「子供にお金の教育をしたい」「将来のためにお金を貯めてあげたい」——そんな親御さんは多いでしょう。
しかし、2023年末でジュニアNISAが廃止となり、子供名義の非課税投資ができなくなりました。この記事では、ジュニアNISA廃止後の選択肢と、子供への投資教育について解説します。
ジュニアNISA廃止後の現状
ジュニアNISAとは何だったか
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象 | 0〜17歳の未成年 |
| 年間投資枠 | 80万円 |
| 非課税期間 | 5年間 |
| 制度終了 | 2023年末で廃止 |
廃止後どうなった?
2023年までに開設したジュニアNISA口座は、18歳になるまで非課税で運用継続できます。新規の投資はできませんが、既存の資産はそのまま運用可能です。
子供名義で投資する方法
方法1:未成年口座(特定口座)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象 | 0歳から開設可能 |
| 非課税 | なし(課税) |
| 税率 | 約20% |
| メリット | 子供名義で資産形成 |
| デメリット | 非課税の恩恵がない |
未成年口座は課税口座ですが、子供名義で投資の練習ができます。少額から始めて、お金の勉強をさせるには良い選択肢です。
方法2:18歳になったら新NISA
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 開始年齢 | 18歳から |
| 年間投資枠 | 360万円 |
| 生涯投資枠 | 1,800万円 |
| 非課税期間 | 無期限 |
18歳になれば新NISAが使えます。それまでは親が代わりに資産形成しておく方法もあります。
親名義で子供のために運用
親のNISA枠で運用し、将来渡す
子供のためのお金を、親名義で運用していいんですか?
法的には問題ありません。親の新NISA枠で運用し、子供が成人したら贈与として渡す方法があります。ただし、贈与税に注意が必要です。
贈与税の基本
| 贈与額 | 贈与税 |
|---|---|
| 年間110万円以下 | 非課税 |
| 110万円超〜200万円 | 超過分の10% |
| 200万円超〜300万円 | 超過分の15% |
年間110万円までなら贈与税がかかりません。毎年少しずつ贈与していく「暦年贈与」が有効です。ただし、贈与契約書を作成し、記録を残しておくことが大切です。
教育資金贈与の特例
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 非課税枠 | 最大1,500万円 |
| 対象 | 30歳未満の子・孫 |
| 用途 | 教育費(学費、塾代等) |
| 期限 | 2026年3月まで |
教育資金として渡すなら、この特例を使う方法もあります。
子供への投資教育
なぜ投資教育が必要か
- 金融リテラシーが身につく
- お金の価値を理解する
- 長期的な視点が身につく
- 詐欺に騙されにくくなる
年齢別の教え方
| 年齢 | 教え方 |
|---|---|
| 小学生 | お小遣い帳、貯金の習慣 |
| 中学生 | 株式会社の仕組み、複利の概念 |
| 高校生 | 実際に株を買ってみる、投資信託の仕組み |
具体的な教育方法
お小遣いの一部(例:月1,000円)を「投資用」として、親が代わりに投資信託を購入。値動きを一緒に見て「お金が働く」を体験させます。
子供が好きなゲーム会社、お菓子会社などを一緒に調べます。「この会社の株を買うとどうなる?」を考えさせます。
高校生になったら、未成年口座で実際に株を購入。1株から買える証券会社を使えば数百円から始められます。
定期的に「いくら増えた?減った?」を一緒に確認。なぜ値動きしたのかを考えさせます。
1株から買える証券会社
| 証券会社 | 特徴 |
|---|---|
| SBI証券 | S株で1株から購入可能 |
| 楽天証券 | かぶミニで1株から |
| マネックス証券 | ワン株で1株から |
1株から買えるサービスを使えば、数百円から株主になれます。子供の投資教育にピッタリです。
投資教育で教えるべきこと
必ず伝えること
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 複利の力 | 長く続けるほど増える |
| リスクとリターン | リターンが高いほどリスクも高い |
| 分散投資 | 1つに集中しない |
| 投資と投機の違い | ギャンブルとは違う |
| 詐欺への注意 | 「必ず儲かる」は詐欺 |
絶対に教えてはいけないこと
- 「投資は危険だからやめなさい」
- 「お金の話は汚い」
- 「株で一攫千金」
- 短期売買で儲ける方法
よくある質問
お小遣いを管理できるようになった小学校中学年(9〜10歳)からがおすすめです。最初は「貯金」から始め、徐々に「投資」の概念を教えていきます。
子供の本人確認書類(マイナンバーカード等)と、親権者の同意書が必要です。オンラインで手続きできる証券会社も増えています。
未成年口座は、18歳になると自動的に成人口座に切り替わります。その時点で新NISAの開設も可能になります。
まとめ
子供の投資教育についてまとめます。
- ジュニアNISAは2023年末で廃止
- 子供名義なら未成年口座(課税)で投資可能
- 親名義で運用し、贈与で渡す方法もあり
- 贈与税は年間110万円まで非課税
- 投資教育は小学校中学年から始められる
- 1株から買える証券会社で実践させる
お金の教育は、子供への最高のプレゼントです。
※本記事は情報提供を目的としており、特定の金融商品の購入を推奨するものではありません。投資に関する最終決定は、ご自身の判断と責任において行ってください。