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積立投資をやめたらどうなる?中止・休止・売却の違いと対処法
投資信託 初心者向け

積立投資をやめたらどうなる?中止・休止・売却の違いと対処法

2025-12-16
2025-12-16 更新

積立投資を中止・休止するとどうなる?売却との違い、やめない方がいい理由、どうしてもやめたい時の対処法を解説します。

「積立投資を始めたけど、お金が苦しくなってきた」「暴落が怖いからやめたい」——こんな悩みを抱えていませんか?

積立投資は続けることが最大のポイントです。でも、どうしても続けられない状況もあるでしょう。この記事では、積立を中止・休止した場合の影響と、正しい対処法を解説します。

積立投資をやめる3つの選択肢

積立投資をやめたい時、選択肢は3つあります。

選択肢 内容 影響
① 中止して売却 積立を止め、保有資産を売却 複利効果を完全に失う
② 中止して保有継続 積立は止めるが、資産はそのまま持ち続ける 回復を待てる
③ 減額して継続 積立額を減らして続ける 複利効果を維持
西山(資産運用アドバイザー)
西山(資産運用アドバイザー)

おすすめは③の「減額して継続」です。どうしても続けられない場合は②、①は最後の手段です。

選択肢①:中止して売却した場合

何が起こるか

積立を止めて保有資産を売却すると、以下の影響があります。

影響 内容
複利効果の喪失 今後の成長の恩恵を受けられない
売却時の損益確定 含み損があれば損失確定
再開時のリスク 将来高値で買い直す可能性
NISA枠の消費 売却してもNISA枠は戻らない

シミュレーション:10年目でやめた場合

月3万円を20年間積み立てる予定だったが、10年目で売却した場合(年利5%想定)。

ケース 10年後の資産 20年後の資産
10年目で売却 約465万円 465万円(運用終了)
20年間継続 約465万円 約1,233万円
ポイント

10年目で売却すると、残り10年間の成長(約770万円)を逃すことになります。時間を味方につけられるかが、投資の成否を分けるのです。

選択肢②:中止して保有継続した場合

何が起こるか

積立は止めるが、保有資産はそのまま持ち続ける選択です。

メリット デメリット
保有資産は運用が続く 新規買付がないため平均取得単価が下がらない
暴落後の回復を待てる 複利効果の一部を逃す
いつでも積立再開できる 再開タイミングの判断が難しい
読者
読者

積立をやめても持ち続ければ大丈夫ってことですか?

西山
西山

売却するよりは良いです。ただ、暴落時に安く買い増せないデメリットがあります。可能なら月1,000円でも積み立てを続けた方が、長期的には有利です。

選択肢③:減額して継続した場合

最もおすすめの選択肢

積立額を減らしてでも続けることで、複利効果とドルコスト平均法のメリットを維持できます。

積立額 20年後の資産(年利5%)
月3万円 約1,233万円
月1万円 約411万円
月5,000円 約206万円
月1,000円 約41万円
月1,000円でも意味がある

月1,000円でも20年で約41万円になります。「投資習慣を続ける」ことが大切です。経済的に余裕ができたら増額すればOKです。

積立をやめない方がいい理由

理由1:暴落時こそ「安く買える」チャンス

暴落時に積立を止めると、安く買えるチャンスを逃すことになります。

西山
西山

積立投資の強みは、価格が下がった時にたくさん買えること。暴落時にやめてしまうと、回復時の恩恵を受けられません。

理由2:15年以上続ければほぼプラス

歴史的に見ると、全世界株式インデックスを15年以上保有した場合、どの時点で始めてもプラスになっています

保有期間 元本割れの確率(過去データ)
1年 約30%
5年 約15%
10年 約5%
15年以上 ほぼ0%

理由3:再開時に「高値で買い直し」リスク

積立をやめて市場が回復した後に再開すると、高い価格で買い直すことになります。

タイミング 行動 結果
暴落時 怖くなってやめる 安値で売却
回復後 安心して再開 高値で買い戻し

これは「高値で買って安値で売る」という最悪のパターンです。

どうしてもやめたい時の対処法

ケース1:お金が苦しい場合

手順 お金が苦しい時の対処法
1
家計を見直す

まず固定費(通信費、保険料、サブスク)を見直して、積立を続ける余裕を作れないか検討します。

2
積立額を減額する

月3万円→月1万円、月1万円→月5,000円など、無理のない金額に減額します。新NISAの積立設定は簡単に変更できます。

3
それでも厳しければ一時停止

どうしても無理なら積立を一時停止し、保有資産は売却せずに持ち続けます。経済状況が改善したら再開しましょう。

ケース2:暴落が怖い場合

暴落時は誰でも不安になります。でも、積立投資は暴落を味方にできる投資法です。

西山
西山

暴落時こそ「安売りセール」と考えましょう。同じ金額でたくさんの口数を買えるチャンスです。過去の暴落(リーマンショック、コロナショック)も、すべて回復しています。

ケース3:ファンドを変えたい場合

「もっと良いファンドを見つけた」という場合、積立先を変更できます。

選択肢 内容
新規積立のみ変更 今持っている資産はそのまま、新規積立だけ別ファンドへ
全部乗り換え 既存資産を売却して新ファンドを購入(売却益に課税の可能性)
NISAの場合

NISA口座では売却益に税金がかかりません。ただし、売却しても非課税投資枠は復活しないので注意が必要です。

積立投資を続けるコツ

1. 生活費と分けて「ないもの」と思う

積立用の口座を分けて、「最初からなかったお金」と思い込みましょう。

2. 日々の値動きを見ない

毎日チェックすると不安になります。月1回か、見ないくらいでちょうどいいです。

3. 「やめたら負け」と心に決める

長期投資の勝者は「続けた人」です。暴落時も淡々と続けることが成功の秘訣です。

4. 減額してでも続ける

苦しい時は月1,000円でもOK。投資習慣を絶やさないことが大切です。

まとめ

積立投資をやめたい時のポイントを整理します。

  • 積立をやめる選択肢は「中止して売却」「中止して保有継続」「減額して継続」の3つ
  • おすすめは「減額して継続」
  • 売却すると複利効果を失う
  • 暴落時こそ安く買えるチャンス
  • 15年以上続ければほぼ確実にプラス
  • 苦しい時は月1,000円でも続けよう

長期投資は「続けた人」が勝ちます。辛い時こそ、淡々と積み立てを続けましょう。

よくある質問

Q
Q1. 積立を一度やめて、また再開しても大丈夫ですか?
A

再開は可能ですが、やめている間に株価が上昇すると、高値で買い直すことになります。できれば減額してでも続ける方がおすすめです。どうしても無理なら、保有資産は売却せずに持ち続けながら休止しましょう。

Q
Q2. 暴落時に積立をやめて、底値で再開すれば得では?
A

理論上は得ですが、「底値」を当てることは誰にもできません。多くの人は「まだ下がる」と思って再開できず、回復してから慌てて高値で買い戻します。「タイミングを読まない」のが積立投資の本質です。

Q
Q3. iDeCoも途中でやめられますか?
A

iDeCoは原則として60歳まで引き出せません。掛金の拠出を停止することは可能ですが、口座維持手数料がかかり続けます。また、60歳まで資金が拘束される点は変わりません。iDeCoを始める前に、続けられる金額かどうかよく検討しましょう。

※本記事は情報提供を目的としており、特定の金融商品の購入を推奨するものではありません。投資に関する最終決定は、ご自身の判断と責任において行ってください。