「新NISAを始めて2年。特に何もしなくていいですよね?」
——その考え、実は危険かもしれません。2026年で新NISAは3年目に突入しました。最初に設定したまま「放置」していると、気づかないうちに損をしている可能性があります。
この記事では、新NISA3年目に見直すべき7つのポイントを解説します。
なぜ3年目に見直しが必要なのか
「ほったらかし」の落とし穴
新NISAは「長期・積立・分散」が基本。だからといって、本当に何もしなくていいわけではありません。
3年目に見直すべき理由:
- 金融機関のサービス内容が変化している
- 新しいファンドが登場し、より低コストな選択肢がある
- 自分のライフステージが変わっている
- 市場環境の変化でリスクの取り方を再考すべき
でも、長期投資なら気にしなくていいのでは?
長期投資でも「放置」と「管理」は違います。年に1回程度のメンテナンスをすることで、長期的なリターンを最大化できます。車の定期点検と同じですね。
見直しポイント1:金融機関は最適か
ポイント還元率をチェック
証券会社のクレジットカード積立は、ポイント還元率が変更されることがあります。
| 証券会社 | カード | 還元率(2026年1月時点) |
|---|---|---|
| SBI証券 | 三井住友カード | 0.5〜3.0% |
| 楽天証券 | 楽天カード | 0.5〜1.0% |
| マネックス証券 | マネックスカード | 1.1% |
| auカブコム証券 | au PAYカード | 1.0% |
※還元率はカードのグレードや条件によって異なります
確認すべきこと:
- 現在のポイント還元率
- 他社に乗り換えた場合のメリット
- ポイントの使い道(再投資できるか)
NISA口座の金融機関変更
NISAの金融機関は年1回変更できます。ただし、変更には時間がかかるため、変更を検討するなら早めに動くことをおすすめします。
金融機関を変更すると、変更前に購入した商品は移管できません。旧金融機関のNISA口座で運用を継続することになります。頻繁な変更はおすすめしません。
見直しポイント2:投資先の偏りをチェック
「オルカン・S&P500一択」のリスク
ファイナンシャルプランナーの間では、「なんとなくオルカンを買っている人はリスクの見通しが甘い」という指摘があります。
オルカンの構成を確認:
- 米国株が約60%を占める
- 日本株は約5%程度
- 通貨は主にドル建て
分散投資になっているのでは?
国の数では分散されていますが、実質的には米国株の比重が非常に高いんです。S&P500は100%米国株。「分散している」と思っていても、米国経済が落ち込めば大きな影響を受けます。
2025年の振り返り
2025年を振り返ると、オルカンやS&P500よりも好成績だった資産クラスがあります:
- 金(ゴールド)ファンド
- AI関連株式ファンド
- 国内株式ファンド
- 新興国株式ファンド
「これが正解」ということではありませんが、米国株一辺倒ではなく、複数の資産に分散する意味を再確認するきっかけにはなるでしょう。
見直しポイント3:信託報酬を比較
同じ指数でも報酬が違う
インデックス投資では、信託報酬が長期リターンに大きく影響します。同じ指数に連動するファンドでも、信託報酬は異なります。
| ファンド例 | 信託報酬(税込) |
|---|---|
| eMAXIS Slim 全世界株式 | 0.05775% |
| 楽天・オールカントリー | 0.0561% |
| SBI・全世界株式 | 0.1102% |
※2026年1月時点の概算値
確認すべきこと:
- 現在保有しているファンドの信託報酬
- より低コストな代替ファンドがないか
- 乗り換えるメリットとコスト
NISA口座内のファンドを売却すると非課税枠を消費します。新規積立分から低コストファンドに切り替えるのが現実的です。
見直しポイント4:積立頻度の最適化
毎日・毎週・毎月の違い
積立頻度によるリターンの差は、長期的にはほとんどありません。
各頻度のメリット:
| 頻度 | メリット | デメリット |
|---|---|---|
| 毎月 | 管理がシンプル | 約定日の影響を受けやすい |
| 毎週 | 価格変動を平均化 | 管理がやや複雑 |
| 毎日 | 最も平均化される | 管理が複雑 |
結局どれがいいんですか?
