「日経平均が58,000円を超えたって聞いたんですけど、今から買っても遅くないですか?」
2026年2月8日の衆院選で自民党が歴史的圧勝を収め、翌9日の東京市場では日経平均が一時3,000円超の急騰を記録。その後も上昇を続け、日経平均は58,000円台に到達しました。
いわゆる「高市トレード」の第2幕です。高市早苗首相の積極財政・金融緩和路線への期待から、海外投資家を中心に日本株への買いが殺到しています。
この記事では、高市トレードの本質と買われているセクター、そして個人投資家が今とるべき戦略を整理します。
「高市トレード」とは何か — なぜ株が上がるのか
「高市トレード」とは、高市早苗政権の経済政策への期待から株高・円安・金利上昇が同時に進行する現象です。
なぜ高市さんが首相だと株が上がるんですか?
高市首相は「責任ある積極財政」を掲げ、大規模な財政出動と金融緩和の継続を志向しています。減税・補助金・設備投資税制の拡充によって企業収益が上がるとの期待から、株式市場にお金が流れ込んでいるわけです。
高市経済政策の柱
高市政権の経済政策は、以下の3本柱で構成されています。
| 政策の柱 | 具体的な施策 | 市場への影響 |
|---|---|---|
| 積極財政 | 大規模経済対策、赤字企業への賃上げ支援 | 企業業績の押し上げ |
| 減税・税制改正 | 基礎控除の引き上げ、設備投資税制の拡充 | 消費・投資の活性化 |
| 成長投資 | 半導体・AI・宇宙・防衛への重点投資 | 関連セクターの株高 |
高市首相は年間50万円超の金融所得に対する課税強化(20%→30%)を掲げていますが、「インフレ率2%達成後」という条件をつけています。現時点では直ちに実施される可能性は低いとされていますが、NISA枠の拡充とセットで議論される見通しです。
衆院選で何が起きたのか — 数字で振り返る
2026年2月8日の衆院選は、自民党にとって歴史的な大勝となりました。市場はこれを大きく好感しています。
選挙直後の市場反応
- 2月9日: 日経平均が前営業日比3,000円超上昇、一時57,337円を記録
- 2月10日〜11日: 3営業日連続で史上最高値を更新
- 2月中旬: 58,000円台に到達
3,000円超の上昇って、過去と比べてもすごいんですか?
日経平均の1日の上昇幅としては、2024年8月のブラックマンデー反発に次ぐ歴史的な水準です。それだけ市場の期待が大きかったということでしょう。
野村證券の年末予想は60,000円
野村證券は衆院選後、2026年末の日経平均予想を60,000円に上方修正しました。理由は「高市政権の政策実行力への信頼」と「脱デフレの転換点が鮮明になった」ことです。
証券会社の株価予想は外れることも多く、あくまで一つの参考です。2024年末に「2025年末4万5,000円」と予想した社が多かったことを考えると、上振れも下振れも十分にあり得ます。
買われているセクター — 何が主役か
高市トレードで特に買われているセクターを見てみましょう。
半導体・AI関連
日経平均の上昇を最もけん引しているのは半導体・AI関連株です。東京エレクトロン、アドバンテスト、レーザーテックなどの主力銘柄が軒並み上昇しています。
半導体って、高市さんの政策と関係あるんですか?
直接的に関係があります。高市首相は「半導体・AI」を17の戦略分野の一つに掲げ、国家的な支援を打ち出しています。TSMCの熊本工場やラピダスの北海道工場など、国内の半導体製造基盤への投資が加速する見通しです。
銀行・金融セクター
金利上昇期待から銀行株にも買いが集まっています。三菱UFJ、三井住友、みずほの3メガバンクは年初来高値を更新しています。
防衛・宇宙関連
高市首相は防衛費のGDP比2%以上を掲げており、三菱重工業、川崎重工業、IHIなどの防衛関連株にも資金が流入しています。
| セクター | 代表的な銘柄(例) | 上昇の背景 |
|---|---|---|
| 半導体・AI | 東京エレクトロン、アドバンテスト | 国家戦略としての半導体投資 |
| 銀行・金融 | 三菱UFJ、三井住友 | 金利上昇期待 |
| 防衛・宇宙 | 三菱重工、川崎重工 | 防衛費GDP比2%以上 |
| 建設・インフラ | 大林組、鹿島建設 | 積極財政による公共投資 |
「高市トレード」のリスク要因
株高が続いていますが、リスクを無視するわけにはいきません。
リスク1: 政策の実行力
積極財政を掲げていても、実際に予算がつき、効果が出るまでにはタイムラグがあります。市場は期待先行で動いているため、政策の実行スピードが遅れれば失望売りのリスクがあります。
リスク2: 円安の副作用
積極財政・金融緩和は円安を招きやすく、輸入物価の上昇を通じて家計を圧迫します。物価高への不満が政権支持率を下げれば、政策転換の可能性もあります。
リスク3: 米国の関税政策
トランプ政権の「相互関税」リスクは引き続き存在します。日本の自動車産業への追加関税が発動されれば、日経平均の大きな下落要因になり得ます。
リスクはわかりましたが、じゃあ今から買わない方がいいんですか?
