2026年1月、日経平均株価は史上初めて5万3000円台を突破し、過去最高値を更新しました。経営者20人全員が「2026年はさらに最高値を更新する」と予想する中、日本株と米国株のパフォーマンス格差が注目されています。
「これまでS&P500一択だったけど、日本株に乗り換えるべき?」という疑問を持つ投資家も増えているのではないでしょうか。
この記事では、2026年に日本株が米国株を上回ると期待される理由、その背景にある「トランプ2.0」の影響、そして具体的な投資戦略について解説します。
日経平均5万3000円突破の背景
1月13日、史上最高値を更新
2026年1月13日、日経平均株価は前週末比1,609円27銭(3.10%)高の5万3549円16銭で取引を終えました。初めて5万3000円台に乗せ、1週間ぶりに最高値を更新しています。
翌14日には続伸し、5万4000円台に到達。衆議院解散の観測を受けて、政策推進への期待から海外投資家の買いが優勢となりました。
なぜ解散総選挙の観測で株価が上がるんですか?
選挙は政策の「リセットボタン」です。高市首相が掲げる経済政策への期待や、政権の安定化が見込まれると、投資家心理が改善するためです。
円安が日本企業の追い風に
外国為替市場では、1ドル=158円90銭台と約1年半ぶりの円安水準を記録しました。円安はトヨタやソニーなど輸出比率の高い日本企業の収益改善期待を高め、株価全体の押し上げ材料となっています。
| 指標 | 数値 | 前年比 |
|---|---|---|
| 日経平均(2026年1月14日) | 5万4000円台 | +26%超 |
| TOPIX(2025年通年) | +22.41% | 3年連続上昇 |
| ドル円 | 158円90銭台 | 約1年半ぶり円安 |
経営者20人全員が「最高値更新」を予想
日本経済新聞の調査によると、主要企業の経営者20人全員が「2026年は日経平均がさらに最高値を更新する」と回答しました。
高値予想の平均は5万7350円で、高値をつける時期は全員が10〜12月と予想しています。野村證券のメインシナリオでは年末5万5000円、上振れシナリオでは5万9000円を想定しています。
米国株の不安要因
トランプ関税政策の影響
「トランプ2.0」と呼ばれる第2次トランプ政権では、関税政策が米国株の重石となっています。当初、日本の自動車メーカーには25%の関税が課されましたが、交渉の結果15%に引き下げられました。
- 日本企業への影響は年間3,000億円と試算
- ただし、価格転嫁やサプライチェーン調整で約1,900億円を削減見込み
- 自動車輸出は前年比22%減と特に打撃
S&P500の上昇率は鈍化見通し
ウォール街のアナリスト予想によると、2026年のS&P500は上昇率が8%前後に鈍化する見通しです。
| 金融機関 | 2026年末S&P500予想 | 上昇率 |
|---|---|---|
| バンク・オブ・アメリカ | 7,100 | +3.7% |
| モルガン・スタンレー | 7,500 | +10% |
| ドイツ銀行 | 8,000 | +16.9% |
| アナリスト平均 | 7,383 | +10.5% |
2023年、2024年、2025年と3年連続で二桁上昇を記録した米国株ですが、2026年は「期待相場」から「実力相場」への転換が予想されています。
中間選挙の年は株価が下がりやすいって本当ですか?
歴史的にはそうですね。1958年以降のデータを見ると、中間選挙の年は年前半にパフォーマンスが低迷し、秋以降に改善するアノマリー(季節的傾向)があります。
バリュエーションの割高感
米国株は3年連続の大幅上昇により、バリュエーション(株価評価)が歴史的に高い水準にあります。ゴールドマン・サックスは「2026年も株式市場に対しては建設的だが、2025年よりも低いリターンを予想する」とコメントしています。
日本株が強い理由
2025年のパフォーマンスで日本株が米国を凌駕
2025年のパフォーマンスを振り返ると、日本株の強さが際立ちます。
| 指数 | 2025年上昇率 |
|---|---|
| 日経平均 | +26.18% |
| TOPIX | +22.41% |
| S&P500 | +16.4% |
| ダウ平均 | +13% |
| ナスダック | +20% |
TOPIXは米国と欧州のパフォーマンスを上回り、3年連続の続伸で終えました。
防衛費拡大が追い風
2026年度予算案では、防衛費が過去最高の8.8兆円に達する見込みです。日本政府は2027年度までに防衛費をGDP比2%に達する水準まで増額する方針を掲げています。
地政学リスクの高まりを受けて、防衛関連株は特に注目されています。2026年1月5日には、三菱重工業の株価が前営業日比9.08%高と約3カ月ぶりの上昇率を記録しました。
防衛関連銘柄は「国策」として中長期で恩恵を受けやすいセクターです。三菱重工業、川崎重工業、IHIなどが代表的な銘柄として挙げられます。
企業収益改善への期待
