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損出しとは?年末にやるべき節税テクニック|やり方と注意点を解説
節税・制度

損出しとは?年末にやるべき節税テクニック|やり方と注意点を解説

2025-12-16
2025-12-16 更新

年末の節税テクニック「損出し」のやり方を解説。含み損を確定させて税金を取り戻す方法、損益通算と繰越控除の仕組み、注意点まで。

年末が近づくと投資家の間で話題になる「損出し」。含み損を抱えている株がある人は、税金を取り戻せるチャンスかもしれません。

この記事では、損出しの仕組み、やり方、注意点を解説します。

損出しとは

損出しとは、含み損(評価損)を確定させて、その年の利益と相殺することです。

株式投資では、売却して利益が出ると約20%の税金がかかります。しかし、同じ年に損失を確定させれば、利益と相殺(損益通算)して税金を減らすことができます。

読者
読者

含み損を確定させるってことは、損切りするってことですよね?

西山(資産運用アドバイザー)
西山(資産運用アドバイザー)

そうです。ただし、損出しでは売却した翌日に同じ株を買い戻すのがポイントです。ポジションを維持したまま、税務上の損失だけを確定させる手法です。

損出しの仕組み

損益通算で税金を取り戻す

損出しなし 損出しあり
確定利益 50万円 50万円
確定損失 0円 30万円
課税対象 50万円 20万円
税金(20.315%) 約10.2万円 約4.1万円
節税額 約6.1万円

特定口座(源泉徴収あり)なら、利益が出た時点で税金が自動的に引かれています。同じ口座内で損失を確定させると、引かれた税金が戻ってきます

損失の繰越控除

損益通算しても損失が残る場合、翌年以降3年間、損失を繰り越せます。これを「繰越控除」といいます。

繰越控除の例
  • 2025年:100万円の損失確定 → 確定申告で繰り越し
  • 2026年:50万円の利益 → 損失と相殺して税金ゼロ
  • 2027年:60万円の利益 → 残り50万円の損失と相殺、10万円分のみ課税

損出しのやり方

損出しは以下の手順で行います。

手順 損出しの手順
1
含み損の銘柄を確認

保有株の中で含み損を抱えている銘柄をチェックします。今後も保有し続けたい銘柄が対象です。

2
含み損の株を売却

年内の最終売買日までに、含み損の株を売却して損失を確定させます。成行注文で全株売却します。

3
翌営業日に買い戻し

売却した翌営業日以降に、同じ銘柄を買い戻します。同日に買い戻すと「仮装売買」とみなされるリスクがあるため、必ず翌日以降にしましょう。

4
損益通算を確認

特定口座(源泉徴収あり)なら自動で損益通算されます。複数の証券会社で取引している場合は、確定申告が必要です。

2025年の損出し期限

2025年分として損益通算するには、2025年12月26日(金)までに売却する必要があります。

日付 取引 受渡日 2025年分?
12月26日(金) 売却 12月30日
12月29日(月) 売却 1月6日 ×
12月30日(火) 売却 1月7日 ×
注意

株の受渡日は取引日から3営業日目です。12月29日以降に売却すると、受渡日が2026年になるため、2025年分の損益通算には使えません。

損出しの注意点

1. 同日の買い戻しは避ける

同じ日に売却と買い戻しを行うと、「仮装売買」とみなされるリスクがあります。税務上、損失として認められない可能性があるため、必ず翌営業日以降に買い戻しましょう。

2. 買い戻し時の株価変動リスク

売却から買い戻しまでの間に株価が上昇すると、高い価格で買い戻すことになります。逆に下落すれば安く買えますが、株価変動リスクがある点は理解しておきましょう。

3. 取得単価がリセットされる

買い戻した株の取得単価は、買い戻し時の価格になります。将来売却した時の利益計算に影響します。

読者
読者

取得単価がリセットされると、何か問題がありますか?

西山
西山

例えば、1,000円で買った株が500円に下落。損出しで売却→500円で買い戻すと、取得単価は500円になります。将来株価が1,000円に戻って売却すると、500円分の利益に課税されます。損出しで節税した分、将来の税負担が増える可能性があります。

4. 信用取引の制限

同日に現物売り→信用買いは避けるべきです。いわゆる「クロス取引」は、仮装売買とみなされるリスクがあります。

5. 複数の証券会社は確定申告が必要

複数の証券会社で取引している場合、証券会社間では自動で損益通算されません。確定申告をして損益通算する必要があります。

損出しすべきかの判断基準

損出しが有効なケース

  • その年に確定利益がある(配当金を含む)
  • 含み損の株を持っている
  • 含み損の株を今後も保有したい
  • 特定口座(源泉徴収あり)で税金が引かれている

損出しが不要なケース

  • その年に確定利益がない
  • 含み損の株をもう持ちたくない(普通に損切りすればOK)
  • 新NISA口座での取引(そもそも非課税)

損益通算できる範囲

損益通算は、同じ種類の所得間でのみ可能です。

相殺できる 相殺できない
株式の売却益と売却損 給与所得
株式の配当金と売却損 不動産所得
投資信託の売却益と株式の売却損 事業所得
異なる証券会社間の損益(確定申告必要) 仮想通貨の損益
注意

仮想通貨(暗号資産)の損益は「雑所得」に分類されるため、株式の損益とは相殺できません。

確定申告のポイント

同一証券会社内なら確定申告不要

特定口座(源泉徴収あり)の同一口座内で損益が発生した場合、証券会社が自動で損益通算してくれます。確定申告は不要です。

複数の証券会社なら確定申告が必要

異なる証券会社間で損益通算する場合は、確定申告が必要です。各証券会社から「年間取引報告書」を取得し、申告します。

繰越控除は確定申告が必須

損失を翌年以降に繰り越す「繰越控除」を使う場合は、損失が出た年から3年間、毎年確定申告が必要です。取引がない年でも申告を続ける必要があります。

まとめ

損出しのポイントを整理します。

  • 損出しは含み損を確定させて利益と相殺する節税テクニック
  • 2025年の期限は12月26日(金)が最終売買日
  • 売却した翌営業日以降に買い戻し(同日はNG)
  • 複数の証券会社なら確定申告が必要
  • 損失は3年間繰り越せる(繰越控除)
  • 取得単価がリセットされるデメリットも理解しておく

年末の含み損を有効活用して、賢く節税しましょう。

よくある質問

Q
Q1. 損出しは違法ではないですか?
A

損出し自体は合法的な節税手法です。ただし、同日に売買を繰り返す「仮装売買」は違法とみなされる可能性があります。売却した翌営業日以降に買い戻すようにしましょう。

Q
Q2. NISA口座でも損出しできますか?
A

NISA口座はそもそも非課税なので、損出しの意味がありません。また、NISA口座の損失は特定口座の利益と損益通算できません。損出しは特定口座や一般口座で行います。

Q
Q3. 配当金も損益通算できますか?
A

はい、株式の配当金と売却損は損益通算できます。特定口座(源泉徴収あり)で「配当金受入あり」に設定していれば、自動で損益通算されます。

※本記事は情報提供を目的としており、特定の金融商品の購入を推奨するものではありません。投資に関する最終決定は、ご自身の判断と責任において行ってください。