新NISAのつみたて投資枠で買える投資信託は280本以上。「どれを選べばいいのかわからない」という声をよく聞きます。
この記事では、信託報酬・純資産・運用実績を比較し、本当におすすめできる11銘柄を厳選しました。
結論から言うと、迷ったら「オルカン」か「S&P500」のどちらかを選んでおけば問題ありません。
つみたて投資枠の銘柄選びで重視すべき3つのポイント
1. 信託報酬が低いこと
信託報酬は、投資信託を保有している間ずっとかかるコストです。年率0.1%の差でも、20年運用すれば数十万円の差になります。
つみたて投資枠の対象銘柄は、金融庁の基準で信託報酬が一定以下に制限されていますが、その中でもさらに低いものを選ぶのが賢明です。
2. 純資産総額が大きいこと
純資産総額が大きいファンドは、以下のメリットがあります。
- 繰上償還(ファンドの運用終了)のリスクが低い
- 効率的な運用が可能
- 信託報酬の引き下げ余地がある
目安として、純資産総額500億円以上のファンドを選ぶと安心です。
3. インデックスファンドであること
インデックスファンドとアクティブファンド、どっちがいいんですか?
長期投資ならインデックス投資がおすすめです。インデックスファンドは、市場全体の値動きに連動することを目指すため、コストが低く、長期的にはアクティブファンドの7〜8割を上回る成績を残しています。
おすすめ銘柄11選【比較表】
| 銘柄名 | 投資対象 | 信託報酬(税込) | 純資産総額 |
|---|---|---|---|
| eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー) | 全世界 | 0.05775% | 約5兆円 |
| eMAXIS Slim 米国株式(S&P500) | 米国 | 0.08140% | 約6兆円 |
| 楽天・プラス・S&P500インデックス・ファンド | 米国 | 0.077% | 約3,000億円 |
| 楽天・プラス・オールカントリー株式インデックス・ファンド | 全世界 | 0.0561% | 約2,500億円 |
| SBI・V・S&P500インデックス・ファンド | 米国 | 0.0938% | 約1.5兆円 |
| SBI・V・全世界株式インデックス・ファンド | 全世界 | 0.1338% | 約2,000億円 |
| eMAXIS Slim 先進国株式インデックス | 先進国 | 0.09889% | 約8,000億円 |
| eMAXIS Slim 新興国株式インデックス | 新興国 | 0.1518% | 約1,500億円 |
| ニッセイ外国株式インデックスファンド | 先進国 | 0.09889% | 約7,000億円 |
| たわらノーロード 先進国株式 | 先進国 | 0.09889% | 約5,500億円 |
| eMAXIS Slim バランス(8資産均等型) | 分散 | 0.143% | 約3,000億円 |
※信託報酬・純資産総額は2025年12月時点の情報です。最新情報は各証券会社でご確認ください。
【全世界株式】オルカン系おすすめ3選
全世界株式は、日本を含む世界中の株式に分散投資できるのが特徴です。「どの国が成長するかわからない」という方に最適です。
1. eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)
通称「オルカン」。新NISAで最も人気のある銘柄です。
- 信託報酬0.05775%と業界最安水準
- 純資産5兆円超で安定性抜群
- 約50カ国、約3,000銘柄に分散投資
- 米国株が約63%を占め、完全な世界分散とは言えない
- 新興国のウェイトが低め
- 1本で世界中に投資したい方
- 長期で放置できる王道ファンドを選びたい方
- どれを選ぶか迷っている方
2. 楽天・プラス・オールカントリー株式インデックス・ファンド
楽天証券ユーザーに人気の全世界株式ファンドです。
- 信託報酬0.0561%でオルカンより低い
- 楽天ポイントが貯まる・使える
- 純資産総額はオルカンより小さい
- 楽天証券以外では買えない
3. SBI・V・全世界株式インデックス・ファンド
バンガード社のVTに投資するファンドです。
- 本家バンガードのVTに投資
- SBI証券のポイント還元対象
- 信託報酬はオルカンより高め
- 純資産総額はオルカンより小さい
【米国株式】S&P500系おすすめ3選
S&P500は、米国の大型株500社で構成される株価指数です。Apple、Microsoft、Amazonなど、世界を代表する企業に投資できます。
4. eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)
オルカンと並ぶ人気銘柄です。
オルカンとS&P500、どっちを選べばいいですか?
