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高配当株投資とは?配当利回りだけで選んではいけない理由
株式投資 初心者向け

高配当株投資とは?配当利回りだけで選んではいけない理由

2025-12-14
2025-12-29 更新

高配当株投資の魅力と落とし穴。配当利回りだけで選んではいけない理由と、銘柄選びのポイントを解説します。

「高配当株で配当金生活を目指したい」

「利回りが高い銘柄を買えばいいんでしょ?」

高配当株投資は人気ですが、配当利回りだけで選ぶと失敗する可能性があります。

この記事では、高配当株投資の魅力と注意点、銘柄選びのポイントを解説します。

高配当株投資とは

高配当株投資とは、配当利回りが高い株式に投資して、配当金を受け取る投資スタイルです。

配当利回りの計算

計算式

配当利回り = 年間配当金 ÷ 株価 × 100

たとえば、株価1,000円で年間配当金40円なら、配当利回りは4%です。

一般的に配当利回り3%以上が「高配当」とされます。

配当利回りだけで選んではいけない理由

読者
読者

利回りが高い銘柄を選べばいいのでは?

黒澤(投資アナリスト)
黒澤(投資アナリスト)

それが落とし穴です。利回りが「高すぎる」銘柄には注意が必要です。

配当利回りが高い=株価が下がっている可能性

配当利回りの計算式を思い出してください。

計算式

配当利回り = 年間配当金 ÷ 株価 × 100

株価が下がれば、配当利回りは上がります

つまり、利回りが異常に高い銘柄は「株価が大きく下落している」=「業績悪化の兆候」かもしれません。

減配・無配のリスク

業績が悪化すれば、企業は配当を減らす(減配)か、ゼロにする(無配)可能性があります。

高い利回りに惹かれて投資したのに、配当が減って株価も下がる——これが高配当株投資の典型的な失敗パターンです。

高配当株選びのポイント

銘柄選びの基準
  • 配当利回り3%以上
  • 自己資本比率20%以上(財務健全性)
  • ROE3%以上(収益性)
  • 連続増配または減配なしの実績

連続増配銘柄に注目

「連続増配」とは、毎年配当を増やしている企業のこと。

日本にも20年以上連続増配している企業があります。このような企業は、業績が安定しており、今後も配当を維持・増加させる可能性が高いといえます。

セクター分散も重要

高配当銘柄は、金融、商社、通信など特定のセクターに偏りがちです。

1つのセクターに集中すると、その業界全体が不調になったときにダメージが大きくなります。複数のセクターに分散することをおすすめします。

2025年の人気高配当銘柄

野村證券の買付ランキング(2025年)によると、以下の銘柄が人気です。

順位 銘柄 セクター
1位 三菱UFJフィナンシャル・グループ 金融
2位 NTT 通信
3位 トヨタ自動車 自動車

配当利回りランキング上位には、商船三井(6%超)などの海運株も入っていますが、業績変動が大きいため注意が必要です。

米国高配当ETFという選択肢

個別株選びが難しいと感じる方には、米国高配当ETFがおすすめです。

主要な高配当ETF比較

ETF 配当利回り 経費率 特徴
VYM 約2.4% 0.06% 約400銘柄に分散、トータルリターン重視
HDV 約3.3% 0.08% 財務健全な約75銘柄、安定志向
SPYD 約4.6% 0.07% S&P500高配当上位80社、利回り最優先

どれを選ぶ?

  • トータルリターン重視 → VYM
  • 安定・守り重視 → HDV
  • 配当利回り最優先 → SPYD

VYMは配当利回りでは最も低いですが、3年トータルリターンでは最も高い成績を収めています。

高配当株投資のメリット・デメリット

メリット
  • 定期的な配当収入が得られる
  • 株価が下がっても配当があれば心理的に持ちやすい
  • 新NISAで配当金が非課税
  • インカムゲインで生活費の足しにできる
デメリット
  • 減配・無配リスクがある
  • 成長株に比べて株価上昇が限定的
  • 銘柄選びが難しい
  • 高利回りのにはまりやすい

インデックス投資との使い分け

読者
読者

インデックス投資と高配当株投資、どっちがいいですか?

黒澤
黒澤

目的によって使い分けるのがおすすめです。

目的 おすすめ
資産を最大化したい インデックス投資
定期的な収入が欲しい 高配当株投資
両方 インデックス + 高配当を組み合わせ

資産形成の「コア」はインデックス投資、「サテライト」として高配当株を組み合わせる方法もあります。

よくある質問

Q
配当金はいつもらえますか?
A

日本株の場合、多くの企業が年2回(中間・期末)配当を出します。権利確定日に株式を保有していれば、約2〜3ヶ月後に配当金が振り込まれます。米国株は年4回(四半期配当)の企業が多いです。

Q
高配当株とインデックス投資、どちらがおすすめですか?
A

目的によって使い分けるのがおすすめです。資産を最大化したいならインデックス投資、定期的な収入が欲しいなら高配当株投資が向いています。両方を組み合わせる方法もあります。

Q
新NISAで高配当株を買うメリットは?
A

新NISAで高配当株を保有すると、配当金にかかる約20%の税金が非課税になります。配当利回り4%の株なら、年間の手取り配当が約25%増える計算です。インカムゲインを重視する方には大きなメリットです。

まとめ

高配当株投資は魅力的ですが、配当利回りだけで選ぶと失敗します

この記事のポイント
  • 利回りが高すぎる銘柄は株価下落の可能性
  • 財務健全性連続増配をチェック
  • セクター分散も重要
  • 個別株が難しければ米国高配当ETF
  • インデックス投資との併用も有効

※本記事は情報提供を目的としており、特定の金融商品の購入を推奨するものではありません。投資に関する最終決定は、ご自身の判断と責任において行ってください。

参考: