「インデックス投資が良いって聞くけど、なぜ?」
「アクティブ投資のほうがプロが運用するから有利じゃないの?」
結論から言うと、長期投資ではインデックス投資が有利というデータがあります。
この記事では、インデックス投資の仕組みと、なぜ多くの専門家が推奨するのかを解説します。
インデックス投資とは
インデックス投資とは、株価指数(インデックス)に連動する投資信託やETFに投資する方法です。
代表的な株価指数
| 指数名 | 対象 | 構成銘柄数 |
|---|---|---|
| 日経平均株価 | 日本の主要企業 | 225社 |
| TOPIX | 東証プライム上場企業 | 約2,000社 |
| S&P500 | 米国の大型企業 | 500社 |
| MSCI ACWI | 全世界の株式 | 約3,000社 |
たとえばS&P500連動のファンドを買えば、Apple、Microsoft、Amazonなど米国の大企業500社に一度に分散投資できます。
インデックス vs アクティブ
投資信託には「インデックス型」と「アクティブ型」があります。
| 項目 | インデックス型 | アクティブ型 |
|---|---|---|
| 目標 | 指数と同じ成績 | 指数を上回る成績 |
| 運用方法 | 機械的に指数を追跡 | ファンドマネージャーが銘柄選定 |
| 信託報酬 | 低い(0.1%以下も) | 高い(1〜2%程度) |
アクティブのほうがプロが運用するんでしょ?そっちのほうが有利では?
理論上はそうですが、実際のデータを見ると違う結果が出ています。
データで見る:アクティブはインデックスに勝てない
S&P ダウ・ジョーンズ・インデックス社が公表している「SPIVA」スコアカードのデータを見てみましょう。
アクティブファンドがインデックスに勝った割合
| 期間 | 米国 | 欧州 | 日本 |
|---|---|---|---|
| 3年 | 20.2% | 10.7% | 18.0% |
| 5年 | 13.4% | 6.7% | 6.9% |
| 10年 | 14.4% | 7.2% | 15.5% |
(2023年10月時点)
10年間でインデックスに勝てたアクティブファンドは、米国で約14%、欧州で約7%にすぎません。
金融庁のレポートでも、10年間の運用成績がインデックスを上回ったアクティブファンドの割合は、日本で33%、アメリカで13%、ヨーロッパで21%と報告されています。
なぜアクティブは勝てないのか
- 高いコスト:信託報酬が1〜2%高いだけで、長期リターンに大きな差が出る
- 市場の効率性:情報はすぐに株価に反映され、「割安株」を見つけにくい
- 運用者の交代:優秀なマネージャーがいても、長期間同じ人が運用するとは限らない
インデックス投資のメリット・デメリット
- コストが低い(信託報酬0.1%以下のファンドも)
- 分散投資が簡単(1本で数百〜数千銘柄に投資)
- 再現性が高い(誰がやっても同じ成績)
- 長期でアクティブに勝つ確率が高い
- 市場平均以上のリターンは狙えない
- 暴落時も市場と同じだけ下がる
- 短期で大きく稼ぐのは難しい
代表的なインデックスファンド
新NISAで人気のファンドを紹介します。
eMAXIS Slimシリーズ
三菱UFJアセットマネジメントが運用する低コストシリーズ。業界最低水準の信託報酬を目指しています。
| ファンド名 | 投資対象 | 信託報酬(税込) |
|---|---|---|
| eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー) | 全世界株式 | 0.05775%程度 |
| eMAXIS Slim 米国株式(S&P500) | 米国株式 | 0.09372%程度 |
| eMAXIS Slim 先進国株式 | 先進国株式 | 0.09889%程度 |
※受益者還元型信託報酬のため、純資産総額により変動
インデックス投資の始め方
1. 証券口座を開設
新NISA口座を開設できるネット証券がおすすめです。SBI証券・楽天証券が人気です。
2. ファンドを選ぶ
以下のポイントで選びましょう。
- 信託報酬が低い(0.1%以下が目安)
- 純資産総額が大きい(運用の安定性)
- 長期の運用実績がある
3. 積立設定をする
毎月の積立金額を設定します。最低100円から始められる証券会社もあります。
4. 長期保有する
インデックス投資で最も重要なのは長期で持ち続けることです。
市場が暴落しても売らずに持ち続けることが成功の鍵です。リーマンショック後もコロナショック後も、市場は回復しています。
よくある質問
基本的にはそうです。一度積立設定をしたら、あとは淡々と積み立てを続けるだけです。ただし、年1回程度はポートフォリオの確認と、必要に応じたリバランス(資産配分の調整)を行うとより良いでしょう。
売らずに積立を続けるのが基本です。暴落時は安く買えるチャンスでもあります。過去のリーマンショックやコロナショックでも、淡々と積立を続けた人は数年後に大きく資産を増やしています。
できるだけ早く始めることをおすすめします。複利効果は時間が長いほど大きくなるため、1年でも早く始めることで将来の資産額に大きな差が出ます。「ベストなタイミング」を待つより、今すぐ少額から始める方が合理的です。
まとめ
インデックス投資は、低コストで市場全体に分散投資できるシンプルな投資法です。
- インデックスは株価指数に連動する投資法
- 10年間でアクティブに勝てたのは約10〜15%のみ
- 低コストと分散がインデックスの強み
- 長期保有が成功の鍵
※本記事は情報提供を目的としており、特定の金融商品の購入を推奨するものではありません。投資に関する最終決定は、ご自身の判断と責任において行ってください。
参考: