米国株投資の「王道」として知られるS&P500指数。
過去10年の年平均リターンは13.3%、2024年は約23%上昇と、長期投資家に高いリターンを提供してきた。構成銘柄から投資方法まで解説する。
S&P500とは
S&P500は、米国の代表的な株価指数の1つで、米国の大手企業約500社の時価総額をもとに算出される。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 正式名称 | Standard & Poor's 500 |
| 算出開始 | 1957年 |
| 算出元 | S&P ダウ・ジョーンズ・インデックス |
| 構成銘柄数 | 約500社 |
| カバー率 | 米国株式市場の時価総額の約80% |
NYダウとS&P500の違いは何ですか?
NYダウは30銘柄、S&P500は500銘柄で構成されています。S&P500の方がより広く米国市場をカバーしており、機関投資家はS&P500をベンチマークに使うことが多いです。
構成銘柄の選定基準
S&P500に採用されるには、厳格な基準を満たす必要がある。
採用基準(2025年7月以降)
- 時価総額:227億ドル以上
- 浮動株比率:50%以上(41億ドル以上)
- 直近4四半期連続で黒字
- 米国に本社があること
- NYSEまたはNASDAQに上場
銘柄入れ替え
四半期ごと(3月・6月・9月・12月)に見直しが行われる。
構成銘柄
上位10銘柄(2025年9月時点)
| 順位 | 銘柄 | 比率 |
|---|---|---|
| 1 | NVIDIA | 7.2% |
| 2 | Microsoft | 6.3% |
| 3 | Apple | 5.9% |
| 4 | Alphabet(Google) | 5.0% |
| 5 | Amazon | 4.1% |
| 6 | Meta | 3.2% |
| 7 | Broadcom | 2.8% |
| 8 | Tesla | 2.3% |
| 9 | Berkshire Hathaway | 1.8% |
| 10 | JPMorgan Chase | 1.4% |
上位10社で全体の約38%、上位50社で約60%を占める。
2025年6月の銘柄入れ替え
「S&P500トップ10指数」では、テスラが新規採用、イーライリリーが除外された。
パフォーマンス
過去のリターン
| 期間 | 年平均リターン(配当込み) |
|---|---|
| 過去10年(〜2024年末) | 13.3% |
| 過去30年 | 約10% |
| 1957年以降 | 10%超 |
| 2024年単年 | 約23% |
2025年12月24日には終値6,932ポイントの史上最高値を記録した。
長期投資のリターン
過去のデータでは、S&P500に20年以上投資した場合、マイナスリターンになったことはほとんどない。
投資方法
ETF
| ティッカー | 名称 | 経費率 |
|---|---|---|
| VOO | Vanguard S&P 500 ETF | 0.03% |
| IVV | iShares Core S&P 500 ETF | 0.03% |
| SPY | SPDR S&P 500 ETF Trust | 0.09% |
投資信託
| 商品名 | 信託報酬 |
|---|---|
| eMAXIS Slim米国株式(S&P500) | 0.09372% |
| SBI・V・S&P500インデックス・ファンド | 0.0938% |
| 楽天・S&P500インデックス・ファンド | 0.077% |
ETFと投資信託、どちらを選べばいいですか?
少額からコツコツ積立したいなら投資信託が便利です。100円から積立でき、分配金も自動で再投資されます。一方、ETFはリアルタイムで売買でき、コストがやや低い傾向があります。
注意点
為替リスク
S&P500は米ドル建ての指数なので、円安になれば円換算のリターンは増加、円高になれば減少する。
集中リスク
上位10銘柄で38%を占めるため、テック株への集中度が高い。
- 上位銘柄(NVIDIA、Microsoft等)の株価変動の影響が大きい
- テック株が下落すると指数全体も大きく下落する可能性
- 分散を重視するなら全世界株式(VT等)も検討
まとめ
S&P500は、米国株投資の「基本中の基本」となる指数だ。
- 米国大型500社、時価総額の約80%をカバー
- 過去10年の年平均リターンは13.3%
- 上位10銘柄で38%を占める(NVIDIA、Microsoft等)
- VOO、IVV等のETFで0.03%の低コスト投資が可能
- eMAXIS Slim等の投資信託で100円から積立可能
長期投資の核として、多くの投資家に選ばれている指数だ。
よくある質問(記事のおさらい)
過去の実績は良好ですが、将来のリターンを保証するものではありません。短期的には大きく下落することもあります。ただし、過去のデータでは20年以上の長期投資でマイナスになったケースはほとんどありません。
S&P500は500銘柄でセクター分散が広く、NASDAQ100は100銘柄でテクノロジーセクターに約50%集中しています。NASDAQ100の方がハイリスク・ハイリターンの傾向があります。
はい、eMAXIS Slim米国株式(S&P500)はつみたて投資枠・成長投資枠の両方で購入可能です。VOO等の海外ETFは成長投資枠で購入できます。
※本記事は情報提供を目的としており、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。投資判断は自己責任でお願いいたします。