「新NISAを始めたいけど、月1万円しか投資に回せない」「少額だと意味がないのでは?」——そんな不安を抱えている方は多いのではないでしょうか。
結論から言うと、月1万円でも新NISAを始める価値は十分にあります。
この記事では、月1万円の積立投資がどれくらいの資産になるのか、シミュレーションを交えて解説します。
月1万円の積立投資、20年後はいくらになる?
年利別シミュレーション
月1万円を20年間積み立てた場合の資産額を、想定年利別にシミュレーションしてみました。
| 想定年利 | 20年後の資産 | 元本との差額 |
|---|---|---|
| 3% | 約328万円 | +88万円 |
| 5% | 約411万円 | +171万円 |
| 7% | 約521万円 | +281万円 |
※元本は240万円(1万円×12ヶ月×20年)
月1万円でも、20年続ければ400万円以上になるんですね!
そうなんです。複利の力は侮れません。特に投資期間が長くなるほど、その効果は大きくなります。
30年続けるとさらに差が開く
投資期間を30年に延ばすと、複利効果はさらに顕著になります。
| 想定年利 | 30年後の資産 | 元本との差額 |
|---|---|---|
| 3% | 約582万円 | +222万円 |
| 5% | 約832万円 | +472万円 |
| 7% | 約1,220万円 | +860万円 |
※元本は360万円(1万円×12ヶ月×30年)
年利5%で30年続ければ、元本360万円が約832万円に。利益だけで472万円です。
「月1万円は少なすぎる」は本当か?
実は多くの人が少額から始めている
新NISAの平均積立額は、メディアでは「月3万円」「月5万円」と報じられることが多いですが、実際には月1万円前後から始める人も少なくありません。
投資は金額の大小ではなく、始めることと続けることが最も重要です。月1万円でも、10年後、20年後には大きな差になります。
100円からでも投資できる
実は、投資信託は100円から購入できます。
| 証券会社 | 最低投資金額 |
|---|---|
| SBI証券 | 100円〜 |
| 楽天証券 | 100円〜 |
| マネックス証券 | 100円〜 |
| 松井証券 | 100円〜 |
「月1万円も出せない」という方は、まず月5,000円や月3,000円から始めて、余裕ができたら増額していく方法もあります。
少額投資のメリット
1. 投資に慣れることができる
いきなり大きな金額を投資するのは怖いんですが...
その感覚は正しいです。少額から始めることで、値動きに慣れ、投資の仕組みを実際に体験できます。いきなり大金を投じて、暴落に耐えられず売ってしまうよりずっといいですよ。
2. 複利効果を早くから享受できる
投資で最も重要なのは「時間」です。月1万円でも、早く始めれば始めるほど複利効果は大きくなります。
「お金が貯まったら始めよう」と思っている間にも、時間は過ぎていきます。少額でも今すぐ始める方が、将来の資産は大きくなる可能性が高いのです。
3. 収入が増えたら金額を上げればいい
月1万円で始めて、昇給やボーナスが入ったときに積立額を増やすことができます。最初から無理な金額を設定して続けられなくなるより、少額でも確実に続けることが大切です。
少額投資を成功させる3つのコツ
1. 自動積立を設定する
毎月手動で買い付けるのではなく、自動積立を設定しましょう。
- 銀行口座からの自動引き落とし
- クレジットカード積立
- 給料日直後に引き落とし設定
お金が口座に残っていると使ってしまいがちです。「先取り投資」の仕組みを作ることで、確実に積立を続けられます。
2. 低コストのインデックスファンドを選ぶ
少額投資では、コストの影響が相対的に大きくなります。信託報酬が低いファンドを選びましょう。
- eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー):信託報酬0.05775%
- eMAXIS Slim 米国株式(S&P500):信託報酬0.08140%
3. 途中で売らない
最も重要なのは、値下がりしても売らないこと。
ドルコスト平均法で積立投資をしている場合、値下がりは「安く買えるチャンス」です。むしろ長期的には、途中で下落があった方がリターンが向上することもあります。
過去のデータでは、全世界株式や米国株式に15年以上投資を続けた場合、どの時期に始めてもプラスのリターンになっています。ただし、これは将来を保証するものではありません。
月1万円投資の具体的なプラン
ステップ1:生活防衛資金を確認
投資を始める前に、生活防衛資金(生活費の3〜6ヶ月分)が確保できているか確認しましょう。
まだ貯まっていない場合は、月1万円のうち半分を貯金、半分を投資に回すという方法もあります。
ステップ2:NISA口座を開設
SBI証券または楽天証券でNISA口座を開設します。口座開設は無料で、スマホから申し込めます。
ステップ3:毎月1万円の積立設定
つみたて投資枠で、オルカンまたはS&P500の積立設定をします。
つみたて投資枠の対象銘柄から、eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)またはeMAXIS Slim 米国株式(S&P500)を選びます。
毎月の積立金額を1万円に設定します。証券会社によっては、日額や週額での設定も可能です。
銀行口座からの自動引き落とし、またはクレジットカード積立を選択します。クレジットカード積立はポイントが貯まるのでおすすめです。
給料日の翌日など、お金が口座にあるタイミングに設定すると確実です。
月1万円では足りない?金額を増やすタイミング
増額を検討するタイミング
- 昇給したとき
- ボーナスが入ったとき
- 固定費を見直して節約できたとき
- 副業収入が入るようになったとき
月1万円から始めて、どれくらいまで増やすのが理想ですか?
一般的には、手取り収入の10〜20%を投資に回せると理想的です。ただし、無理は禁物。生活に支障のない範囲で、徐々に増やしていきましょう。
つみたて投資枠の上限
新NISAのつみたて投資枠は年間120万円(月10万円)が上限です。
| 月額 | 年間投資額 |
|---|---|
| 1万円 | 12万円 |
| 3万円 | 36万円 |
| 5万円 | 60万円 |
| 10万円 | 120万円(上限) |
まずは月1万円から始めて、余裕ができたら徐々に増やしていくのが現実的なプランです。
まとめ
月1万円でも新NISAを始める価値は十分にあります。
- 月1万円×20年で約411万円(年利5%想定)
- 100円から投資できるので、さらに少額でもOK
- 大切なのは金額ではなく、早く始めて長く続けること
「もう少しお金が貯まったら」「もっと余裕ができたら」と待っている間にも、時間は過ぎていきます。少額でも今日から始めることが、将来の資産形成への第一歩です。
よくある質問
十分に意味があります。月1万円を年利5%で20年運用すると、元本240万円が約411万円になります。複利の力を活かすには、金額より「時間」が重要です。
はい、始められます。SBI証券や楽天証券では100円から投資信託を購入できます。少額でも始めて、余裕ができたら増額していく方法がおすすめです。
損ではありません。NISA枠を使い切ることより、無理なく続けられる金額で投資することの方が重要です。枠は余っても、使った分はしっかり非課税の恩恵を受けられます。
昇給したとき、ボーナスが入ったとき、固定費を節約できたときなどが増額のタイミングです。生活に支障のない範囲で、無理なく増やしていきましょう。
積立を一時停止することは可能です。ただし、すでに買った投資信託は売らずに持ち続けることをおすすめします。売却すると複利効果が途切れてしまいます。
※本記事は情報提供を目的としており、特定の金融商品の購入を推奨するものではありません。投資に関する最終決定は、ご自身の判断と責任において行ってください。