米国経済の成長を信じるならS&P500、世界分散を重視するならオルカンです。過去のリターンはS&P500の方が高い傾向がありますが、将来も同じとは限りません。迷ったらオルカンが無難でしょう。
- 信託報酬0.08140%(2025年1月に引き下げ)
- 純資産6兆円超で業界最大級
- 米国の優良企業500社に投資
- 米国一国への集中投資になる
- 為替リスクがある
5. 楽天・プラス・S&P500インデックス・ファンド
楽天証券ユーザー向けのS&P500ファンドです。
- 信託報酬0.077%で最安水準
- 楽天ポイント還元あり
- 楽天証券限定
- 純資産はeMAXIS Slimより小さい
6. SBI・V・S&P500インデックス・ファンド
SBI証券で人気のS&P500ファンドです。
- 本家バンガードのVOOに投資
- 純資産1.5兆円と十分な規模
- 信託報酬はeMAXIS Slimより高め
【先進国株式】おすすめ3選
先進国株式は、日本を除く先進国(米国、欧州など)に投資するファンドです。
7. eMAXIS Slim 先進国株式インデックス
日本を除く先進国22カ国に投資できます。
- オルカン:日本を含む全世界(先進国+新興国)
- 先進国株式:日本・新興国を除く先進国のみ
「日本株は別で持っている」「新興国は不要」という方は、先進国株式も選択肢になります。
8. ニッセイ外国株式インデックスファンド
2013年設定の老舗ファンドで、長期の運用実績があります。
9. たわらノーロード 先進国株式
アセットマネジメントOneが運用する低コストファンドです。
【新興国・バランス型】おすすめ2選
10. eMAXIS Slim 新興国株式インデックス
中国、インド、ブラジルなどの新興国に投資できます。
新興国株式は値動きが大きいため、これ単体ではなく、オルカンやS&P500と組み合わせて使うのがおすすめです。ポートフォリオの10〜20%程度に抑えると良いでしょう。
11. eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)
株式だけでなく、債券・REITにも分散投資したい方向けです。
| 資産クラス | 配分 |
|---|---|
| 国内株式 | 12.5% |
| 先進国株式 | 12.5% |
| 新興国株式 | 12.5% |
| 国内債券 | 12.5% |
| 先進国債券 | 12.5% |
| 新興国債券 | 12.5% |
| 国内REIT | 12.5% |
| 先進国REIT | 12.5% |
バランス型って、株式だけより安全なんですか?
一般的に、債券を含むことで値動きはマイルドになります。ただし、長期的なリターンは株式100%の方が高い傾向があります。リスクを抑えたい方、値動きが気になる方はバランス型も選択肢になります。
結局どれを選べばいい?タイプ別おすすめ
迷ったらこれ!王道の1本
eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)
1本で世界中に分散投資でき、信託報酬も最安水準。「どれを選ぶか決められない」という方は、これを選んでおけば間違いありません。
米国経済の成長を信じるなら
eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)
過去のリターンは全世界株式を上回っています。米国一強が続くと考えるなら、S&P500も有力な選択肢です。
楽天証券ユーザーなら
楽天・プラス・S&P500または楽天・プラス・オールカントリー
信託報酬が最安水準で、楽天ポイントも貯まります。
リスクを抑えたいなら
eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)
株式100%の値動きが怖い方は、バランス型で始めるのも一つの手です。
まとめ
つみたて投資枠のおすすめ銘柄をまとめると、以下のとおりです。
- 迷ったらオルカン(eMAXIS Slim 全世界株式)
- 米国に集中するならS&P500(eMAXIS Slim 米国株式)
- 証券会社のポイント還元を活かすなら楽天・プラスまたはSBI・Vシリーズ
どの銘柄を選んでも、大きな失敗にはなりません。大切なのは、選んだ銘柄を長期で積み立て続けることです。
よくある質問
迷ったらオルカンがおすすめです。世界分散ができるため、特定の国のリスクを軽減できます。米国経済の成長を強く信じるならS&P500も良い選択です。
必須ではありません。オルカン1本でも十分に分散されています。ただし、新興国の比率を高めたい場合などは、複数銘柄の組み合わせも有効です。
楽天ポイントを貯めたいなら楽天証券、Vポイントや三井住友カードを使うならSBI証券がお得です。ファンドの品揃えに大きな差はありません。
長期投資では重要です。例えば、1,000万円を20年運用した場合、信託報酬0.1%の差で約20万円の差が生まれます。ただし、0.01%単位の差を気にしすぎる必要はありません。
長期的なリターンは株式100%の方が高い傾向があります。ただし、値動きを抑えたい方や、投資期間が10年以下の方はバランス型も検討の価値があります。
※本記事は情報提供を目的としており、特定の金融商品の購入を推奨するものではありません。投資に関する最終決定は、ご自身の判断と責任において行ってください。