日本株に投資する際、「日経平均」と「TOPIX」のどちらを選ぶべきか迷う人は多い。
両者は算出方法・構成銘柄・特徴が大きく異なる。その違いと選び方を解説する。
基本情報の比較
| 項目 | 日経平均 | TOPIX |
|---|---|---|
| 正式名称 | 日経平均株価 | 東証株価指数 |
| 英語名 | Nikkei 225 | Tokyo Stock Price Index |
| 銘柄数 | 225銘柄 | 約1,700銘柄 |
| 算出元 | 日本経済新聞社 | 東京証券取引所 |
| 算出方法 | 株価平均型 | 時価総額加重型 |
| 対象 | 日経が選定した代表銘柄 | プライム市場のほぼ全銘柄 |
算出方法の違い
日経平均:株価平均型
日経平均は、225銘柄の「株価」を平均して算出する。
- 株価の高い銘柄(値がさ株)の影響が大きい
- ファーストリテイリングだけで約12%を占める
- 上位10銘柄で約41%
ユニクロの影響が大きいんですか?
その通りです。ファーストリテイリング(ユニクロ)は株価が高いため、日経平均の約12%を占めています。ユニクロが5%上昇すると、日経平均は約0.6%動くほどの影響力があります。
TOPIX:時価総額加重型
TOPIXは、銘柄の「時価総額」で加重して算出する。
- 時価総額の大きい銘柄の影響が大きい
- トヨタ自動車でも約3.8%程度
- 上位10銘柄で約21%と分散
- より市場全体の動きを反映
構成銘柄の比較
日経平均の上位銘柄
| 順位 | 銘柄 | 比率 |
|---|---|---|
| 1 | ファーストリテイリング | 約12% |
| 2 | 東京エレクトロン | 約8% |
| 3 | アドバンテスト | 約5% |
| 4 | ソフトバンクグループ | 約4% |
| 5 | KDDI | 約3% |
TOPIXの上位銘柄
| 順位 | 銘柄 | 比率 |
|---|---|---|
| 1 | トヨタ自動車 | 約3.8% |
| 2 | 三菱UFJ FG | 約2.5% |
| 3 | ソニーグループ | 約2% |
| 4 | 日立製作所 | 約2% |
| 5 | キーエンス | 約2% |
TOPIXの方が分散が効いていることがわかる。
パフォーマンス比較
近年のリターン
近年は日経平均がTOPIXを上回る傾向がある。
これは、日経平均に大きな影響を与える値がさ株(半導体関連等)が好調だったため。
長期のリターン
長期的にも日経平均がやや優位だが、年によって逆転することもある。
過去のパフォーマンスは将来を保証しない。日経平均が上回る局面もあれば、TOPIXが上回る局面もある。
TOPIXの変化(2025年〜2028年)
TOPIXは銘柄数の絞り込みを進めている。
| 時期 | 銘柄数 |
|---|---|
| 旧東証1部時代 | 約2,200銘柄 |
| 2025年1月末 | 約1,700銘柄 |
| 2028年7月目標 | 約1,200銘柄 |
基準を満たさない銘柄を順次除外し、指数の質を高める方針。
どちらを選ぶべきか
| タイプ | おすすめ |
|---|---|
| 日本の優良企業に集中投資したい | 日経平均 |
| 日本市場全体に分散投資したい | TOPIX |
| 高めのリターンを狙いたい | 日経平均 |
| リスクを抑えたい | TOPIX |
| ニュースで馴染みのある指数がいい | 日経平均 |
| GPIFと同じベンチマークがいい | TOPIX |
結局、どちらがいいんですか?
どちらが優れているというわけではありません。投資哲学やリスク許容度で選ぶべきです。日本のエース企業に集中したいなら日経平均、市場全体に分散したいならTOPIXです。
投資方法
投資信託
| 指数 | 投資信託例 |
|---|---|
| 日経平均 | eMAXIS Slim国内株式(日経平均)、ニッセイ日経225 |
| TOPIX | eMAXIS Slim国内株式(TOPIX)、ニッセイTOPIX |
ETF
| 指数 | ETF例 |
|---|---|
| 日経平均 | 1329(iシェアーズ・コア日経225) |
| TOPIX | 1306(NEXT FUNDS TOPIX) |
まとめ
日経平均とTOPIXは、日本株を代表する2つの指数だ。
- 日経平均:225銘柄、株価平均型、値がさ株の影響大
- TOPIX:約1,700銘柄、時価総額加重型、市場全体を反映
- 近年のパフォーマンスは日経平均優位
- 分散はTOPIXの方が効いている
- どちらを選んでも「正解」
自分の投資スタイルに合った指数を選ぼう。
よくある質問(記事のおさらい)
どちらでも問題ありません。ニュースで馴染みがある日経平均の方がわかりやすいかもしれませんが、分散を重視するならTOPIXがおすすめです。両方に投資する方法もあります。
日経平均は「株価平均型」で算出されるため、株価の高い銘柄(値がさ株)の影響が大きくなります。ファーストリテイリングは株価が高いため、1銘柄で約12%の影響力を持っています。
はい、eMAXIS Slimなどの投資信託はつみたて投資枠・成長投資枠の両方で購入可能です。ETF(1329、1306等)は成長投資枠で購入できます。
※本記事は情報提供を目的としており、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。投資判断は自己責任でお願いいたします。