金融機関11社の調査では、2026年末の日経平均予想は5万3000円〜6万1000円の範囲となっています。上場企業の増益が続くという点では見方が一致しています。
TOPIXは2023年から2025年にかけて毎年400ポイント超の上昇を記録しており、2026年も同程度の上昇モメンタムが継続すれば、ベストシナリオとして3,800ポイントが視野に入ります。
日銀の金融政策が三者三様の中で特異
2026年の金融政策は、各国で方向性が分かれています。
| 地域 | 金融政策の方向性 |
|---|---|
| 米国 | 利下げ局面 |
| 欧州 | 利下げを終えて様子見 |
| 日本 | 利上げ |
日本の利上げは短期的には株価の重石となる可能性がありますが、「金利のある世界」への正常化は長期的には銀行株などの収益改善につながります。
具体的な投資戦略
年前半は分散投資で守りを固める
2026年の投資戦略として、多くの専門家は「年前半に分散投資」を推奨しています。米国の中間選挙を控えた不透明感や、トランプ関税政策の影響を考慮した戦略です。
- 日本株と米国株の両方に投資することでリスク分散
- 円安メリットを享受する日本企業への投資機会
- 防衛関連など政策関連銘柄へのアクセス
- 為替変動リスクは両方向に作用する
- 日本株の流動性は米国株より低い
- 個別銘柄選定にはリサーチが必要
注目セクターと銘柄
2026年に注目すべき日本株のセクターをまとめます。
防衛関連:三菱重工業、川崎重工業、IHI
半導体・AI関連:東京エレクトロン、アドバンテスト
銀行株:三菱UFJ、三井住友FG(金利上昇メリット)
輸出関連:トヨタ、ソニー(円安メリット)
米国株も完全に見捨てない
日本株の相対的な魅力が高まっているとはいえ、米国株を完全に除外するのは得策ではありません。
長期的に見れば、米国経済の成長力や企業のイノベーション力は依然として世界トップクラスです。S&P500への積立投資は継続しつつ、日本株への配分を増やすというバランスが現実的でしょう。
つまり、どちらかに偏らずバランスよく持つのがいいんですね。
その通りです。「特定の市場に依存せず、柔軟なポートフォリオを構築すること」が、この不透明な時代を勝ち抜く鍵といえます。
リスク・注意点
為替リスクは両方向に作用
現在の円安は日本企業の業績を押し上げていますが、円高に転じれば逆風となります。為替は予測が困難であり、一方向に賭けすぎることは避けるべきです。
トランプ政策の不確実性
トランプ大統領の政策は予測が難しく、突発的な発言や方針転換で市場が大きく動く可能性があります。最高裁判所ではトランプ関税の合法性をめぐる訴訟も進行中であり、判決次第では大きな影響が出る可能性があります。
日本株特有のリスク
- 地政学リスク(中国、北朝鮮など)
- 人口減少による長期的な経済成長の鈍化
- 解散総選挙の結果次第では政策期待が剥落するリスク
本記事は情報提供を目的としており、特定の金融商品の購入を推奨するものではありません。投資に関する最終決定は、ご自身の判断と責任において行ってください。
まとめ
2026年は日本株にとって追い風の年となる可能性が高いといえます。
- 日経平均は1月に5万3000円台を突破、経営者20人全員が年内最高値更新を予想
- S&P500は上昇率が8〜10%程度に鈍化する見通し
- 円安、防衛費拡大、企業収益改善が日本株の追い風
- トランプ関税政策は米国株の重石に
- 分散投資を基本としつつ、日本株の比率を高める戦略が有効
「S&P500一択」から脱却し、日本株を含めた柔軟なポートフォリオを検討する良い機会かもしれません。
よくある質問
金融機関の予想では、2026年末の日経平均は5万3000円〜6万1000円の範囲です。野村證券のメインシナリオは5万5000円、上振れシナリオでは5万9000円を想定しています。経営者20人の高値予想平均は5万7350円です。
主な理由は3つあります。(1)円安による輸出企業の収益改善、(2)防衛費拡大(8.8兆円)による政策関連銘柄への追い風、(3)米国株がバリュエーション割高で上昇率鈍化の見通しであること。2025年も日経平均(+26.18%)はS&P500(+16.4%)を上回りました。
当初の影響額は年間約3,000億円と試算されていますが、日本企業は価格転嫁やサプライチェーン調整により約1,900億円を削減する見込みです。自動車への関税は交渉により25%から15%に引き下げられました。
2026年の注目セクターは、防衛関連(三菱重工、川崎重工、IHI)、半導体・AI関連(東京エレクトロン、アドバンテスト)、銀行株(三菱UFJ、三井住友FG)、輸出関連(トヨタ、ソニー)です。特に防衛関連は「国策」として中長期で恩恵を受けやすいセクターです。
完全に乗り換えるのは推奨しません。米国経済の成長力や企業のイノベーション力は依然として世界トップクラスです。S&P500への積立投資は継続しつつ、日本株への配分を増やすバランスの取れた分散投資が現実的な戦略といえます。