「新NISAとiDeCo、どっちから始めればいいの?」
資産形成を始めようとすると、必ずぶつかるこの疑問。結論から言えば、年収と年齢によって最適な優先順位は変わります。
この記事では、年収別のシミュレーションを交えながら、あなたに合った選び方を解説します。
新NISAとiDeCoの根本的な違い
まず、両制度の違いを整理しておきましょう。
| 項目 | 新NISA | iDeCo |
|---|---|---|
| 年間投資上限 | 360万円 | 14.4万〜81.6万円 |
| 非課税期間 | 無期限 | 運用中ずっと |
| 引き出し | いつでも可能 | 原則60歳まで不可 |
| 所得控除 | なし | 掛金全額が控除対象 |
| 生涯投資枠 | 1,800万円 | なし |
新NISAは運用益が非課税になるだけですが、iDeCoは掛金が所得控除になるため、毎年の所得税・住民税が安くなります。ただし、60歳まで引き出せないという制約があります。
年収別:iDeCoの節税効果はどれくらい?
iDeCoの最大の魅力は所得控除です。年収が高いほど節税効果は大きくなります。
会社員が月2万円(年24万円)をiDeCoに拠出した場合
| 年収 | 所得税率 | 年間節税額 | 30年間の節税総額 |
|---|---|---|---|
| 300万円 | 5% | 約2.4万円 | 約72万円 |
| 500万円 | 10% | 約3.6万円 | 約108万円 |
| 700万円 | 20% | 約4.8万円 | 約144万円 |
| 1,000万円 | 23% | 約5.5万円 | 約165万円 |
※住民税10%を含む概算
年収700万円だと、30年で144万円も節税できるんですね。これは大きい…!
そうなんです。ただし、iDeCoは60歳まで引き出せないので、「使えないお金」になる点は注意が必要です。
年収別・優先順位の判断基準
年収400万円以下の場合
新NISAを優先するのがおすすめです。
理由:
- 所得税率が低く、iDeCoの節税メリットが限定的
- 20〜30代は結婚・住宅購入などライフイベントが多い
- いつでも引き出せる新NISAの方が柔軟に対応できる
所得がない場合、iDeCoに拠出しても所得控除の恩恵を受けられません。新NISA一択で問題ありません。
年収500〜700万円の場合
投資に回せる金額によって判断が分かれます。
月3万円以下の場合:新NISAを優先
月5万円以上の場合:iDeCo上限(2.3万円)+ 残りを新NISA
この年収帯が最も悩ましいところです。iDeCoの節税効果は確かにありますが、60歳まで資金が拘束されるリスクとのバランスを考える必要があります。
年収800万円以上の場合
iDeCoを優先的に活用する価値があります。
理由:
- 所得税率20%以上で節税効果が大きい
- 高収入層は生活防衛資金も確保しやすい
- 老後資金の土台として確実に積み立てられる
推奨配分例(月10万円投資できる場合):
- iDeCo:2.3万円(上限)
- 新NISA:7.7万円
年代別の考え方
20〜30代:新NISAを優先
- 運用期間が長く複利効果を最大化できる
- ライフイベントに備えて流動性を確保
- 転職・独立など収入変動にも対応しやすい
- iDeCoの節税メリットを逃す可能性
- 60歳まで待てば確実に受け取れる安心感がない
40〜50代:iDeCoの比重を上げる
この年代になると、受取までの期間が短くなり、iDeCoのデメリット(資金拘束)が軽減されます。
40歳から始めても20年間の運用期間があります。年収700万円で月2万円拠出すれば、節税だけで約96万円。運用益と合わせれば、老後資金の強力な柱になります。
2025年の制度改正で知っておくべきこと
iDeCoの拠出上限が拡大
2024年12月から、企業型確定拠出年金(企業型DC)や確定給付企業年金(DB)に加入している会社員のiDeCo拠出上限が、月1.2万円から月2万円に引き上げられました。
退職所得控除の改正に注意
2025年度税制改正により、退職金とiDeCo一時金の退職所得控除「重複排除」の対象期間が5年から10年に拡大されます。退職金とiDeCoの受取タイミングは、税理士などに相談して計画的に決めましょう。
結論:迷ったらこう選ぶ
新NISAに全額投入がおすすめ。流動性を確保しつつ、非課税で運用できます。
iDeCo上限(2.3万円)+ 残りを新NISAのハイブリッド運用がベスト。節税効果と流動性のバランスが取れます。
新NISA一択。所得控除の恩恵がほとんどないため、iDeCoのメリットが薄いです。
まとめ
- 新NISAは「いつでも引き出せる」、iDeCoは「所得控除で節税」が最大の違い
- 年収が高いほどiDeCoの節税効果は大きい
- 20〜30代やライフイベントを控えている人は新NISA優先
- 40代以降で年収が安定していればiDeCoの比重を上げる価値あり
- 月5万円以上投資できるなら、両方の併用がベスト
どちらか一方を選ぶ必要はありません。自分の年収・年齢・ライフプランに合わせて、両制度を賢く使い分けていきましょう。
※本記事は情報提供を目的としており、特定の金融商品の購入を推奨するものではありません。投資に関する最終決定は、ご自身の判断と責任において行ってください。