「株を買うと商品券やお食事券がもらえる」——そんな話を聞いたことはありませんか?
株主優待は、企業が株主に対して自社製品や割引券などをプレゼントする制度です。2025年現在、1,654社以上の企業が株主優待を実施しています。
この記事では、株主優待のもらい方と、人気の優待銘柄を紹介します。
株主優待とは
株主優待とは、企業が一定数以上の株式を保有する株主に対して、自社製品やサービス、割引券などを提供する制度です。
| もらえるもの | 例 |
|---|---|
| 自社製品 | 食品、化粧品、日用品など |
| 割引券・優待券 | 飲食店、小売店、映画館など |
| 金券 | QUOカード、商品券 |
| カタログギフト | 好きな商品を選べる |
| その他 | 宿泊割引、航空券割引など |
配当金とは別にもらえるんですか?
はい。配当金とは別の「おまけ」のようなものです。配当金は現金でもらえますが、株主優待は商品やサービスでもらえます。両方もらえる銘柄もたくさんあります。
株主優待をもらうための条件
必要な株数
ほとんどの企業では、100株(1単元)以上の保有で株主優待がもらえます。保有株数によって優待内容がグレードアップする企業もあります。
| 保有株数 | 優待内容(例:飲食店) |
|---|---|
| 100株 | 3,000円分の食事券 |
| 500株 | 15,000円分の食事券 |
| 1,000株 | 30,000円分の食事券 |
権利確定日と権利付最終日
株主優待をもらうには、「権利確定日」に株主名簿に載っている必要があります。しかし、株を買ってから名簿に載るまで2営業日かかるため、「権利付最終日」までに株を買う必要があります。
- 権利付最終日:この日までに株を買えば優待がもらえる
- 権利落ち日:この日以降に買っても今回の優待はもらえない
- 権利確定日:株主名簿が確定する日(多くは月末)
2025年12月の権利確定日の例
| 権利確定日 | 権利付最終日 | 権利落ち日 |
|---|---|---|
| 12月31日(水) | 12月26日(金) | 12月27日(土) |
12月末に権利確定の銘柄は、12月26日(金)までに買えばOKです。週末を挟むので早めに動きましょう。
株主優待のメリット・デメリット
メリット
- 配当金とは別に「おまけ」がもらえる
- 日常生活で使える優待が多い
- 長期保有で優待内容がアップする銘柄も
- 株式投資の楽しみが増える
- 優待のために株価が高い銘柄を買うリスク
- 優待廃止・改悪のリスクがある
- 権利落ち後に株価が下がることがある
- 100株単位の購入が必要(まとまった資金が必要)
優待目的の投資は注意
優待が良い銘柄を買えばいいんですよね?
優待だけで判断するのは危険です。優待利回りが高くても、業績が悪ければ株価が下落してトータルで損することがあります。優待は「おまけ」として捉え、企業の業績や配当も確認しましょう。
人気の株主優待ジャンル
1. 飲食・食料品
外食チェーンやスーパー、食品メーカーの優待は根強い人気があります。
| 銘柄例 | 優待内容(100株) |
|---|---|
| すかいらーくHD | 食事券(年4,000円〜) |
| 吉野家HD | 食事券(年4,000円) |
| オリックス | カタログギフト |
| キリンHD | 自社製品詰め合わせ |
2. 買い物割引・商品券
日常の買い物で使える優待も人気です。
| 銘柄例 | 優待内容(100株) |
|---|---|
| イオン | 買い物3%キャッシュバック |
| ビックカメラ | 買い物優待券(年3,000円) |
| ヤマダHD | 買い物優待券(年1,500円〜) |
3. QUOカード・金券
使い勝手の良いQUOカードや商品券も人気があります。
少額から始められる優待銘柄
10万円以下で買える優待銘柄も多くあります。
| 銘柄 | 株価(目安) | 必要資金(100株) | 優待内容 |
|---|---|---|---|
| ヤマダHD | 約450円 | 約4.5万円 | 買い物優待券 |
| ビックカメラ | 約1,500円 | 約15万円 | 買い物優待券 |
株価は変動するため、購入前に最新の株価を確認してください。
株主優待の探し方
証券会社のサイトで検索
SBI証券、楽天証券、松井証券などでは、株主優待検索機能があります。
検索できる条件:
- 優待のカテゴリ(飲食、買い物、金券など)
- 権利確定月
- 必要投資金額
- 優待利回り
専門サイトを活用
「みんかぶ」「Yahoo!ファイナンス」などでは、人気ランキングや新設優待の情報が充実しています。
株主優待の注意点
1. 優待廃止・改悪リスク
企業の業績悪化などで、優待が廃止・改悪されることがあります。優待目的で買った銘柄が優待廃止になると、株価も下落しやすいです。
2. 権利落ち後の株価下落
権利付最終日の翌日(権利落ち日)には、優待・配当の分だけ株価が下落する傾向があります。短期売買目的の「優待タダ取り」は難しいです。
3. 優待利回りだけで判断しない
優待利回りが高くても、株価が下落し続ければトータルで損をします。配当利回りや業績も総合的に判断しましょう。
4. 単元未満株では優待がもらえない
単元未満株(1株単位の取引)では、基本的に株主優待はもらえません。優待を目的とするなら100株単位で購入しましょう。
株主優待と新NISA
新NISAの成長投資枠で購入した株式でも、株主優待はもらえます。配当金だけでなく優待も非課税のメリットを活かせます。
NISAで優待株を長期保有すれば、配当金は非課税、優待も毎年もらえる、というダブルのメリットがあります。
まとめ
株主優待の基本をまとめます。
- 株主優待は企業から株主へのプレゼント
- 権利付最終日までに100株買えばもらえる
- 飲食・買い物・金券など1,654社以上が実施
- 優待だけで判断せず、業績・配当も確認
- 新NISAの成長投資枠で非課税のまま優待もらえる
優待株投資は、投資の楽しみを広げてくれます。まずは身近な企業の優待から調べてみましょう。
よくある質問
権利確定日から2〜3ヶ月後に届くのが一般的です。例えば3月末権利確定なら、6月頃に届くことが多いです。届く時期は企業によって異なります。
株主優待は「雑所得」として課税対象になります。ただし、年間20万円以下の雑所得で他に確定申告が必要な収入がなければ、申告不要な場合が多いです。
ほとんどの企業は100株以上が条件です。ただし、一部の企業では1株から優待がもらえる「端株優待」を実施しています。上新電機などが有名です。
※本記事は情報提供を目的としており、特定の金融商品の購入を推奨するものではありません。投資に関する最終決定は、ご自身の判断と責任において行ってください。