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Palantirとは|CIAも採用するAI・ビッグデータ企業、時価総額4,300億ドルの謎に迫る
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Palantirとは|CIAも採用するAI・ビッグデータ企業、時価総額4,300億ドルの謎に迫る

2025-12-28
2025-12-28 更新

ピーター・ティールが創業したAI・ビッグデータ企業Palantir。CIAや米軍と取引、時価総額4,300億ドル。2024年S&P500採用で株価急騰した同社を解説。

「謎のAI企業」として知られるPalantir Technologies。

CIAや米軍との取引で知られ、2024年にはS&P500・NASDAQ100に採用されて株価が急騰した。その実態と投資家が知るべきポイントを解説する。

Palantirの基本情報

Palantir(パランティア)は、ビッグデータ分析プラットフォームを専門とする米国企業だ。

項目 内容
正式名称 Palantir Technologies Inc.
設立 2003年
本社 米国コロラド州デンバー
CEO アレックス・カープ
創業者 ピーター・ティール他
上場市場 NASDAQ(ティッカー:PLTR)
時価総額 約4,300億ドル(約65兆円)
読者
読者

ピーター・ティールって、あのPayPalの創業者ですか?

黒澤(株式アナリスト)
黒澤(株式アナリスト)

その通りです。PayPal共同創業者であり、Facebook初の外部投資家としても知られる著名投資家です。9.11同時多発テロ後のテロ対策支援のため、Palantirを創業しました。

設立の経緯

Palantirは、2001年の米同時多発テロ後に設立された。

テロ対策支援のため、米諜報機関向けにビッグデータ解析ソフトウェアの構築を始めたことが事業の発端だ。社名の「Palantir」は、J.R.R.トールキンの『指輪物語』に登場する「見る石」に由来する。

主力製品

Palantirは4つの主要プラットフォームを展開している。

1. Gotham(政府向け)

軍やテロ対策アナリストが使用する情報分析ツール。

主な顧客
  • CIA(中央情報局)
  • 米国防総省
  • 各国の情報機関

2008年にリリースされた最初のプラットフォームで、テロリストの追跡や軍事作戦の支援に使用されている。

2. Foundry(企業向け)

商業課題に対処するためのデータ分析プラットフォーム。

2016年にリリースされ、製造業、金融、ヘルスケアなど様々な業界で活用されている。

3. Apollo

クラウド環境でのソフトウェア運用を支援するプラットフォーム。2021年に展開開始。

4. AIP(AI Platform)

2023年にリリースされた、AIを活用した業務支援プラットフォーム

生成AIを企業の既存システムに統合し、ビジネスプロセスを自動化する。現在、最も成長している分野。

業績と主要契約

業績推移

指標 2024年
顧客数 711社・団体
収益成長率 前年比20%超
株価(S&P500最高) 予想売上高の85倍

大型契約

時期 内容
2024年11月 米海軍と約10億ドルの契約
2025年 米陸軍と最大100億ドル(10年間)の契約

米陸軍との契約は、75の個別契約を1つに統合する大規模なものだ。

株価の急騰と論争

S&P500・NASDAQ100採用

2024年、PalantirはS&P500とNASDAQ100の両方に採用された。

これにより株価は急騰し、時価総額は4,000億ドルを超えた。

割高論争

一方で、The Economistは Palantirを「史上最も過大評価された企業」と評した。

バリュエーション
  • 時価総額4,300億ドルは2024年の収益の600倍以上
  • S&P500で最も高いPER(予想売上高の85倍)
  • 成長期待が株価を押し上げている状況

日本での展開

Palantirは日本市場にも進出している。

時期 内容
2019年11月 SOMPOと共同で日本法人設立
2020年11月 富士通が5,000万ドル出資
2023年12月 富士通がStrategic Alliance Partnerに

富士通との提携により、日本市場だけでなく北米・欧州・APACへも事業領域を拡大している。

投資家が注目すべきポイント

強み

  1. 政府との強固な関係:CIAや米軍との長期契約
  2. AIPの成長:AI活用プラットフォームが急拡大
  3. 競合障壁:機密情報を扱うため参入障壁が高い

リスク

  1. 割高なバリュエーション:PERが極めて高い
  2. 政府依存:政府予算の変動に影響される
  3. 地政学リスク:政治的な変化の影響を受けやすい
読者
読者

投資するには怖い株価水準ですね…

黒澤
黒澤

確かに割高感は否めません。ただ、AI活用が進む中で政府・企業両方からの需要は拡大しています。長期目線で、成長が続くかどうかを見極める必要があります。

日本での投資方法

方法 特徴
米国株直接購入 SBI証券、楽天証券等で購入可能
投資信託 NASDAQ100連動型に含まれる
ETF QQQ等で間接投資

まとめ

Palantirは、政府系ビッグデータ分析で成長を続けるAI企業だ。

  • ピーター・ティールが9.11後に創業
  • CIA、米軍など政府機関が主要顧客
  • AI活用プラットフォーム「AIP」が急成長
  • 2024年S&P500・NASDAQ100に採用で株価急騰
  • 割高なバリュエーションが論争に

成長期待は高いが、高いバリュエーションにはリスクも伴う。投資判断は慎重に行うべき銘柄だ。

よくある質問(記事のおさらい)

Q
Q1. Palantirは何の会社ですか?
A

Palantirは、ビッグデータ分析プラットフォームを提供する米国企業です。政府機関向けの「Gotham」、企業向けの「Foundry」、AI活用支援の「AIP」などのプラットフォームを展開しています。

Q
Q2. なぜ「謎の企業」と呼ばれるのですか?
A

CIAや米軍など情報機関との取引が多く、機密性の高い業務を扱っているためです。創業者ピーター・ティールの存在や、テロ対策を発端とした設立経緯も神秘性を高めています。

Q
Q3. 日本からPalantirに投資できますか?
A

はい、SBI証券や楽天証券などで米国株として購入できます。また、2024年にNASDAQ100に採用されたため、NASDAQ100連動型の投資信託やETF(QQQ等)を通じた投資も可能です。


※本記事は情報提供を目的としており、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。投資判断は自己責任でお願いいたします。