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NISA口座の金融機関変更方法|手順・注意点・タイミングを解説
NISA・iDeCo

NISA口座の金融機関変更方法|手順・注意点・タイミングを解説

2025-12-16
2025-12-16 更新

NISA口座を別の証券会社に変更する方法を解説。必要な手続き、注意点、ベストなタイミング、保有資産の扱いまでわかりやすく紹介します。

「今使っている証券会社より、別の証券会社の方が良さそう」——NISA口座を開設した後で、こう思った方も多いのではないでしょうか。

結論から言うと、NISA口座の金融機関変更は可能です。ただし、いくつかの条件と注意点があります。

この記事では、NISA口座を変更する手順と注意点を解説します。

NISA口座の変更は可能

変更の条件

NISA口座の金融機関変更には、以下の条件があります。

条件 内容
買付の有無 その年にNISAで買付をしていないこと
変更時期 年1回のみ変更可能
手続き期間 前年10月1日〜当年9月30日に手続き
重要

その年に1円でもNISAで買付をしていると、その年は金融機関を変更できません。翌年分からの変更となります。

新NISAでも変更OK

2024年から始まった新NISAでも、金融機関変更は可能です。ルールは旧NISAと同様です。

変更手続きの流れ

NISA口座の金融機関変更は、以下の手順で行います。

手順 NISA口座の金融機関変更手順
1
現在の証券会社に連絡

現在NISA口座がある証券会社に連絡し、「勘定廃止通知書」または「非課税口座廃止通知書」を請求します。Webから請求できる証券会社もあります。

2
廃止通知書を受け取る

請求から約1〜2週間で、廃止通知書が届きます。郵送が一般的です。

3
新しい証券会社で口座開設申込

変更先の証券会社でNISA口座の開設申込を行います。同時に証券総合口座の開設も必要です(すでに持っている場合は不要)。

4
廃止通知書を提出

新しい証券会社に廃止通知書を提出します。郵送またはアップロードで提出します。

5
税務署の審査

税務署でNISA口座の重複がないか審査されます。約1〜2週間かかります。

6
変更完了

審査が完了すると、新しい証券会社でNISA口座が開設されます。積立設定などを行いましょう。

手続きのタイミング

ベストなタイミングは9〜12月

金融機関変更のベストなタイミングは、9〜12月です。

手続き時期 変更が適用される年
10月〜12月に手続き完了 翌年1月から新しい証券会社でNISA利用可能
1月〜9月に手続き開始 当年から変更可能(その年に買付していない場合)
青山(独立系FP)
青山(独立系FP)

翌年1月から新しい証券会社でNISAを使いたいなら、10〜11月に手続きを始めるのがおすすめです。年末は混み合うことがあります。

手続き期間の目安

手続き 期間
廃止通知書の請求〜到着 1〜2週間
新証券会社への提出〜審査完了 1〜2週間
合計 2〜4週間

変更時の注意点

注意点1:保有資産は移管できない

NISA口座を変更しても、保有している資産(株式や投資信託)は新しい証券会社に移管できません

資産の扱い 内容
旧証券会社の資産 そのまま非課税で保有継続
新証券会社 新規買付は新しい証券会社で
読者
読者

今持っているファンドはどうなるんですか?

青山
青山

旧証券会社のNISA口座で買った資産は、そのまま非課税で保有し続けられます。売却するまで非課税枠は使えますが、新規買付はできなくなります。気にならなければそのまま持ち続け、新しい証券会社で新規買付すればOKです。

注意点2:その年に買付していると変更できない

その年に1円でもNISAで買付をしていると、その年中は金融機関変更ができません

クレカ積立の罠

1月からクレカ積立を設定していると、1月1日に買付が行われ、その年は変更できなくなります。変更を予定しているなら、積立設定を早めに解除しておきましょう。

注意点3:非課税投資枠はリセットされない

金融機関を変更しても、その年に使った非課税投資枠はリセットされません

注意点4:2つの口座を持つことになる

変更すると、旧証券会社と新証券会社の両方に口座を持つことになります。管理が少し複雑になる点は理解しておきましょう。

主要証券会社の変更手続き

SBI証券から変更する場合

  1. SBI証券のWebサイトで「勘定廃止通知書」を請求
  2. 郵送で届く(約1週間)
  3. 変更先の証券会社に提出

楽天証券から変更する場合

  1. 楽天証券のWebサイトまたはカスタマーセンターで請求
  2. 郵送で届く(約1週間)
  3. 変更先の証券会社に提出

SBI証券や楽天証券へ変更する場合

  1. 現在の証券会社で廃止通知書を取得
  2. SBI証券・楽天証券のWebサイトからNISA口座開設申込
  3. 廃止通知書をアップロードまたは郵送
  4. 審査完了後、NISA口座開設

変更すべきかの判断基準

変更した方がいいケース

メリット
  • [クレカ積立](/news/posts/credit-card-tsumitate-guide/)の還元率が大きく違う
  • 投信保有ポイントの差が大きい
  • 今の証券会社の使い勝手が悪い
  • 手数料体系が不利
デメリット

変更しなくてもいいケース

メリット
デメリット
  • わずかなポイント差のため(年間数百円程度)
  • 今の証券会社に不満がない
  • 手続きが面倒に感じる
  • 旧口座の資産を売却したくない

よくある質問

Q
Q1. 旧証券会社の資産を売却して、新証券会社で買い直すべき?
A

一概には言えません。売却せずに保有し続けても非課税のまま運用できます。ただし、2つの口座を管理するのが面倒なら、売却して新証券会社で買い直すのも一つの選択です。売却時点で含み益があっても、NISA口座なので非課税です。

Q
Q2. 金融機関変更は何回でもできますか?
A

年1回までなら何度でも変更できます。ただし、頻繁に変更すると口座管理が複雑になるため、長く使える証券会社を選ぶことをおすすめします。

Q
Q3. 変更手続き中にNISAで買付できますか?
A

廃止通知書を請求した時点で、旧証券会社ではNISA買付ができなくなります。新証券会社で買付できるのは、審査完了後です。手続き期間中(2〜4週間)は買付できない期間が発生します。

まとめ

NISA口座の金融機関変更についてまとめます。

  • NISA口座の金融機関変更は可能
  • その年に買付していないことが条件
  • 変更は年1回のみ
  • 手続きは9〜12月がベスト
  • 保有資産は移管できない(旧口座で非課税保有継続)
  • 手続き期間は2〜4週間
  • クレカ積立の還元率や使い勝手で判断

証券会社選びに後悔があるなら、早めに変更手続きを検討しましょう。

※本記事は情報提供を目的としており、特定の金融商品の購入を推奨するものではありません。投資に関する最終決定は、ご自身の判断と責任において行ってください。