「高配当株で配当金生活を目指したい」
「利回りが高い銘柄を買えばいいんでしょ?」
高配当株投資は人気ですが、配当利回りだけで選ぶと失敗する可能性があります。
この記事では、高配当株投資の魅力と注意点、銘柄選びのポイントを解説します。
高配当株投資とは
高配当株投資とは、配当利回りが高い株式に投資して、配当金を受け取る投資スタイルです。
配当利回りの計算
配当利回り = 年間配当金 ÷ 株価 × 100
たとえば、株価1,000円で年間配当金40円なら、配当利回りは4%です。
一般的に配当利回り3%以上が「高配当」とされます。
配当利回りだけで選んではいけない理由
利回りが高い銘柄を選べばいいのでは?
それが落とし穴です。利回りが「高すぎる」銘柄には注意が必要です。
配当利回りが高い=株価が下がっている可能性
配当利回りの計算式を思い出してください。
配当利回り = 年間配当金 ÷ 株価 × 100
株価が下がれば、配当利回りは上がります。
つまり、利回りが異常に高い銘柄は「株価が大きく下落している」=「業績悪化の兆候」かもしれません。
減配・無配のリスク
業績が悪化すれば、企業は配当を減らす(減配)か、ゼロにする(無配)可能性があります。
高い利回りに惹かれて投資したのに、配当が減って株価も下がる——これが高配当株投資の典型的な失敗パターンです。
高配当株選びのポイント
- 配当利回り3%以上
- 自己資本比率20%以上(財務健全性)
- ROE3%以上(収益性)
- 連続増配または減配なしの実績
連続増配銘柄に注目
「連続増配」とは、毎年配当を増やしている企業のこと。
日本にも20年以上連続増配している企業があります。このような企業は、業績が安定しており、今後も配当を維持・増加させる可能性が高いといえます。
セクター分散も重要
高配当銘柄は、金融、商社、通信など特定のセクターに偏りがちです。
1つのセクターに集中すると、その業界全体が不調になったときにダメージが大きくなります。複数のセクターに分散することをおすすめします。
2025年の人気高配当銘柄
野村證券の買付ランキング(2025年)によると、以下の銘柄が人気です。
| 順位 | 銘柄 | セクター |
|---|---|---|
| 1位 | 三菱UFJフィナンシャル・グループ | 金融 |
| 2位 | NTT | 通信 |
| 3位 | トヨタ自動車 | 自動車 |
配当利回りランキング上位には、商船三井(6%超)などの海運株も入っていますが、業績変動が大きいため注意が必要です。
米国高配当ETFという選択肢
個別株選びが難しいと感じる方には、米国高配当ETFがおすすめです。
主要な高配当ETF比較
| ETF | 配当利回り | 経費率 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| VYM | 約2.4% | 0.06% | 約400銘柄に分散、トータルリターン重視 |
| HDV | 約3.3% | 0.08% | 財務健全な約75銘柄、安定志向 |
| SPYD | 約4.6% | 0.07% | S&P500高配当上位80社、利回り最優先 |
どれを選ぶ?
- トータルリターン重視 → VYM
- 安定・守り重視 → HDV
- 配当利回り最優先 → SPYD
VYMは配当利回りでは最も低いですが、3年トータルリターンでは最も高い成績を収めています。
高配当株投資のメリット・デメリット
- 定期的な配当収入が得られる
- 株価が下がっても配当があれば心理的に持ちやすい
- 新NISAで配当金が非課税
- インカムゲインで生活費の足しにできる
- 減配・無配リスクがある
- 成長株に比べて株価上昇が限定的
- 銘柄選びが難しい
- 高利回りの罠にはまりやすい
インデックス投資との使い分け
インデックス投資と高配当株投資、どっちがいいですか?
目的によって使い分けるのがおすすめです。
| 目的 | おすすめ |
|---|---|
| 資産を最大化したい | インデックス投資 |
| 定期的な収入が欲しい | 高配当株投資 |
| 両方 | インデックス + 高配当を組み合わせ |
資産形成の「コア」はインデックス投資、「サテライト」として高配当株を組み合わせる方法もあります。
よくある質問
日本株の場合、多くの企業が年2回(中間・期末)配当を出します。権利確定日に株式を保有していれば、約2〜3ヶ月後に配当金が振り込まれます。米国株は年4回(四半期配当)の企業が多いです。
目的によって使い分けるのがおすすめです。資産を最大化したいならインデックス投資、定期的な収入が欲しいなら高配当株投資が向いています。両方を組み合わせる方法もあります。
新NISAで高配当株を保有すると、配当金にかかる約20%の税金が非課税になります。配当利回り4%の株なら、年間の手取り配当が約25%増える計算です。インカムゲインを重視する方には大きなメリットです。
まとめ
高配当株投資は魅力的ですが、配当利回りだけで選ぶと失敗します。
- 利回りが高すぎる銘柄は株価下落の可能性
- 財務健全性と連続増配をチェック
- セクター分散も重要
- 個別株が難しければ米国高配当ETF
- インデックス投資との併用も有効
※本記事は情報提供を目的としており、特定の金融商品の購入を推奨するものではありません。投資に関する最終決定は、ご自身の判断と責任において行ってください。
参考: