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投資の確定申告|e-Taxのやり方を画像なしで解説
節税・制度 初心者向け

投資の確定申告|e-Taxのやり方を画像なしで解説

2025-12-17
2025-12-17 更新

投資で確定申告が必要なケースとは?特定口座でも申告した方がいい場合や、e-Taxでの申告手順を分かりやすく解説します。

「投資で利益が出たけど、確定申告は必要?」

特定口座(源泉徴収あり)を使っていれば確定申告は不要ですが、申告した方が得になるケースもあります。この記事では、投資の確定申告が必要なケースと、e-Taxでの申告方法を解説します。

確定申告が必要なケース

ケース1:一般口座で利益が出た

口座の種類 確定申告
特定口座(源泉徴収あり) 不要
特定口座(源泉徴収なし) 必要
一般口座 必要
NISA口座 不要(非課税)

ケース2:給与以外の所得が20万円超

20万円ルール

給与所得者で、給与以外の所得(投資の利益など)が年間20万円を超える場合は確定申告が必要です。ただし、特定口座(源泉徴収あり)は源泉徴収で完結するため、この20万円には含まれません。

ケース3:複数口座の損益通算

青山(独立系FP)
青山(独立系FP)

A証券で50万円の利益、B証券で30万円の損失がある場合、確定申告で損益通算すると、20万円分の利益として計算され、B証券で払いすぎた税金が還付されます。

確定申告した方がいいケース

ケース1:損失の繰越控除

損益 繰越後の課税対象
2024年 -100万円 翌年以降に繰越
2025年 +50万円 0円(繰越損失と相殺)
2026年 +60万円 10万円(残りの繰越損失と相殺)
読者
読者

損失を繰り越せるんですか?

青山
青山

確定申告すれば、損失を3年間繰り越せます。翌年以降の利益と相殺できるので、損失が出た年こそ確定申告をおすすめします。

ケース2:配当控除

課税所得 総合課税の税率 分離課税(約20%)との比較
195万円以下 約7.2% 総合課税が有利
330万円以下 約17.2% 総合課税が有利
695万円以下 約27.2% 分離課税が有利
配当控除のポイント

課税所得が330万円以下なら、配当を総合課税で申告し、配当控除を受けた方が税金が安くなる場合があります。

ケース3:外国税額控除

米国株の配当には米国で10%、日本で約20%の二重課税がかかっています。確定申告で外国税額控除を申請すると、米国で払った税金の一部が還付されます。

項目 金額(例)
米国株配当 100ドル
米国源泉税(10%) -10ドル
手取り 90ドル
日本の税金(約20%) -18ドル
外国税額控除で還付 +10ドル程度

e-Taxの準備

必要なもの

項目 内容
マイナンバーカード 電子申告に必要
ICカードリーダー またはスマホ(マイナポータルアプリ)
年間取引報告書 証券会社から届く(1月中旬〜)
源泉徴収票 会社から届く

事前準備

手順 e-Tax申告の準備
1
マイナポータルに登録

マイナポータルアプリをインストールし、マイナンバーカードでログインします。

2
e-Taxの利用者識別番号を取得

国税庁のe-Taxサイトで利用者識別番号を取得します(初回のみ)。

3
年間取引報告書を用意

証券会社から届く「年間取引報告書」または「特定口座年間取引報告書」を手元に用意します。

e-Taxでの申告手順

手順1:確定申告書等作成コーナーにアクセス

国税庁の「確定申告書等作成コーナー」にアクセスし、「作成開始」をクリックします。

手順2:申告書の種類を選択

選択肢 対象者
所得税 給与所得者、個人事業主
分離課税 株式の譲渡所得がある人

「株式等の譲渡所得」がある場合は、分離課税の申告書を選択します。

手順3:収入を入力

入力項目 入力元
給与所得 源泉徴収票
株式譲渡所得 年間取引報告書
配当所得 年間取引報告書

手順4:控除を入力

控除の種類 内容
外国税額控除 外国株の配当がある場合
配当控除 配当を総合課税にした場合
損失の繰越控除 前年以前の損失を繰り越す場合

手順5:送信

入力内容を確認し、マイナンバーカードで電子署名してe-Taxで送信します。

確定申告のスケジュール

時期 やること
1月中旬 年間取引報告書が届く
2月16日〜3月15日 確定申告期間
申告後2〜3週間 還付金の振込(e-Taxの場合)
青山
青山

e-Taxで申告すると、還付が早いのがメリットです。紙の申告だと1〜2ヶ月かかりますが、e-Taxなら2〜3週間で振り込まれます。

よくある間違い

間違い1:NISAの利益を申告

NISAは申告不要

NISA口座の利益は非課税なので、確定申告に記載する必要はありません。記載すると課税対象になってしまう可能性があるので注意。

間違い2:特定口座の損益を合算忘れ

複数の証券会社で特定口座を持っている場合、各社の損益を合算して申告しないと、損益通算のメリットが得られません。

間違い3:損失の繰越を忘れる

損失が出た年に確定申告しないと、翌年以降に繰り越せません。利益が出なくても、損失が出た年は申告しましょう。

よくある質問

Q
Q1. 特定口座(源泉徴収あり)でも確定申告した方がいいですか?
A

損失の繰越や、複数口座の損益通算をしたい場合は申告した方がいいです。また、外国株の配当で外国税額控除を受けたい場合も申告が必要です。

Q
Q2. 確定申告すると会社にバレますか?
A

確定申告書で「住民税を自分で納付」を選択すれば、投資の利益が会社に通知されません。「特別徴収」を選ぶと、住民税の増加で会社に分かる可能性があります。

Q
Q3. 間違えて申告したらどうなる?
A

確定申告期間内なら「訂正申告」、期限後なら「修正申告」または「更正の請求」で修正できます。気づいたら早めに対応しましょう。

まとめ

投資の確定申告についてまとめます。

  • 特定口座(源泉徴収あり)なら基本的に確定申告不要
  • 複数口座の損益通算をするなら確定申告が必要
  • 損失は3年間繰り越せる(要確定申告)
  • 外国株の配当は外国税額控除で還付あり
  • e-Taxなら自宅で完結、還付も早い
  • NISA口座は申告不要(非課税)

賢く確定申告して、払いすぎた税金を取り戻しましょう。

※本記事は情報提供を目的としており、特定の金融商品の購入を推奨するものではありません。投資に関する最終決定は、ご自身の判断と責任において行ってください。