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投資の税金入門|確定申告は必要?株・投資信託の課税ルールを解説
節税・制度 初心者向け

投資の税金入門|確定申告は必要?株・投資信託の課税ルールを解説

2025-12-16
2025-12-16 更新

株や投資信託の税金の仕組みを解説。確定申告が必要なケース、特定口座の選び方、配当金の課税方法、節税のコツまで初心者向けに紹介します。

「株で儲かったら税金ってどうなるの?」「確定申告は必要?」——投資を始めると税金の疑問が出てきます。

結論から言うと、特定口座(源泉徴収あり)を使えば、基本的に確定申告は不要です。ただし、知っておくべきルールもあります。

この記事では、投資にかかる税金の基本と節税のコツを解説します。

投資にかかる税金の種類

投資で得られる利益には、大きく分けて2種類あります。

利益の種類 内容 税率
譲渡益(売却益) 株や投資信託を売って得た利益 20.315%
配当金・分配金 株の配当金、投資信託の分配金 20.315%

税率の内訳

20.315%の内訳は以下の通りです。

項目 税率
所得税 15%
復興特別所得税 0.315%
住民税 5%
合計 20.315%
復興特別所得税

復興特別所得税は2037年までの時限措置です。2038年以降は20%になる予定です。

証券口座の種類と確定申告

証券口座には3種類あり、どれを選ぶかで確定申告の必要性が変わります

口座の種類 確定申告 特徴
特定口座(源泉徴収あり) 不要 税金が自動で引かれる。最も手間がかからない
特定口座(源泉徴収なし) 必要 年間取引報告書は証券会社が作成
一般口座 必要 自分で損益計算が必要。上級者向け
青山(独立系FP)
青山(独立系FP)

初心者は「特定口座(源泉徴収あり)」を選びましょう。利益が出ても確定申告不要で、税金は自動で処理されます。

特定口座(源泉徴収あり)の仕組み

売却益の場合

株や投資信託を売却して利益が出ると、証券会社が自動で20.315%を源泉徴収します。

金額
売却価格 110万円
取得価格 100万円
利益 10万円
税金(20.315%) 約20,315円
手取り 約979,685円

損失が出た場合

同じ年に損失が出ると、利益と相殺(損益通算)して税金が戻ってきます。

金額
A株の利益 +10万円
B株の損失 -6万円
課税対象 4万円
税金 約8,126円

配当金・分配金の課税

配当金の受け取り方法

株の配当金には3つの受け取り方法があり、それぞれ課税方法が異なります。

受け取り方法 課税方法 損益通算
株式数比例配分方式 特定口座で源泉徴収 可能
登録配当金受領口座方式 源泉徴収のみ 確定申告が必要
従来方式(郵便振替) 源泉徴収のみ 確定申告が必要
おすすめ

「株式数比例配分方式」がおすすめです。配当金が証券口座に入金され、売却損との損益通算が自動で行われます。

投資信託の分配金

投資信託の分配金には「普通分配金」と「元本払戻金(特別分配金)」があります。

種類 内容 課税
普通分配金 運用益から出る分配金 課税(20.315%)
元本払戻金 元本を取り崩して支払う分配金 非課税(元本の払い戻し)

NISAなら税金ゼロ

新NISA口座で投資すれば、売却益も配当金もすべて非課税です。

課税口座 NISA口座
投資額 100万円 100万円
利益 50万円 50万円
税金 約10.2万円 0円
手取り 約139.8万円 150万円
青山
青山

NISAで投資すれば、利益がいくら出ても税金がかかりません。まずはNISA枠を使い切ることを優先しましょう。

確定申告が必要なケース

特定口座(源泉徴収あり)でも、以下のケースでは確定申告が有利または必要になります。

1. 複数の証券会社で損益がある場合

証券会社ごとに税金が計算されるため、A社で利益、B社で損失がある場合は確定申告で合算できます。

証券会社 損益 確定申告なし 確定申告あり
A社 +30万円 約6.1万円課税
B社 -20万円 損益通算されない
合計 +10万円 約6.1万円 約2万円

2. 損失を繰り越したい場合

その年の損失は、翌年以降3年間繰り越して将来の利益と相殺できます(繰越控除)。ただし、確定申告が必要です。

3. 配当金を総合課税にしたい場合

課税所得が低い人は、配当金を総合課税にすると税率が下がる場合があります。

課税所得 申告分離課税 総合課税(配当控除後)
195万円以下 20.315% 0〜7.2%
330万円以下 20.315% 7.2%
695万円以下 20.315% 17.41%
900万円以下 20.315% 20.473%

確定申告が不要なケース

以下のケースでは確定申告は不要です。

メリット
デメリット

外国株・外国投資信託の税金

二重課税の問題

米国株の配当金には、米国で10%が源泉徴収され、さらに日本で20.315%が課税されます。

段階 税率
米国での源泉徴収 10%
日本での課税 20.315%
実質負担 約28%

外国税額控除

確定申告で外国税額控除を申請すると、米国で払った税金の一部を取り戻せます。

青山
青山

外国株投資をしている人は、確定申告で外国税額控除を忘れずに申請しましょう。NISAで外国株を買っている場合は、米国での10%源泉徴収のみで済みます。

節税のコツ

1. まずはNISAをフル活用

NISA枠を使い切ってから課税口座で投資しましょう。

2. 損益通算を活用

同じ年に利益と損失があれば、損益通算で税金を減らせます。

3. 損失は繰り越す

その年に損失が残ったら、確定申告で3年間繰り越しましょう。

4. 配当金は「株式数比例配分方式」で

売却損との自動損益通算ができるため、税金の還付を受けやすくなります。

まとめ

投資の税金について、ポイントを整理します。

  • 投資の利益には20.315%の税金がかかる
  • 特定口座(源泉徴収あり)なら確定申告は基本不要
  • NISA口座なら税金ゼロ
  • 複数口座や損失繰越は確定申告で節税できる
  • 配当金は「株式数比例配分方式」がおすすめ
  • 外国株は外国税額控除を忘れずに

まずはNISA口座で投資を始めて、税金ゼロのメリットを活用しましょう。

よくある質問

Q
Q1. 利益が20万円以下なら確定申告は不要ですか?
A

給与所得者で、給与以外の所得(投資利益を含む)が20万円以下の場合、確定申告は不要です。ただし、住民税の申告は必要な場合があります。また、特定口座(源泉徴収あり)であれば利益額に関係なく確定申告不要です。

Q
Q2. 確定申告すると会社にバレますか?
A

確定申告時に住民税を「自分で納付」に選べば、会社に通知されることはありません。ただし、「給与から天引き」を選ぶと、住民税額の変動で気づかれる可能性はあります。

Q
Q3. 仮想通貨の税金は株と同じですか?
A

違います。仮想通貨(暗号資産)の利益は「雑所得」として総合課税され、最大で所得税45%+住民税10%の合計55%が課税されます。株式のような申告分離課税(一律20.315%)は適用されません。

※本記事は情報提供を目的としており、特定の金融商品の購入を推奨するものではありません。投資に関する最終決定は、ご自身の判断と責任において行ってください。