正直、好みで選んで問題ありません。長期投資では頻度よりも「継続すること」の方が重要です。ただし、毎月の場合は約定日を分散させる(例:1日と15日に半額ずつ)工夫もあります。
見直しポイント5:成長投資枠の活用
年間240万円の枠を使い切れているか
新NISAには「つみたて投資枠」(年120万円)と「成長投資枠」(年240万円)があります。
成長投資枠の活用例:
- 個別株への投資
- 高配当株やETFへの投資
- アクティブファンドへの投資
- つみたて投資枠対象外のインデックスファンド
投資は余裕資金で行うもの。枠を使い切ることが目的ではありません。ただし、使える枠があるのに使っていない場合は、投資戦略を見直す余地があるということです。
見直しポイント6:年齢に合った資産配分
リスク許容度は変化する
2年前にNISAを始めた時と今では、あなたのリスク許容度は変わっているかもしれません。
リスク許容度が変わるきっかけ:
- 結婚、出産
- 住宅購入
- 転職、独立
- 親の介護
- 退職が近づいてきた
リスク許容度が下がったらどうすればいい?
新規の積立分から、より安定的な資産(債券ファンドやバランスファンドなど)の比率を増やすことを検討してください。既存の株式ファンドを売却する必要はありません。
年代別の目安
| 年代 | 株式比率の目安 | 考え方 |
|---|---|---|
| 20〜30代 | 80〜100% | 時間があるのでリスクを取れる |
| 40代 | 60〜80% | バランスを意識し始める |
| 50代 | 40〜60% | 安定性を高める |
| 60代以降 | 20〜40% | 取り崩しを見据える |
※あくまで目安。個人の状況によって異なります。
見直しポイント7:出口戦略を考える
いつ、どう取り崩すか
積立を始めることばかり考えて、「取り崩し方」を考えていない人が多いです。
出口戦略で決めておくこと:
- いつから取り崩しを始めるか
- 毎月いくら取り崩すか
- どのファンドから取り崩すか
まだ先の話では?
出口戦略は早めに考えておくことで、今の積立方法も変わることがあります。例えば、配当金を受け取りたいなら高配当株ファンドを検討する、といった具合です。
4%ルールという考え方
「4%ルール」とは、資産の4%を毎年取り崩しても、長期的に資産が減りにくいという理論です。
例:
- 資産2,000万円 × 4% = 年80万円(月約6.6万円)
- 資産3,000万円 × 4% = 年120万円(月10万円)
この目安を知っておくと、「いくら貯めればいいか」の目標が立てやすくなります。
メンテナンスの具体的な手順
年1回のチェックリスト
現在の資産額、保有ファンド、積立設定を確認します。証券会社のマイページで一覧化されています。
この記事で紹介した7つのポイントを順に確認します。特に問題がなければ、そのまま継続でOKです。
変更が必要な場合は、証券会社のサイトで設定を変更します。大きな変更は一度にせず、段階的に行うことをおすすめします。
チェックした日付と内容を記録しておきます。来年のメンテナンス時に比較できます。
まとめ
新NISA3年目のメンテナンスポイントをまとめます。
7つの見直しポイント:
- 金融機関のポイント還元率
- 投資先の偏り(米国株比率)
- 信託報酬の比較
- 積立頻度の最適化
- 成長投資枠の活用
- 年齢に合った資産配分
- 出口戦略の設計
メンテナンスの心構え:
- 年1回程度のチェックで十分
- 大きな変更は段階的に
- 「続けること」が最も重要
「放置」から「管理」へ。3年目は投資家として一段成長するタイミングです。
※本記事は情報提供を目的としており、特定の金融商品の購入を推奨するものではありません。
投資に関する最終決定は、ご自身の判断と責任において行ってください。
よくある質問
はい、年1回変更できます。ただし、変更手続きには時間がかかり、変更前の保有商品は移管できません。頻繁な変更はおすすめしません。
「危険」とまでは言えませんが、実質的に米国株の比率が高いことを理解しておく必要があります。リスク分散を強化したい場合は、日本株や債券ファンドを追加することも検討してください。
長期投資では大きな差はありません。管理のしやすさで選んで問題ありません。毎月の場合、約定日を2回に分けるという工夫もあります。
早いに越したことはありません。出口を意識することで、今の積立方法も変わることがあります。4%ルールを目安に、目標資産額を設定しておくと良いでしょう。