット
  • 分配金を生活費に使えない
  • 運用成果を実感しにくい
  • 現金が必要な時は売却が必要

再投資型が向いている人

  • 20〜40代で長期の資産形成を目指す人
  • 配当より値上がり益を重視する人
  • 分配金を使う予定がない人
  • 投資の成果を最大化したい人

受取型のメリット・デメリット

メリット
  • 定期的に現金収入を得られる
  • 投資の成果を実感しやすい
  • 生活費や趣味の費用に充てられる
  • 年金の補填になる
デメリット
  • 複利効果が得られにくい
  • 長期では資産の増え方が劣る
  • 分配金の使い道を考える必要がある

受取型が向いている人

  • 退職後・シニア世代で定期収入が欲しい人
  • 分配金を生活費に充てたい人
  • 投資の成果を実感したい人
  • 資産を取り崩しフェーズの人
西山
西山

年齢やライフステージで最適な選択は変わります。資産形成期は再投資型、取り崩し期は受取型というのが基本的な考え方です。

どちらを選ぶべき?判断のポイント

迷ったら再投資型

どちらか決められない場合は、再投資型をおすすめします。理由は以下の通りです。

  1. 後から受取型に変更可能(多くの証券会社)
  2. 複利効果の恩恵を最大限受けられる
  3. 分配金が必要になったら売却すればよい

判断フローチャート

Q1: 分配金を生活費に使いたいか?

  • Yes → 受取型
  • No → Q2へ

Q2: 10年以上の長期投資を予定しているか?

  • Yes → 再投資型
  • No → Q3へ

Q3: 投資の成果を定期的に実感したいか?

  • Yes → 受取型
  • No → 再投資型

2025年の注目ポイント:分配金コースの変更

読者
読者

最初に選んだ後、変更はできるんですか?

西山
西山

多くの証券会社で変更可能です。2025年6月からは楽天証券のNISA口座でも分配金コースの切り替えができるようになりました

これにより、以下のような戦略が取りやすくなりました。

おすすめ戦略
  • 現役時代:再投資型で複利効果を最大化
  • 退職後:受取型に変更して年金の補填に

分配金コースは途中で変更できるので、ライフステージに合わせて柔軟に対応しましょう。

「分配金なし」という選択肢

実は、長期投資で人気のeMAXIS Slimシリーズなどは、そもそも分配金をほとんど出さない設計になっています。

分配金を出さないファンドのメリット

  • 税金の繰り延べ効果(分配時に課税されない)
  • 複利効果を最大化
  • 分配金コースを考える必要がない
西山
西山

つみたてNISAや新NISAで人気のインデックスファンドの多くは、分配金をほとんど出しません。これは長期投資に最適な設計だからです。

NISAでの分配金の扱い

新NISAで分配金を受け取る場合、以下の点に注意が必要です。

再投資型でも非課税枠を消費

新NISAで再投資型を選んだ場合、分配金の再投資分も非課税投資枠を消費します。

例:1万円の分配金が再投資されると、非課税枠を1万円分使用

受取型は非課税枠に影響なし

受取型で分配金を現金で受け取る場合、非課税枠は消費されません(ただし、別途その資金で投資すれば当然枠を使います)。

新NISAのポイント

新NISAの非課税枠は年間360万円、生涯1,800万円まで。分配金をあまり出さないファンドを選べば、非課税枠を効率的に使えます。

まとめ

投資信託の分配金「再投資型」と「受取型」について、ポイントを整理します。

  • 再投資型:複利効果で資産が増えやすい、長期投資向け
  • 受取型:定期的な現金収入、退職後・シニア向け
  • 20年間で65万円もの差がつくことも
  • 迷ったら再投資型を選び、後から変更も可能
  • 人気のインデックスファンドは分配金をほとんど出さない設計

ライフステージに合わせて、最適な選択をしましょう。

よくある質問

Q
Q1. 再投資型と受取型、20年でどのくらい差がつきますか?
A

100万円を年5%で運用した場合、20年後に約65万円の差がつきます(再投資型:約265万円、受取型:約200万円)。期間が長いほど複利効果で差は広がります。

Q
Q2. 分配金コースは後から変更できますか?
A

多くの証券会社で変更可能です。2025年6月からは楽天証券のNISA口座でも切り替えができるようになりました。ライフステージに合わせて変更しましょう。

Q
Q3. 新NISAではどちらを選ぶべきですか?
A

長期の資産形成なら再投資型がおすすめです。ただし、分配金をほとんど出さないインデックスファンド(eMAXIS Slimなど)を選べば、そもそも分配金コースを気にする必要はありません。

※本記事は情報提供を目的としており、特定の金融商品の購入を推奨するものではありません。投資に関する最終決定は、ご自身の判断と責任において行ってください。