「つみたて投資枠と成長投資枠、どう違うの?」
「どっちを使えばいいの?両方使うべき?」
新NISAには「つみたて投資枠」と「成長投資枠」の2つがありますが、違いがよく分からない方も多いでしょう。
この記事では、両者の違いと賢い使い分け方を解説します。
つみたて投資枠と成長投資枠の違い
| 項目 | つみたて投資枠 | 成長投資枠 |
|---|---|---|
| 年間投資上限 | 120万円 | 240万円 |
| 生涯投資上限 | 1,800万円 | 1,200万円 |
| 投資対象商品 | 金融庁基準を満たす投資信託・ETF | 上場株式・投資信託・ETF・REIT等 |
| 購入方法 | 積立のみ | 積立・一括どちらも可 |
| 向いている人 | 初心者・コツコツ派 | 経験者・個別株派 |
- 併用可能:両方を同時に使え、年間最大360万円まで投資できる
- 生涯投資枠:合計1,800万円(うち成長投資枠は1,200万円まで)
- つみたて投資枠だけで1,800万円を埋めることも可能
つみたて投資枠とは
特徴
つみたて投資枠は、長期・積立・分散投資に適した商品に限定された投資枠です。
なぜ商品が限定されているんですか?
金融庁が「長期投資に適している」と認めた商品だけに絞っているからです。信託報酬が低く、分配金を出さずに再投資するタイプの投資信託が中心です。初心者でも変な商品を掴まされにくい設計になっています。
つみたて投資枠のメリット
- 金融庁の基準を満たした優良商品から選べる
- 毎月コツコツ積み立てるので、タイミングを考えなくていい
- ドルコスト平均法の効果で高値掴みを避けられる
- 投資信託なら100円から始められる
つみたて投資枠のデメリット
- 投資できる商品が約280本に限定される
- 一括投資ができない(まとまった資金があっても分割して積み立てる必要あり)
- 個別株やREITには投資できない
- ボーナス設定を使わないと年120万円を使い切りにくい
成長投資枠とは
特徴
成長投資枠は、より幅広い商品に投資できる枠です。個別株式にも投資でき、一括購入も可能です。
成長投資枠のメリット
- 個別株式に投資できる(日本株・米国株など)
- 一括投資ができる(ボーナスや退職金をまとめて投資可能)
- ETFやREITなど、つみたて投資枠にない商品も選べる
- 年間240万円と、つみたて投資枠の2倍の枠がある
成長投資枠のデメリット
- 一括購入の場合、売買タイミングを自分で判断する必要がある
- 生涯投資枠の上限が1,200万円(つみたて投資枠は1,800万円)
- 毎月分配型や信託期間20年未満など、一部商品は対象外
- 個別株は銘柄選びの知識が必要で、初心者には難しい
成長投資枠の方が自由度は高いけど、難しそうですね。
おっしゃる通りです。成長投資枠は「何を・いつ買うか」を自分で決める必要があります。投資経験がある方や、個別株に興味がある方向けですね。
どっちを優先すべき?
結論:迷ったら「つみたて投資枠」優先
投資初心者や、何を買えばいいか分からない方は、まずつみたて投資枠から始めましょう。
こんな人は成長投資枠も活用
| こんな人 | 成長投資枠の使い方 |
|---|---|
| まとまった資金がある | 一括投資で早く運用開始 |
| 個別株に興味がある | 日本株・米国株への投資 |
| 高配当株で配当金が欲しい | 配当銘柄への投資 |
| 年120万円以上投資したい | つみたて枠+成長枠で年360万円 |
おすすめの使い分けパターン
パターン1:つみたて投資枠だけ(初心者向け)
| 枠 | 商品例 | 月額 |
|---|---|---|
| つみたて投資枠 | オルカン or S&P500 | 月10万円 |
| 成長投資枠 | 使わない | - |
| 年間投資額 | 120万円 |
シンプルに1本で運用したい初心者におすすめ。
パターン2:両方を投資信託で埋める(中級者向け)
| 枠 | 商品例 | 月額 |
|---|---|---|
| つみたて投資枠 | オルカン | 月10万円 |
| 成長投資枠 | オルカン(同じ商品でOK) | 月20万円 |
| 年間投資額 | 360万円 |
年360万円を最速で埋めたい方向け。成長投資枠でも同じ投資信託を積み立てられます。
パターン3:投資信託+個別株(上級者向け)
| 枠 | 商品例 | 配分 |
|---|---|---|
| つみたて投資枠 | オルカン | 月10万円 |
| 成長投資枠 | 日本の高配当株 | 月10万円 |
| 年間投資額 | 240万円 |
インデックス投資をベースに、個別株も楽しみたい方向け。
よくある質問
必ずしも両方使う必要はありません。つみたて投資枠だけで1,800万円の枠を使い切ることも可能です。年120万円以上投資したい場合や、個別株に投資したい場合は成長投資枠も活用しましょう。
問題ありません。成長投資枠でもオルカンやS&P500などの投資信託を買えます。つみたて投資枠と同じ商品を成長投資枠でも積み立てている方は多いです。
変更可能です。最初はつみたて投資枠だけを使い、慣れてきたら成長投資枠も活用する、という進め方で問題ありません。
埋められません。成長投資枠の上限は1,200万円です。1,800万円をフルに使うには、つみたて投資枠の活用が必要です。
まとめ
新NISAの「つみたて投資枠」と「成長投資枠」は、目的と投資スタイルに応じて使い分けるのがポイントです。
- つみたて投資枠:年120万円、金融庁基準の投信のみ、積立のみ
- 成長投資枠:年240万円、個別株も可、一括投資も可
- 初心者はつみたて投資枠から始めるのがおすすめ
- 両枠で同じ投資信託を買ってもOK
- 1,800万円フル活用にはつみたて投資枠が必要
※本記事は情報提供を目的としており、特定の金融商品の購入を推奨するものではありません。投資に関する最終決定は、ご自身の判断と責任において行ってください。