「買わない方がいい」とは言いません。ただし、「高市トレードだから」という理由だけで飛びつくのは危険です。重要なのは、自分のリスク許容度に合ったポジションサイズと分散投資です。
個人投資家が今とるべき3つの戦略
では、個人投資家は具体的にどう動くべきでしょうか。
戦略1: NISAの成長投資枠を活用する
新NISAの成長投資枠(年間240万円)を使い、高配当株や日本株のインデックスファンドに投資するのは堅実な選択です。
高市政権はNISA対象商品の拡充を検討しています。2026年度の税制改正で新たな対象商品が追加される可能性があります。非課税枠を活用して長期投資を行うことが、個人投資家にとって最も有利な戦略の一つです。
戦略2: セクター分散を意識する
半導体だけ、銀行だけに偏るのではなく、複数のセクターに分散投資することが重要です。
インデックスファンドを買っておけば分散になりますよね?
インデックス投資は基本として正解です。ただ、日経平均はファーストリテイリングや半導体銘柄の構成比が高いため、TOPIXの方がセクター分散の効果は高いといえます。日経平均インデックスだけに投資しているなら、TOPIXや全世界株式との組み合わせも検討してください。
戦略3: 急騰局面での一括投資は避ける
「58,000円でも割安」と感じても、急騰した直後に一括で全資金を投入するのはリスクが高い行為です。ドルコスト平均法を活用して、時間を分散させましょう。
株価が急騰した後は、利益確定売りによる調整が起きやすくなります。「高市トレードは終わった」と報じられる局面が来ても、慌てて売らないこと。積立投資を続けている限り、調整は「安く買えるチャンス」です。
まとめ
- 衆院選での自民大勝を受け「高市トレード」が再燃、日経平均は58,000円台に到達
- 半導体・銀行・防衛が主力セクター、積極財政と成長投資が追い風
- 野村證券は2026年末に60,000円を予想(上方修正)
- リスク要因は政策の実行遅れ、円安の副作用、米国の関税政策
- 個人投資家はNISA活用・セクター分散・時間分散の3つを意識すべき
「高市トレード」は期待先行で動いている面が大きいため、政策の進捗を冷静に確認しながら投資判断をすることが重要です。焦って飛びつくよりも、着実に積み立てる投資家の方が、長期的には良い結果を得られるでしょう。
※本記事は情報提供を目的としており、特定の金融商品の購入を推奨するものではありません。投資に関する最終決定は、ご自身の判断と責任において行ってください。
よくある質問(記事のおさらい)
高市早苗政権の積極財政・金融緩和政策への期待から、株高・円安・金利上昇が同時に進行する現象です。2026年2月の衆院選での自民大勝を受けて再燃しました。
2026年2月9日に一時57,337円を記録し、その後58,000円台に到達しました。衆院選翌日には1日で3,000円超上昇するなど、歴史的な株高となっています。
野村證券は年末60,000円を予想していますが、急騰直後の一括投資はリスクが高いです。ドルコスト平均法で時間を分散し、NISAの非課税枠を活用するのが堅実な戦略です。
半導体・AI関連(東京エレクトロン、アドバンテスト)、銀行・金融(3メガバンク)、防衛関連(三菱重工、川崎重工)が主役です。高市首相の17の戦略分野と連動しています。
政策の実行遅れによる失望売り、円安による物価高と政権支持率低下、トランプ政権の関税リスクの3つが主なリスク要因です。期待先行で動いている面が大きいため、冷静な判断が必要です。