「国策に売りなし」という投資格言があります。
政府が本腰を入れて支援する産業は、長期的に成長しやすいという意味です。そして今、AI・半導体分野がまさにその「国策」の中心にあります。
経済産業省がロボット向け国産AI開発に1兆円規模の支援を行い、ソフトバンクグループが新会社設立に関与する構想が浮上しています。
経産省の1兆円AI支援とは
ロボット向け国産AI開発を推進
経産省は、ロボット向け国産AI開発に対して1兆円規模の支援を行う計画を発表しました。
- 2026年度予算案に約3,000億円を計上予定
- ソフトバンクグループなどが新会社設立に関与する構想
- 日本独自のAI技術開発を目指す
なぜ今、国産AI開発なんですか?
現在、ChatGPTなど主要なAIは米国企業が開発しています。日本がAI分野で遅れを取らないよう、政府が本腰を入れて支援するという流れです。
政府のAI・半導体支援策の全体像
AI関連支援はロボット向けだけではありません。政府は2030年度までに10兆円以上の支援を計画しています。
| 分野 | 支援規模 |
|---|---|
| 次世代半導体(研究開発補助金) | 約6兆円 |
| 金融支援(出資・債務保証) | 約4兆円以上 |
| ロボット向け国産AI | 約1兆円 |
ソフトバンクグループのAI戦略
OpenAIとの深い関係
ソフトバンクグループは、AI分野で世界最先端の企業と積極的に連携しています。
- OpenAIへの出資:ChatGPTを開発する企業に大規模投資
- SBオープンAIジャパン設立(2025年2月):企業向けAIサービス「クリスタル・インテリジェンス」を開発
- 年間約4,500億円の投資:開発・運用費用としてOpenAIに支払い
米国への15兆円投資発表
2024年12月、孫正義会長はトランプ次期大統領と並んで会見し、米国への15兆円投資を発表しました。
AI関連インフラの「Stargate Project」など、大規模なAI投資を進める姿勢を鮮明にしています。
ソフトバンクGは日本じゃなくて米国に投資するんですか?
海外投資も多いですが、今回の国産AI開発支援では日本国内でも中心的な役割を担う可能性があります。グローバルと国内、両方でAI戦略を進めている形です。
ソフトバンクG株への影響
「国策に売りなし」は本当か
政府の支援を受ける企業の株価は、長期的に上昇しやすいとされています。過去の例では、
- 再生可能エネルギー関連企業
- 半導体製造装置メーカー
- 防衛関連企業
などが「国策銘柄」として注目され、株価が上昇しました。
ソフトバンクグループも、AI・半導体分野での国策支援の恩恵を受ける可能性があります。
投資判断のポイント
- 政府の大規模AI支援の恩恵を受ける可能性
- OpenAIとの連携でAI分野の最先端に位置
- 孫会長の積極的な投資姿勢
- 「Stargate Project」などグローバル展開
- AI投資の収益化時期は不透明
- 株価はすでに期待を織り込んでいる可能性
- 海外投資が多く為替リスクがある
- ビジョン・ファンドの投資先リスク
「国策銘柄」だからといって必ず上がるわけではありません。期待先行で株価が上がりすぎていないか、冷静に見極めることが大切です。
2026年の注目ポイント
具体的な進捗を見極める
AI関連の期待は高まっていますが、実際の収益につながるかはこれから。以下の点に注目しましょう。
- SBオープンAIジャパンの事業進捗:企業向けAIサービスの導入状況
- 国産AI新会社の設立発表:具体的な事業計画と収益見通し
- 決算でのAI関連収益:投資が利益に結びついているか
- 孫会長の発言:今後の投資戦略のヒント
個別株投資かインデックスか
ソフトバンクGへの投資を検討する場合、いくつかの選択肢があります。
| 方法 | メリット | デメリット |
|---|---|---|
| 個別株購入 | 上昇時のリターンが大きい | 個別リスクが高い |
| 日経平均連動投信 | 分散効果あり | SBG比率は限定的 |
| AI関連ETF | AI銘柄に集中投資 | 信託報酬がかかる |
まとめ
- 経産省がロボット向け国産AI開発に1兆円支援を発表
- ソフトバンクGが新会社設立に関与する構想
- 「国策に売りなし」の格言通り、長期的な追い風になる可能性
- ただし期待先行で株価が割高になっていないか要確認
- 2026年は具体的な進捗を見極める年
よくある質問
AI分野での積極投資は魅力的ですが、株価がすでに期待を織り込んでいる可能性もあります。決算での具体的な収益進捗を確認してから判断するのがおすすめです。
「国策に売りなし」は格言であり、必ず上がる保証はありません。過去には期待倒れで下落した銘柄もあります。政府支援はあくまで追い風であり、企業の実力も重要です。
はい、成長投資枠で購入可能です。ただし個別株は値動きが大きいため、投資経験が浅い方はインデックス投資から始めることをおすすめします。
※本記事は情報提供を目的としており、特定の金融商品の購入を推奨するものではありません。
投資に関する最終決定は、ご自身の判断と責任において行ってください。