「自分の年収だと、投資にいくら回せばいいの?」
投資を始める前に多くの人が抱える疑問です。この記事では、年収300万円・500万円・700万円の3パターンで、おすすめの投資額と投資先を解説します。
投資に回す金額の基本的な考え方
収入の10〜20%が目安
一般的に、手取り収入の10〜20%を投資に回すのが適切とされています。
| 年収(額面) | 手取り目安 | 投資額目安(10〜20%) |
|---|---|---|
| 300万円 | 約240万円 | 月2〜4万円 |
| 500万円 | 約390万円 | 月3〜6万円 |
| 700万円 | 約530万円 | 月4〜9万円 |
投資より先にやること
投資を始める前に、生活防衛資金(生活費3〜6ヶ月分)を確保しましょう。これがないと、緊急時に投資を売却せざるを得なくなります。
年収300万円の投資戦略
基本データ
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 年収(額面) | 300万円 |
| 手取り(年) | 約240万円 |
| 手取り(月) | 約20万円 |
| 投資可能額 | 月1〜3万円 |
おすすめの投資先
| 優先順位 | 制度 | 金額 | 理由 |
|---|---|---|---|
| 1 | 新NISA(つみたて投資枠) | 月1〜3万円 | 非課税&いつでも引き出せる |
具体的なファンド
| ファンド | 信託報酬 |
|---|---|
| eMAXIS Slim 全世界株式 | 0.05775% |
| SBI・V・全世界株式 | 0.1338% |
年収300万円でも月1万円から始められます。まずは新NISAのつみたて投資枠で積立を始めましょう。iDeCoは60歳まで引き出せないので、余裕が出てからで大丈夫です。
20年後のシミュレーション
月2万円を年5%で20年運用した場合:
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 元本 | 480万円 |
| 運用益 | +342万円 |
| 合計 | 約822万円 |
年収500万円の投資戦略
基本データ
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 年収(額面) | 500万円 |
| 手取り(年) | 約390万円 |
| 手取り(月) | 約32万円 |
| 投資可能額 | 月3〜6万円 |
おすすめの投資先
| 優先順位 | 制度 | 金額 | 理由 |
|---|---|---|---|
| 1 | 新NISA(つみたて投資枠) | 月3〜5万円 | 非課税の基本枠 |
| 2 | iDeCo | 月1〜2.3万円 | 所得控除で節税 |
iDeCoの節税効果
年収500万円でiDeCoに月2万円(年24万円)拠出すると:
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 所得税率 | 約20% |
| 住民税率 | 10% |
| 年間節税額 | 約7.2万円 |
年間7万円以上も節税できるんですね!
その通りです。iDeCoは60歳まで引き出せませんが、節税効果が大きいので、新NISAと並行して活用するのがおすすめです。
20年後のシミュレーション
月5万円を年5%で20年運用した場合:
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 元本 | 1,200万円 |
| 運用益 | +855万円 |
| 合計 | 約2,055万円 |
年収700万円の投資戦略
基本データ
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 年収(額面) | 700万円 |
| 手取り(年) | 約530万円 |
| 手取り(月) | 約44万円 |
| 投資可能額 | 月7〜10万円 |
おすすめの投資先
| 優先順位 | 制度 | 金額 | 理由 |
|---|---|---|---|
| 1 | 新NISA(つみたて投資枠) | 月10万円 | 年間120万円フル活用 |
| 2 | iDeCo | 月2.3万円 | 所得控除で大きな節税 |
| 3 | 新NISA(成長投資枠) | 余裕があれば | 非課税枠を最大化 |
iDeCoの節税効果
年収700万円でiDeCoに月2.3万円(年27.6万円)拠出すると:
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 所得税率 | 約23% |
| 住民税率 | 10% |
| 年間節税額 | 約9.1万円 |
新NISAフル活用の場合
月10万円(つみたて投資枠)+ 月10万円(成長投資枠)= 月20万円
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 年間投資額 | 240万円 |
| 5年間の投資総額 | 1,200万円 |
| 生涯投資枠 | 1,800万円(7.5年で到達) |
年収700万円なら、新NISAの年間360万円フル活用も視野に入ります。5年で生涯投資枠1,800万円を埋めることも可能です。
年収別の投資配分まとめ
一覧表
| 年収 | 新NISA | iDeCo | 合計/月 |
|---|---|---|---|
| 300万円 | 月1〜2万円 | - | 月1〜2万円 |
| 500万円 | 月3〜5万円 | 月1〜2万円 | 月4〜7万円 |
| 700万円 | 月10万円 | 月2.3万円 | 月12万円以上 |
投資の優先順位
まず生活費3〜6ヶ月分を現金で確保します。
つみたて投資枠で月1万円からでもOK。非課税で増やせます。
所得控除で節税できますが、60歳まで引き出せない点に注意。
つみたて投資枠を使い切ったら、成長投資枠も活用。
注意点
1. 無理な投資額は禁物
投資は余裕資金で行うもの。生活を圧迫するような金額は避けましょう。
2. ライフイベントを考慮
結婚、出産、住宅購入など、大きな出費が予想される場合は、投資額を調整しましょう。
3. 昇給したら投資額を増やす
収入が増えたら、増えた分の一部を投資に回すのがおすすめです。
よくある質問
月1,000円からでも始められます。少額でも「投資する習慣」をつけることが大切です。収入が増えたら投資額を増やせばOKです。
ボーナスの一部を投資に回すのは良い方法です。ただし、全額投資は避け、一部は使う楽しみも残しておきましょう。
共働きなら世帯年収で考えましょう。夫婦それぞれがNISA口座を開設すれば、年間720万円まで非課税で投資できます。
まとめ
年収別の投資額と投資先をまとめます。
- 年収300万円:月1〜2万円、新NISAのつみたて投資枠
- 年収500万円:月4〜7万円、新NISA+iDeCo
- 年収700万円:月12万円以上、新NISAフル活用+iDeCo
- 投資額の目安は手取りの10〜20%
- 生活防衛資金を確保してから投資を始める
- 無理のない金額で継続することが大切
まずは少額から始めて、徐々に投資額を増やしていきましょう。
※本記事は情報提供を目的としており、特定の金融商品の購入を推奨するものではありません。投資に関する最終決定は、ご自身の判断と責任において行ってください。