「自分はどれくらいリスクを取れるんだろう?」
投資を始める前に、自分のリスク許容度を知ることが非常に重要です。リスク許容度に合わない投資をすると、暴落時にパニック売りしてしまう原因になります。
この記事では、リスク許容度の診断方法と、あなたに合った投資スタイルを解説します。
リスク許容度とは
定義
リスク許容度とは、投資でどれだけの損失に耐えられるかを表す度合いです。
| リスク許容度 | 許容できる下落幅 | 株式比率の目安 |
|---|---|---|
| 保守型 | -10〜20% | 30〜50% |
| バランス型 | -20〜30% | 50〜70% |
| 積極型 | -30〜50% | 70〜100% |
なぜ重要か
リスク許容度を超えた投資をすると、暴落時に恐怖でパニック売りしてしまいます。暴落時に売ると、その後の回復で得られるはずだった利益を逃してしまいます。
リスク許容度を決める5つの要素
要素1:年齢
| 年齢 | リスク許容度 | 理由 |
|---|---|---|
| 20〜30代 | 高い | 回復を待つ時間がある |
| 40〜50代 | 中程度 | 退職まで時間がある |
| 60代以降 | 低い | 回復を待てない |
要素2:収入の安定性
| 収入タイプ | リスク許容度 |
|---|---|
| 公務員・大企業正社員 | 高い |
| 中小企業正社員 | 中程度 |
| 自営業・フリーランス | 低め |
| 無職・専業主婦 | 低い |
要素3:投資期間
| 投資期間 | リスク許容度 |
|---|---|
| 20年以上 | 高い |
| 10〜20年 | 中程度 |
| 5〜10年 | 低め |
| 5年未満 | 低い |
要素4:性格・メンタル
性格やメンタルの強さも重要です。数字上はリスクを取れる状況でも、「夜眠れなくなる」「値動きが気になって仕事に集中できない」なら、リスクを下げるべきです。
要素5:資産額
| 資産額(投資可能額) | リスク許容度 |
|---|---|
| 1,000万円以上 | 高い(分散可能) |
| 300〜1,000万円 | 中程度 |
| 100〜300万円 | 低め |
| 100万円未満 | 低い(まず貯蓄優先) |
リスク許容度診断
5つの質問に答えてみよう
以下の質問に「はい」「いいえ」で答えてください。
Q1. 投資期間は10年以上を想定している
- はい → +1点
- いいえ → 0点
Q2. 現在の収入は安定している
- はい → +1点
- いいえ → 0点
Q3. 生活防衛資金(生活費6ヶ月分)を確保している
- はい → +1点
- いいえ → 0点
Q4. 資産が一時的に30%下落しても、売らずに持ち続けられる
- はい → +1点
- いいえ → 0点
Q5. 投資のことを毎日チェックしなくても平気
- はい → +1点
- いいえ → 0点
診断結果
| 合計点 | タイプ | おすすめの株式比率 |
|---|---|---|
| 0〜1点 | 保守型 | 30〜50% |
| 2〜3点 | バランス型 | 50〜70% |
| 4〜5点 | 積極型 | 70〜100% |
タイプ別のポートフォリオ例
保守型(株式30〜50%)
| 資産クラス | 配分 |
|---|---|
| 全世界株式 | 40% |
| 国内債券 | 40% |
| 現金 | 20% |
バランス型(株式50〜70%)
| 資産クラス | 配分 |
|---|---|
| 全世界株式 | 60% |
| 国内債券 | 25% |
| 現金 | 15% |
積極型(株式70〜100%)
| 資産クラス | 配分 |
|---|---|
| 全世界株式 | 80% |
| 国内債券 | 10% |
| 現金 | 10% |
若いから株式100%でも大丈夫ですか?
数字上は問題ありませんが、初めての投資なら70〜80%から始めることをおすすめします。暴落を一度経験してから、株式比率を上げても遅くありません。
リスク許容度と付き合う方法
ルール1:暴落前に決める
暴落が起きてから考えるのでは遅いです。平常時にリスク許容度を決めて、その配分を守りましょう。
ルール2:迷ったら保守的に
リスク許容度が分からない場合は、保守的な配分から始めるのがおすすめです。徐々に株式比率を上げていけます。
ルール3:定期的に見直す
ライフステージの変化(結婚、出産、転職など)に合わせて、リスク許容度も見直しましょう。
よくある質問
変わります。年齢が上がると下がる傾向がありますし、資産が増えると上がることもあります。年に1回程度見直すのがおすすめです。
人によります。暴落を乗り越えて「意外と大丈夫だった」と思う人もいれば、「二度と経験したくない」と思う人もいます。
夫婦それぞれの口座で、それぞれのリスク許容度に合った運用をするのがおすすめです。お互いの投資方針を尊重しましょう。
まとめ
リスク許容度の診断方法をまとめます。
- リスク許容度はどれだけの損失に耐えられるか
- 年齢、収入、投資期間、性格、資産額で決まる
- 保守型は株式30〜50%、バランス型は50〜70%、積極型は70〜100%
- 暴落前に決めておくことが重要
- 迷ったら保守的に
- 定期的に見直す
自分のリスク許容度を知って、長く続けられる投資を始めましょう。
※本記事は情報提供を目的としており、特定の金融商品の購入を推奨するものではありません。投資に関する最終決定は、ご自身の判断と責任において行ってください。