「AI投資といえばNVIDIA」
——多くの投資家がそう考えています。
しかし、NVIDIAのGPUを作る装置、AIを組み立てるロボット、データセンターを動かす機器——これらを提供しているのは、実は日本企業です。
世界のAI産業を「裏方」として支える日本のロボット・製造装置企業。その投資機会を探ります。
なぜ日本のロボット企業が有望か
AIサプライチェーンの川上
日本のロボット企業とAIって、どう関係があるんですか?
AIの最終製品(NVIDIAのGPUなど)を作るには、精密な製造装置とロボットが必要です。日本はこの分野で世界トップクラス。「AIのつるはし」を売っているのが日本企業というわけです。
日本企業が強い分野:
- 産業用ロボット(FANUC、安川電機)
- 精密計測・センサー(キーエンス)
- 半導体製造装置(東京エレクトロン、SCREEN)
- FA(ファクトリーオートメーション)機器(三菱電機)
製造業の労働者1万人あたりのロボット導入台数で、日本は世界3位。この高いロボット密度が、日本の製造装置企業の技術力の証明です。
政府の1.23兆円投資
政府の支援もあるんですか?
2026年、日本政府はAI・半導体分野に1.23兆円(前年比300%増)の投資を発表しました。Rapidus(2nmチップ)を含む国内サプライチェーン強化が目的です。この恩恵を受けるのが、製造装置・ロボット企業です。
注目銘柄
FANUC(6954)
FANUCってどんな会社ですか?
産業用ロボットで世界シェアトップクラスの企業です。自動車、電子機器、半導体など幅広い製造ラインで使われています。「ダークファクトリー」(無人工場)の普及で、FANUCのロボットへの需要はさらに高まります。
FANUCの概要:
- 時価総額:約4兆円
- 事業:産業用ロボット、CNC、サーボモータ
- 強み:高い利益率、無借金経営
- 配当利回り:約2%
キーエンス(6861)
キーエンスは高すぎて手が出ないんですが...
確かに株価は高いですが、営業利益率50%超という驚異的な収益力を持つ企業です。FA用センサー、計測器で圧倒的なシェアを持ち、工場の自動化が進むほど需要が増えます。単元株が高い場合は、投資信託経由で持つ方法もあります。
キーエンスの概要:
- 時価総額:約15兆円
- 事業:FA用センサー、計測器
- 強み:営業利益率50%超、直販体制
- 配当利回り:約0.3%
安川電機(6506)
産業用ロボット、サーボモータで世界トップクラス。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 時価総額 | 約1.5兆円 |
| 事業 | 産業用ロボット、サーボモータ |
| 強み | 世界シェア上位、中国展開 |
| 配当利回り | 約1.5% |
三菱電機(6503)
三菱電機もロボット関連ですか?
FA(ファクトリーオートメーション)システム全体を提供できる点が強みです。2026年1月には、AI駆動の効率化でQ1営業利益が191%増と好調でした。インフラ・自動化の両方を持つ総合力が評価されています。
ETFで分散投資
Global X Japan Robotics & AI ETF(2638)
個別株は難しいので、ETFで投資したいです。
東証に上場している「Global X Japan Robotics & AI ETF(2638)」がおすすめです。日本のロボット・AI関連企業に分散投資できます。キーエンス、FANUC、安川電機などが組み入れられています。
2638の概要:
- 正式名称:Global X Japan Robotics & AI ETF
- 証券コード:2638(東証)
- 経費率:0.649%
- 主な構成銘柄:キーエンス、FANUC、安川電機、ソニー、オムロン
2638は新NISAの成長投資枠で購入可能です。日本のAI・ロボット関連に幅広く投資したい方に適しています。
投資判断のポイント
メリット・リスク
- 世界のAI需要の恩恵を受ける
- 政府の1.23兆円投資の追い風
- 米国株より割安なバリュエーション
- 円安メリット(輸出企業)
- 景気循環に敏感(設備投資減で業績悪化)
- 中国市場リスク(安川電機など)
- 為替リスク(円高で業績下押し)
- 半導体サイクルの影響
結局、今買うべきですか?
ファクトリーオートメーションは2025年後半から回復基調にあり、2026年は業績改善が期待できます。ただし、景気循環銘柄なのでポートフォリオの一部(10-15%程度)に留めるのが賢明です。
まとめ
日本のロボット・製造装置株の投資機会をまとめます。
なぜ有望か:
- 世界のAIサプライチェーンの「川上」
- 政府の1.23兆円投資(AI・半導体)
- FA市場の回復基調
注目銘柄:
- FANUC:産業用ロボット世界トップ
- キーエンス:営業利益率50%超
- 安川電機:ロボット・サーボで世界上位
- 三菱電機:AI効率化で業績急伸
投資方法:
- 個別株または2638(ETF)
- ポートフォリオの10-15%程度
- 新NISAの成長投資枠で購入可能
「AIのつるはし」を売る日本企業——米国のAI企業だけでなく、その裏方を担う日本株にも目を向けてみてください。
※本記事は情報提供を目的としており、特定の金融商品の購入を推奨するものではありません。
投資に関する最終決定は、ご自身の判断と責任において行ってください。
よくある質問
AIの最終製品(GPU、サーバーなど)を作るには精密な製造装置とロボットが必要です。日本はこの分野で世界トップクラスの技術を持っています。
2026年、日本政府はAI・半導体分野に1.23兆円(前年比300%増)の投資を発表しました。この恩恵を受けるのが製造装置・ロボット企業です。
東証上場の「Global X Japan Robotics & AI ETF(2638)」で日本のロボット・AI関連企業に分散投資できます。新NISAの成長投資枠で購入可能です。
景気循環に敏感で、設備投資が減ると業績が悪化します。また、中国市場リスク、為替リスクもあります。ポートフォリオの10-15%程度に留めましょう。