2025年、金(ゴールド)は約65%の急騰を記録し、1979年以来の最大の年間上昇となりました。
金投資会社Incrementumは2030年に金価格が最大8,900ドルに達する可能性を示唆。一方、米国株も長期では上昇が期待されています。
この記事では、米国株とゴールドの2030年までの見通しを比較し、投資戦略を解説します。
金価格の現状
金がこんなに上がっているんですか?
2025年は金にとって歴史的な年でした。1オンス約4,320ドルで取引され、10月の最高値に近い水準にあります。
2025年の金パフォーマンス
- 年間上昇率:約65%
- 現在価格:1オンス約4,320ドル
- 記録:1979年以来の最大年間上昇
日本円建てでも、2023年9月に1万円を更新後、2024年10月に15,000円、2025年5月に17,000円、2025年9月に19,000円と右肩上がりで推移しています。
2030年の金価格予測
Incrementumの予測
金投資会社Incrementumが2025年レポート「In Gold We Trust」で示した予測:
| シナリオ | 2030年金価格(ドル) |
|---|---|
| ベースシナリオ | 4,800ドル |
| 強気シナリオ | 8,900ドル |
日本円建ての予測
2030年には日本円で3万円超という予測もあります。
世界情勢の不安、物価高、限りある資源であること、そして人口増加に対して、紙幣や株、土地よりも安全資産である金に注目が集まっています。
下落リスクも
一方、シティグループは金価格が今後数四半期の間に1オンス3,000ドルを下回る水準に戻るとの予測も出しており、現在が価格のピークである可能性も指摘されています。
金価格の変動要因
上昇要因
なぜ金はこんなに上がっているんですか?
複合的な要因がありますが、主に地政学リスク、インフレ懸念、中央銀行の買い増しが大きいです。
- 地政学リスク:ウクライナ情勢、台湾有事、米中対立
- インフレ懸念:物価上昇による実物資産への逃避
- 中央銀行の買い:各国中央銀行の金準備増加
- 米利下げ:金利低下は金価格の上昇要因
- ドル離れ:基軸通貨への信認低下
下落要因
- 金利上昇:利息を生まない金の相対的魅力低下
- ドル高:金価格を押し下げる
- 経済安定:リスクオフ需要の減少
米国株の2030年見通し
長期では上昇基調
S&P500は過去30年で見ると**年率約10%**のリターンを達成。長期投資では引き続き成長が期待されています。
リスク要因
- バリュエーションの高さ:現在の株価は割高との指摘
- トランプ政策:関税によるインフレ再燃リスク
- 金利動向:高金利の継続
- AI期待の剥落:過度な期待の反動
バンガードはトランプ政策によりインフレが再燃し、FRBの利下げが困難になる可能性を警告しています。
ポートフォリオへの組み入れ方
金の適正比率
一般的に、ポートフォリオの5〜10%程度を金に配分するのが目安とされています。
金投資の方法
| 方法 | メリット | デメリット |
|---|---|---|
| 金ETF | 少額から投資可、流動性高 | 信託報酬がかかる |
| 純金積立 | 自動積立で手軽 | 手数料が高い場合も |
| 金地金 | 現物保有の安心感 | 保管コスト、売買スプレッド |
| 金鉱株 | レバレッジ効果 | 個別企業リスク |
分散投資の考え方
株と金、両方持った方がいいですか?
はい。株式と金は逆相関の傾向があり、組み合わせることでポートフォリオ全体のリスクを抑える効果が期待できます。
まとめ:長期視点で分散投資を
米国株とゴールドの2030年見通しのポイント:
- 金は2025年に65%上昇、1979年以来最大
- 2030年に8,900ドルの強気予測も
- 日本円で3万円超の可能性
- 米国株も長期では成長期待
- **ポートフォリオの5〜10%**を金に配分
株式と金を組み合わせた分散投資で、長期的な資産形成を目指しましょう。
よくある質問(記事のおさらい)
Incrementumの予測ではベースシナリオで4,800ドル、強気シナリオで8,900ドル。日本円では3万円超の予測もあります。ただし、3,000ドルを下回るとの予測もあり見方は分かれています。
地政学リスク(ウクライナ、台湾、米中対立)、インフレ懸念、中央銀行の金準備増加、米利下げ期待、ドル離れなどが複合的に作用しています。
一般的に5〜10%程度が目安です。株式と逆相関の傾向があり、分散効果が期待できます。
少額から始めるなら金ETF、自動積立なら純金積立がおすすめ。それぞれメリット・デメリットがあるので、自分に合った方法を選びましょう。