「インフレはもう終わったの?」
——2022年〜2023年に世界を襲ったインフレショック。日本でも「値上げラッシュ」が続き、生活への影響を実感した方も多いでしょう。
2026年の世界インフレはどうなるのか。各国のインフレ・金利見通しと、投資への影響を解説します。
世界インフレの現状
インフレのピークは過ぎた
2022年にピークを迎えた世界インフレは、2024年〜2025年にかけて落ち着きを見せています。
インフレが落ち着いた要因:
- 各国中央銀行の利上げ効果
- エネルギー価格の安定
- サプライチェーンの正常化
でも、まだ物価は高いですよね?
そうです。インフレ「率」は落ち着いても、物価の「水準」は高止まりしています。値下げが進むわけではないので、生活への影響は続きます。
米国のインフレ・金利見通し
インフレ率は2%台前半へ
米国のインフレ率は、FRBの目標である2%に近づいています。
| 年 | インフレ率(CPI) | 政策金利 |
|---|---|---|
| 2023年 | 4.1% | 5.25〜5.50% |
| 2024年 | 2.9% | 4.50〜4.75% |
| 2025年 | 2.5%前後 | 4.25〜4.50% |
| 2026年予想 | 2.0〜2.5% | 4.0%前後 |
FRBの利下げは緩やかに
FRBは2024年から利下げを開始しましたが、2026年は緩やかなペースになると予想されています。
なぜ利下げが緩やかになるんですか?
インフレ再燃のリスクがあるからです。特にトランプ政権の関税政策が実行されれば、輸入品の価格上昇を通じてインフレが再燃する可能性があります。
注意すべきリスク
インフレ再燃リスク:
- 関税引き上げによる輸入物価上昇
- 労働市場の逼迫継続
- 財政赤字拡大
トランプ政権が中国などへの関税を大幅に引き上げると、輸入品の価格が上昇し、インフレ率が再び上昇する可能性があります。
欧州のインフレ・金利見通し
ECBは利下げ継続
欧州中央銀行(ECB)は、インフレ落ち着きを受けて利下げを継続しています。
2026年の見通し:
- インフレ率:2%前後
- 政策金利:現在から0.5〜1%程度の利下げ
- エネルギー価格の安定が追い風
欧州経済の課題
ただし、欧州経済には構造的な課題があります。
- ドイツ経済の低迷
- 製造業の競争力低下
- 中国経済減速の影響
欧州投資は避けた方がいいですか?
一概には言えません。欧州にも優良企業は多いですし、全世界株式に投資していれば欧州も含まれています。特定の地域を避けるより、分散投資を継続することが大切です。
日本のインフレ・金利見通し
インフレ率2%の定着
日本は長年のデフレを脱し、インフレ率2%程度が定着しつつあります。
| 年 | インフレ率(CPI) | 政策金利 |
|---|---|---|
| 2023年 | 3.2% | -0.1% |
| 2024年 | 2.7% | 0.25% |
| 2025年 | 2.0%前後 | 0.5%前後 |
| 2026年予想 | 2.0%前後 | 0.75〜1.0% |
日銀の利上げ継続
日銀は2024年にマイナス金利を解除し、金融政策の正常化を進めています。2026年も追加利上げが予想されています。
利上げの条件:
- 賃金と物価の好循環が確認されること
- 経済・物価情勢が見通しに沿って推移すること
日銀が利上げを継続するには、賃上げが定着することが重要です。2025年の春闘結果が2026年の金融政策に影響します。
投資への影響
株式市場への影響
インフレ落ち着き → 株式市場にプラス
インフレが落ち着けば、中央銀行は利下げを継続できます。金利低下は株式市場にとってプラス要因です。
ただし、以下のリスクには注意:
- インフレ再燃による利上げ再開
- 景気後退(リセッション)リスク
債券市場への影響
金利低下 → 債券価格上昇
利下げが進めば、既存の債券価格は上昇します。債券投資家にとってはプラスの環境です。
債券に投資すべきですか?
ポートフォリオのバランスとして、債券を一定比率持つことは有効です。ただ、株式と比べてリターンは低いので、若い世代は株式中心でも問題ありません。
為替への影響
日米金利差縮小 → 円高圧力
日銀が利上げを継続し、FRBが利下げを続ければ、日米金利差は縮小します。これは円高方向に働く要因です。
| シナリオ | 為替への影響 |
|---|---|
| 日銀利上げ + FRB利下げ | 円高方向 |
| 日銀据え置き + FRB据え置き | 横ばい |
| インフレ再燃 + FRB利上げ | 円安方向 |
実物資産への影響
インフレ環境では、実物資産(不動産、金など)が注目されます。
ただし、インフレが落ち着けば、実物資産への過度な期待は禁物です。基本はバランスの取れたポートフォリオを維持しましょう。
まとめ
世界インフレ2026年見通しをまとめます。
各国の見通し:
- 米国:インフレ率2%台前半、利下げは緩やか
- 欧州:インフレ率2%前後、ECB利下げ継続
- 日本:インフレ率2%前後、日銀利上げ継続
投資への影響:
- 株式:インフレ落ち着きはプラス要因
- 債券:金利低下で価格上昇期待
- 為替:日米金利差縮小で円高圧力
注意すべきリスク:
- 関税政策によるインフレ再燃
- 景気後退リスク
- 地政学リスク
インフレ環境の変化を踏まえつつ、長期分散投資を継続しましょう。
※本記事は情報提供を目的としており、特定の金融商品の購入を推奨するものではありません。
経済予測は不確実であり、実際の経済動向を保証するものではありません。投資に関する最終決定は、ご自身の判断と責任において行ってください。
よくある質問
米国・欧州・日本とも2%前後で安定する見通しです。ただし、米国の関税政策によってはインフレが再燃するリスクもあります。
2026年末には0.75〜1.0%程度との見方があります。ただし、経済・物価情勢によっては利上げペースが変わる可能性があります。
インフレが落ち着いてきた現在は、通常の分散投資が有効です。株式中心のポートフォリオを基本に、債券も一定比率持つことでバランスを取りましょう。
一般的には金利低下は株式市場にプラスです。ただし、景気後退を伴う利下げの場合は、株価が下がることもあります。金利だけでなく、経済全体を見ることが大切です。