Palantir Technologies（PLTR）が、AI株の象徴的存在として注目を集めている。
2025年の株価上昇率は147%に達し、2023年（+167%）、2024年（+341%）に続く3年連続の大幅上昇を記録。しかし、その評価額は歴史的な高水準にあり、リスクも指摘されている。
驚異的なパフォーマンス
Palantirの株価は、12月下旬時点で約194ドル。年初来の上昇率は約147%に達する。
| 年 | 株価上昇率 |
|---|---|
| 2023年 | +167% |
| 2024年 | +341% |
| 2025年 | +147% |
直近では、1週間で5.5%、1ヶ月で24.9%上昇しており、勢いは衰えていない。
業績も好調
株価上昇の背景には、実際の業績好調がある。
- 売上高：約12億ドル（前年比63%増）
- 米国売上：前年比77%増
- 米国商業売上：3.97億ドル（前年比121%増）
- 通期売上見通し：43.96〜44.00億ドルに上方修正
なぜこんなに成長しているんですか？
Palantirの「Artificial Intelligence Platform（AIP）」が企業のAI活用を支援し、急成長しています。生成AIとオペレーショナルデータを統合し、業務ワークフローに組み込むサービスが好評です。
歴史的な高評価
しかし、株価の評価水準は歴史的な高さだ。
PSR（株価売上高倍率）は約126倍、PER（株価収益率）は約254倍に達している。参考までに、S&P500の平均PERは約28倍だ。
DCF（割引キャッシュフロー）モデルによる試算では、Palantirの適正株価は約79.19ドル。現在の株価194ドルは、約144%割高という計算になる。
個人投資家 vs 機関投資家
興味深いのは、投資家層による見方の違いだ。
個人投資家：熱狂的な買い
個人投資家は2025年にPalantir株を約80億ドル（約1.2兆円）購入した。これは前年比80%以上の増加であり、2023年からは400%以上増加している。
機関投資家：慎重姿勢
一方、D.A. Davidsonなどのアナリストは「高評価のため機関投資家には投資対象外」と指摘。アナリストの多くはホールドまたは売り推奨を維持しており、買い推奨は限定的だ。
アナリストの目標株価の中央値は約200ドル（現在価格から約6%上）だが、上値余地は限定的との見方が多い。
2026年の見通し
2026年もPalantirは上がり続けますか？
意見が分かれています。一部のアナリストは「2026年は調整局面になる」と予測しています。株価が急騰しすぎたため、利益確定売りや期待と実績のギャップで下落するリスクがあります。
- AI需要は構造的に成長継続
- 政府契約（海軍ShipOS等）が安定収益源
- 企業のAI導入拡大で商業売上が急成長
- バリュエーションは歴史的高水準
- 機関投資家の買いが入りにくい
- 期待を下回る決算で急落リスク
投資判断のポイント
Palantirへの投資を検討する際は、以下の点を考慮すべきだ。
- 高評価株特有のリスク（期待外れで急落）を許容できるか
- ポートフォリオ全体における比率を適切に管理できるか
- 長期保有を前提としているか（短期売買は難易度が高い）
- AI市場全体への投資（ETF等）と比較検討したか
まとめ
- Palantirは2025年に147%上昇、3年連続の大幅高
- 売上高は前年比63%増、米国商業売上は121%増と好調
- PSR126倍、PER254倍と歴史的高評価
- 個人投資家は80億ドル購入も、機関投資家は慎重
- 2026年は調整リスクを指摘する声も
よくある質問
業績は好調ですが、バリュエーション（評価額）は歴史的高水準です。DCF試算では144%割高との分析もあります。投資する場合はポートフォリオの一部に限定し、リスク管理を徹底しましょう。
機関投資家は厳格なバリュエーション基準を持っており、PSR126倍、PER254倍は「投資対象外」となるケースが多いです。一方、個人投資家はAI成長ストーリーへの期待から積極的に買いを入れています。
個別銘柄のリスクを避けたい場合、AIQ（Global X AI & Technology ETF）やBOTZ（Global X Robotics & AI ETF）などのAI関連ETFを活用する方法があります。分散投資で個別銘柄リスクを軽減できます。
※本記事は情報提供を目的としており、特定の金融商品の購入を推奨するものではありません。
投資に関する最終決定は、ご自身の判断と責任において行ってください。
