「積立投資を20年続けたら、いくらになるんだろう?」
この疑問は、投資を始める人なら誰もが持つものです。この記事では、月1万円・3万円・5万円の積立投資を20年続けた場合のシミュレーション結果を、利回り別に詳しく解説します。
積立投資シミュレーションの前提条件
計算の前提
| 項目 | 条件 |
|---|---|
| 積立期間 | 20年(240ヶ月) |
| 想定利回り | 年3%・5%・7% |
| 積立方法 | 毎月定額積立 |
| 税金 | 新NISA(非課税)を想定 |
| 手数料 | 考慮せず(低コストファンド前提) |
利回りの目安
| 利回り | 想定ファンド |
|---|---|
| 年3% | 債券中心のバランスファンド |
| 年5% | 全世界株式インデックス |
| 年7% | 米国株式インデックス(楽観シナリオ) |
過去の実績では、全世界株式は年平均5〜7%程度のリターンがありました。ただし、将来を保証するものではありません。控えめに見積もるなら年3〜5%で計算するのがおすすめです。
月1万円の積立シミュレーション
20年後の結果
| 利回り | 元本 | 運用益 | 合計 |
|---|---|---|---|
| 年3% | 240万円 | +88万円 | 約328万円 |
| 年5% | 240万円 | +171万円 | 約411万円 |
| 年7% | 240万円 | +281万円 | 約521万円 |
年数別の推移(年5%の場合)
| 経過年数 | 元本 | 合計 | 運用益 |
|---|---|---|---|
| 5年 | 60万円 | 68万円 | +8万円 |
| 10年 | 120万円 | 155万円 | +35万円 |
| 15年 | 180万円 | 267万円 | +87万円 |
| 20年 | 240万円 | 411万円 | +171万円 |
最初の5年は8万円しか増えないのに、後半でグッと増えるんですね。
これが複利の威力です。最初は緩やかですが、時間が経つほど運用益が運用益を生むサイクルが加速します。
月3万円の積立シミュレーション
20年後の結果
| 利回り | 元本 | 運用益 | 合計 |
|---|---|---|---|
| 年3% | 720万円 | +265万円 | 約985万円 |
| 年5% | 720万円 | +513万円 | 約1,233万円 |
| 年7% | 720万円 | +843万円 | 約1,563万円 |
年数別の推移(年5%の場合)
| 経過年数 | 元本 | 合計 | 運用益 |
|---|---|---|---|
| 5年 | 180万円 | 204万円 | +24万円 |
| 10年 | 360万円 | 466万円 | +106万円 |
| 15年 | 540万円 | 802万円 | +262万円 |
| 20年 | 720万円 | 1,233万円 | +513万円 |
月3万円は新NISAのつみたて投資枠(年間120万円)をちょうど使い切る金額です。20年で約1,200万円超の資産形成が期待できます。
月5万円の積立シミュレーション
20年後の結果
| 利回り | 元本 | 運用益 | 合計 |
|---|---|---|---|
| 年3% | 1,200万円 | +441万円 | 約1,641万円 |
| 年5% | 1,200万円 | +855万円 | 約2,055万円 |
| 年7% | 1,200万円 | +1,405万円 | 約2,605万円 |
年数別の推移(年5%の場合)
| 経過年数 | 元本 | 合計 | 運用益 |
|---|---|---|---|
| 5年 | 300万円 | 340万円 | +40万円 |
| 10年 | 600万円 | 776万円 | +176万円 |
| 15年 | 900万円 | 1,336万円 | +436万円 |
| 20年 | 1,200万円 | 2,055万円 | +855万円 |
月5万円を20年続けると、元本1,200万円が約2,000万円以上に。いわゆる「老後2,000万円問題」を解決できる金額です。
複利効果の威力
なぜ後半で急激に増えるのか
| 期間 | 運用益の増加額(月3万円・年5%) |
|---|---|
| 1〜5年目 | +24万円 |
| 6〜10年目 | +82万円 |
| 11〜15年目 | +156万円 |
| 16〜20年目 | +251万円 |
最初の5年間の運用益は24万円ですが、最後の5年間は251万円。10倍以上の差があります。
グラフで見る複利の威力
積立投資では、時間が経つほど:
- 元本が増える
- 過去の運用益にも利益がつく
- 増加ペースが加速する
この「雪だるま式」の増え方が複利の特徴です。
30年まで続けた場合
月3万円・年5%の場合
| 経過年数 | 元本 | 合計 | 運用益 |
|---|---|---|---|
| 20年 | 720万円 | 1,233万円 | +513万円 |
| 25年 | 900万円 | 1,787万円 | +887万円 |
| 30年 | 1,080万円 | 2,497万円 | +1,417万円 |
30年だと元本の2倍以上の運用益がつくんですね!
その通りです。30年では運用益が元本を大きく上回ります。若いうちに始めるほど有利なのはこのためです。
シミュレーションの注意点
1. リターンは保証されない
過去の実績は将来を保証しません。年によってはマイナスになることもあります。
2. 下落相場もある
20年の間には、リーマンショック級の暴落が起こる可能性もあります。一時的に元本割れすることは覚悟しておきましょう。
3. インフレも考慮
20年後の2,000万円は、今の2,000万円と同じ価値ではない可能性があります。インフレ率2%なら、実質価値は約1,350万円相当です。
インフレ対策として、預金だけでなく株式に投資することが重要です。株式は長期的にはインフレ率を上回るリターンが期待できます。
自分でシミュレーションする方法
計算式
積立投資の将来価値は以下の式で計算できます:
FV = PMT × {(1+r)^n - 1} / r
- FV:将来価値
- PMT:毎月の積立額
- r:月利(年利÷12)
- n:積立月数
簡易計算ツール
証券会社のサイトで無料のシミュレーションツールが使えます:
- SBI証券「つみたてシミュレーション」
- 楽天証券「積立かんたんシミュレーション」
- 金融庁「資産運用シミュレーション」
よくある質問
途中で積立額を増減しても問題ありません。最終的な資産額は「それまでの積立額×運用期間」の合計で決まります。余裕ができたら増額、厳しい時は減額でOKです。
理論上は一括投資の方が有利ですが、高値掴みのリスクがあります。積立投資は平均取得単価を平準化できるため、初心者には積立投資がおすすめです。
全世界株式インデックスの過去20年の平均リターンは年5〜7%程度です。ただし、将来を保証するものではありません。控えめに見積もるなら年3〜4%で計算するのが安全です。
まとめ
積立投資20年のシミュレーションをまとめます。
- 月1万円×20年(年5%)→ 約411万円(元本240万円)
- 月3万円×20年(年5%)→ 約1,233万円(元本720万円)
- 月5万円×20年(年5%)→ 約2,055万円(元本1,200万円)
- 複利効果で後半ほど増加ペースが加速
- 20年以上続けることで元本の1.5〜2倍以上に
- リターンは保証されないが、長期投資でリスクは軽減
まずは少額から、できるだけ早く始めることが大切です。
※本記事は情報提供を目的としており、特定の金融商品の購入を推奨するものではありません。投資に関する最終決定は、ご自身の判断と責任において行ってください。