「インデックス投資は長期で見れば右肩上がり」——この前提は本当に正しいのでしょうか。
NISAでインデックス投資を始めた人の中には、暴落を経験して不安になった方もいるかもしれません。
この記事では、インデックス投資の前提とリスク、長期投資を成功させるポイントを解説します。
「右肩上がり」の根拠
本当に株は長期で右肩上がりなんですか?
株価が長期的に上がる最も根本的な理由は「資本主義経済の拡大再生産」にあります。企業は利益を再投資し、経済は成長し続けてきました。
過去の実績
| 指標 | 実績 |
|---|---|
| S&P500(30年平均) | 年率約10.5% |
| アクティブファンドとの比較 | 85%に勝利 |
S&P500は30年以上の長期で見れば右肩上がりに成長を続けています。
2025年の好環境
- 新NISA制度の恒久化
- 手数料競争による低コスト化
- 商品ラインナップの充実
過去の暴落事例
「常に上がる」わけではない
しかし、常に右肩上がりというわけではありません。過去には大きな暴落がありました。
| 暴落 | 下落率 | 1,000万円投資時の含み損 |
|---|---|---|
| リーマンショック | -50% | 500万円 |
| ITバブル崩壊 | -45% | 450万円 |
| コロナショック | -35% | 350万円 |
2024年8月の急落
2024年8月5日には、日経平均株価が4,451円28銭(-12.4%)も下落しました。
1日で12%も下がることがあるんですか!
はい。短期的には市場や政治の影響で大きく下落するリスクがあります。だからこそ、暴落を想定した心構えが重要です。
重要なポイント:「売らなければ実損なし」
過去は全て回復
重要なのは「売らなければ実損なし」。過去の暴落は全て回復し、最高値を更新しています。
暴落からの回復
- リーマンショック:約5年で回復
- コロナショック:約1年で回復
- ITバブル崩壊:約7年で回復
暴落しても数年もすれば、暴落前の水準に戻り、右肩上がりの成長を続けているのが事実です。
長期投資を成功させるポイント
①暴落時も投資継続
長期的な資産形成においては、「割高だから積立投資を途中で中断したり、積立してきた資産を売却したりすると、長期的上昇トレンドの恩恵を受けられず、資産形成の機会を逃す可能性が高い」
暴落時こそ安く買えるチャンス。積立投資を継続しましょう。
②20年以上の視点で
市場は上昇や下降を繰り返しながら長期的に右肩上がりに成長していくものです。最低でも20年以上の視点で投資しましょう。
③生活費を投資しない
暴落時にパニック売りしてしまう原因の多くは、生活費を投資してしまっていること。余裕資金で投資しましょう。
④積立投資で平均化
毎月一定額を積み立てることで、高値で買いすぎるリスクを軽減できます(ドルコスト平均法)。
2025年のリスク要因
トランプ関税
2025年4月にトランプ政権が関税政策を発表し、株式市場は乱高下しました。
金利動向
FRBの利下げ観測が後退しており、ハイテク株には一部逆風となっています。
地政学リスク
ウクライナ情勢、台湾有事、中東情勢など、地政学リスクも継続しています。
「株は常に上がる」への警告
インデックス投資に死角はないんですか?
Bloombergのコラムでは、「S&P500は長期で上昇する」と多くの人が思い込んでいることへの懸念が指摘されています。過信は禁物です。
心構え
- 「常に上がる」と過信しない
- リスク管理を怠らない
- 分散投資を心がける
- 長期視点を維持する
まとめ:長期投資の王道を貫く
インデックス投資のポイント:
- **S&P500は過去30年で年率10%**上昇
- 過去の暴落は全て回復し最高値更新
- **「売らなければ実損なし」**が重要
- 暴落時も投資継続がカギ
- 20年以上の視点で投資する
「右肩上がり」の前提は歴史的には正しいですが、短期的な暴落は必ず起こります。長期投資の王道を貫き、暴落に動じない心構えを持ちましょう。
よくある質問(記事のおさらい)
歴史的には正しいです。S&P500は過去30年で年率約10%のリターン。ただし「常に上がる」わけではなく、リーマンショック(-50%)など大きな暴落もありました。
「売らなければ実損なし」が重要です。過去の暴落は全て回復し、最高値を更新しています。暴落時も積立投資を継続しましょう。
①暴落時も投資継続、②20年以上の視点、③生活費を投資しない、④積立投資で平均化、の4点が重要です。
「株は常に上がる」と過信しないこと。リスク管理を怠らず、分散投資を心がけ、長期視点を維持することが大切です。