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半導体株、明暗分かれた2024年|2026年の注目ポイント
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半導体株、明暗分かれた2024年|2026年の注目ポイント

2025-12-23
2025-12-23 更新

2024年の日本半導体株は銘柄によって明暗が分かれました。アドバンテストは91%高、レーザーテックは59%安。2026年の注目ポイントを解説します。

2024年の日本株市場で、最も明暗が分かれたのが半導体関連株でした。

同じ「半導体株」というカテゴリーでも、90%以上上昇した銘柄と60%近く下落した銘柄があります。

なぜこれほど差がついたのか、そして2026年はどうなるのかを解説します。

2024年の半導体株 騰落ランキング

上昇した銘柄

銘柄 2024年騰落率 主な要因
アドバンテスト +91.7% AI向け半導体テスト需要
ソフトバンクG +46.0% 子会社Arm株の上昇
ディスコ +30%程度 半導体製造装置好調

下落した銘柄

銘柄 2024年騰落率 主な要因
レーザーテック -59.2% 空売りファンドの標的
信越化学工業 -10.5% シリコンウェハー需要低迷
東京エレクトロン -4.2% 下半期に失速
読者
読者

同じ半導体株なのに、なぜこんなに差がついたんですか?

青山(専門家)
青山(専門家)

「半導体」と一口に言っても、事業内容は様々です。AI向けに強い企業は恩恵を受け、そうでない企業は苦戦しました。

上昇・下落の理由を分析

アドバンテストが+91%上昇した理由

アドバンテストは、半導体の「テスト(検査)装置」を製造する企業です。

アドバンテストの強み
  • AI向け半導体(GPU)のテスト需要が急増
  • NVIDIAなど大手顧客との取引
  • 競合が少なく、高いシェアを維持

ChatGPTの登場以降、AI向け半導体の需要が爆発的に増加。その製造に欠かせないテスト装置を手がけるアドバンテストは、まさに「AI銘柄」として買われました。

レーザーテックが-59%急落した理由

一方、レーザーテックは空売りファンドの標的となり、株価が急落しました。

2024年、米国の空売りファンドがレーザーテックに対するレポートを発表。不正会計の疑惑などが指摘され、株価は大きく下落しました。

読者
読者

空売りファンドって何ですか?

青山
青山

株価が下がると利益が出る「空売り」をして、その後にネガティブな情報を発表する投資ファンドです。狙われた銘柄は急落することがあります。

東京エレクトロンが失速した理由

2023年に94%上昇した東京エレクトロンは、2024年は-4%と失速しました。

主な要因:

  • 台湾有事リスクへの懸念(トランプ氏の発言)
  • オランダASMLの2025年見通し悪化
  • 半導体製造装置の需要サイクル
半導体サイクルとは

半導体産業には「シリコンサイクル」と呼ばれる需要の波があり、約3〜4年周期で好況・不況を繰り返します。2024年後半は調整局面に入った可能性があります。

2026年の半導体株 注目ポイント

1. AI投資は継続するか

半導体株の行方を左右するのは、AI向け投資の継続性です。

メリット
  • 生成AIの普及は始まったばかり
  • データセンター投資は引き続き活発
  • Microsoft、Google、Amazonなど大手のAI投資継続
デメリット
  • AI投資の「期待先行」感も
  • 収益化の遅れで投資が減速する可能性
  • バブル崩壊リスク

2. 政府の支援策

日本政府は2030年度までに10兆円以上の半導体支援を計画しています。

分野 支援規模
次世代半導体(研究開発) 約6兆円
金融支援(出資・債務保証) 約4兆円以上
従来型半導体支援 約9,900億円

ラピダス(次世代半導体製造)など、国策銘柄への期待も高まっています。

3. 地政学リスク

半導体産業は、地政学リスクの影響を受けやすい分野です。

  • 台湾リスク:TSMCが集中する台湾の地政学的緊張
  • 米中対立:輸出規制の影響
  • トランプ政権の政策:関税や貿易政策の変更
青山
青山

半導体は成長産業ですが、地政学リスクは常に意識しておく必要があります。分散投資を心がけましょう。

2026年、個別株は買いか?

初心者はインデックスが無難

半導体株は値動きが大きく、個別銘柄の選定が難しいのが現実です。

2024年の結果を見ても、「半導体株だから上がる」とは限りません。

初心者向けの選択肢
  • S&P500:米国半導体大手も含まれる
  • オルカン:世界分散で半導体もカバー
  • 半導体関連ETF:SOX連動など(上級者向け)

個別株に投資するなら

経験者で個別株に投資する場合は、以下を確認しましょう。

  1. 業績の安定性:売上・利益の推移
  2. AI向け比率:成長分野へのエクスポージャー
  3. バリュエーション:PER・PBRの水準
  4. 決算説明会:経営陣のコメント

まとめ

  • 2024年の半導体株は銘柄によって明暗が分かれた
  • アドバンテスト+91%、レーザーテック-59%と真逆の結果
  • AI向けに強い企業が恩恵を受けた
  • 2026年はAI投資の継続性・政府支援・地政学リスクに注目
  • 初心者は個別株よりインデックス投資が無難

よくある質問

Q
Q1. 2026年の半導体株は買いですか?
A

成長産業ですが、銘柄選定が難しいのが現実です。AI向けに強い企業は引き続き期待できますが、すでに株価に織り込まれている可能性もあります。初心者はインデックス投資が無難です。

Q
Q2. レーザーテックは底値買いのチャンスですか?
A

空売りファンドの影響で急落しましたが、業績自体は堅調という見方もあります。ただし、リスクが高いため、投資経験が浅い方にはおすすめしません。

Q
Q3. 半導体ETFはどうですか?
A

SOX指数に連動するETFなど、半導体セクター全体に投資する方法もあります。個別株よりは分散されますが、セクター集中のリスクがある点は理解しておきましょう。

※本記事は情報提供を目的としており、特定の金融商品の購入を推奨するものではありません。
投資に関する最終決定は、ご自身の判断と責任において行ってください。