孫正義氏が率いるソフトバンクグループ(SBG)。
かつての「通信会社」から「AI投資会社」へと変貌を遂げ、ビジョンファンドで約25兆円を運用する世界最大級の投資会社となった。その戦略と今後を解説する。
ソフトバンクグループの基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 正式名称 | ソフトバンクグループ株式会社 |
| 設立 | 1981年 |
| 本社 | 東京都港区 |
| 会長兼社長 | 孫正義 |
| 上場市場 | 東証プライム(9984) |
| 時価総額 | 約15兆円 |
ソフトバンクグループと携帯のソフトバンクは別会社なんですか?
はい、別会社です。携帯電話事業の「ソフトバンク株式会社」は子会社で、親会社の「ソフトバンクグループ」は投資持株会社です。孫正義氏が経営するのはグループ本体の方です。
事業構造
ソフトバンクグループは「投資持株会社」として、様々な企業に投資している。
主要保有資産
| 資産 | 比率 | 内容 |
|---|---|---|
| Arm | 47% | 半導体設計会社(英国) |
| ビジョンファンド(SVF) | 29% | 投資ファンド |
| その他 | 24% | ソフトバンク(通信)等 |
保有資産の約半分がArmで占められており、AI時代の中核資産となっている。
ソフトバンク・ビジョン・ファンド
SBGの投資活動の中核が「ソフトバンク・ビジョン・ファンド(SVF)」だ。
ファンドの概要
| ファンド | 設立 | 運用規模 |
|---|---|---|
| SVF1 | 2017年 | 約1,030億ドル(約11兆円) |
| SVF2 | 2019年 | 約1,080億ドル(約12兆円) |
合計で約25兆円規模の世界最大級のテック投資ファンドだ。
主な投資先
- OpenAI:ChatGPT開発企業
- ByteDance:TikTok運営
- DiDi:中国配車サービス
- WeWork:コワーキングスペース(失敗例)
業績の変遷
ビジョンファンドは浮き沈みが激しい。
| 時期 | 状況 |
|---|---|
| 2020-2022年 | 大幅赤字(テック株下落) |
| 2024年4-9月 | 9四半期ぶりに黒字転換 |
| 2025年4-9月 | 過去最高益に貢献 |
AIシフト戦略
孫正義氏は「AI革命」に賭けている。
OpenAIへの大型投資
2025年第1四半期、ソフトバンクグループはOpenAIへ75億ドルを出資。
- 出資額:75億ドル(約1.1兆円)
- 本ラウンドでの調達総額:66億ドル
- OpenAIの企業価値:1,570億ドル
Stargate Project
米国内で新たなAIインフラを構築する「Stargate Project」を複数の州で推進中。
Armを中核としたAI戦略
英半導体設計会社Armは、スマートフォンの99%以上で使われるチップ設計を手がける。
AIデバイスの普及とともに、Armの重要性はさらに高まると見られている。
業績推移
| 指標 | 2024年度 |
|---|---|
| 売上高 | 6兆5,443億円(前期比+7.6%) |
| 営業利益 | 9,890億円(前期比+12.9%) |
| 配当金予想 | 年間8.6円 |
2025年4-9月期には、SVFの好業績により過去最高益を記録した。
投資家が注目すべきポイント
強み
- 世界最大級の投資規模:25兆円のファンド
- AIへの先見性:OpenAI、Arm等への投資
- 孫正義氏のビジョン:長期的な成長テーマへの集中投資
リスク
- ボラティリティが高い:投資先の株価変動で業績が大きく変動
- 負債水準:有利子負債が大きい
- 孫正義氏への依存:後継者問題
WeWorkの失敗のイメージがあるんですが…
確かにWeWorkは大きな失敗でした。ただ、ビジョンファンドは多数の投資先に分散しており、ArmやOpenAIのような成功案件も生まれています。ハイリスク・ハイリターンの投資会社と理解すべきです。
株価と投資判断
株価推移
| 指標 | 数値(2025年12月時点) |
|---|---|
| 株価 | 約10,000円 |
| PBR | 約1.0倍 |
| 配当利回り | 約0.1% |
NAV(純資産価値)ディスカウント
SBG株は「NAVディスカウント」で取引されることが多い。
保有資産の時価合計より株価が安く評価される傾向があり、これを「割安」と見る投資家もいる。
まとめ
ソフトバンクグループは、通信会社からAI投資会社へと変貌した。
- ビジョンファンドで約25兆円を運用
- 保有資産の47%がArm(AI半導体設計)
- OpenAIに75億ドルを出資
- 2025年4-9月期は過去最高益
- ハイリスク・ハイリターンの投資会社
AI時代の成長に賭けたい投資家にとって、魅力的だがリスクも高い銘柄だ。
よくある質問(記事のおさらい)
ソフトバンクグループは「投資持株会社」です。携帯電話事業の「ソフトバンク」は子会社で、親会社のSBGはビジョンファンドを通じてAI・テック企業に投資しています。保有資産の約半分がArm(半導体設計会社)です。
ソフトバンク・ビジョン・ファンド(SVF)は、SBGが運営する投資ファンドです。運用規模は約25兆円で、OpenAI、ByteDance(TikTok)などに投資しています。世界最大級のテック投資ファンドです。
主なリスクは①投資先の株価変動で業績が大きく振れる、②有利子負債が大きい、③孫正義氏への経営依存、の3点です。ハイリスク・ハイリターンの銘柄であることを理解した上で投資判断すべきです。
※本記事は情報提供を目的としており、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。投資判断は自己責任でお願いいたします。