「積立投資を始めたけど、お金が苦しくなってきた」「暴落が怖いからやめたい」——こんな悩みを抱えていませんか?
積立投資は続けることが最大のポイントです。でも、どうしても続けられない状況もあるでしょう。この記事では、積立を中止・休止した場合の影響と、正しい対処法を解説します。
積立投資をやめる3つの選択肢
積立投資をやめたい時、選択肢は3つあります。
| 選択肢 | 内容 | 影響 |
|---|---|---|
| ① 中止して売却 | 積立を止め、保有資産を売却 | 複利効果を完全に失う |
| ② 中止して保有継続 | 積立は止めるが、資産はそのまま持ち続ける | 回復を待てる |
| ③ 減額して継続 | 積立額を減らして続ける | 複利効果を維持 |
おすすめは③の「減額して継続」です。どうしても続けられない場合は②、①は最後の手段です。
選択肢①:中止して売却した場合
何が起こるか
積立を止めて保有資産を売却すると、以下の影響があります。
| 影響 | 内容 |
|---|---|
| 複利効果の喪失 | 今後の成長の恩恵を受けられない |
| 売却時の損益確定 | 含み損があれば損失確定 |
| 再開時のリスク | 将来高値で買い直す可能性 |
| NISA枠の消費 | 売却してもNISA枠は戻らない |
シミュレーション:10年目でやめた場合
月3万円を20年間積み立てる予定だったが、10年目で売却した場合(年利5%想定)。
| ケース | 10年後の資産 | 20年後の資産 |
|---|---|---|
| 10年目で売却 | 約465万円 | 465万円(運用終了) |
| 20年間継続 | 約465万円 | 約1,233万円 |
10年目で売却すると、残り10年間の成長(約770万円)を逃すことになります。時間を味方につけられるかが、投資の成否を分けるのです。
選択肢②:中止して保有継続した場合
何が起こるか
積立は止めるが、保有資産はそのまま持ち続ける選択です。
| メリット | デメリット |
|---|---|
| 保有資産は運用が続く | 新規買付がないため平均取得単価が下がらない |
| 暴落後の回復を待てる | 複利効果の一部を逃す |
| いつでも積立再開できる | 再開タイミングの判断が難しい |
積立をやめても持ち続ければ大丈夫ってことですか?
売却するよりは良いです。ただ、暴落時に安く買い増せないデメリットがあります。可能なら月1,000円でも積み立てを続けた方が、長期的には有利です。
選択肢③:減額して継続した場合
最もおすすめの選択肢
積立額を減らしてでも続けることで、複利効果とドルコスト平均法のメリットを維持できます。
| 積立額 | 20年後の資産(年利5%) |
|---|---|
| 月3万円 | 約1,233万円 |
| 月1万円 | 約411万円 |
| 月5,000円 | 約206万円 |
| 月1,000円 | 約41万円 |
月1,000円でも20年で約41万円になります。「投資習慣を続ける」ことが大切です。経済的に余裕ができたら増額すればOKです。
積立をやめない方がいい理由
理由1:暴落時こそ「安く買える」チャンス
暴落時に積立を止めると、安く買えるチャンスを逃すことになります。
積立投資の強みは、価格が下がった時にたくさん買えること。暴落時にやめてしまうと、回復時の恩恵を受けられません。
理由2:15年以上続ければほぼプラス
歴史的に見ると、全世界株式インデックスを15年以上保有した場合、どの時点で始めてもプラスになっています。
| 保有期間 | 元本割れの確率(過去データ) |
|---|---|
| 1年 | 約30% |
| 5年 | 約15% |
| 10年 | 約5% |
| 15年以上 | ほぼ0% |
理由3:再開時に「高値で買い直し」リスク
積立をやめて市場が回復した後に再開すると、高い価格で買い直すことになります。
| タイミング | 行動 | 結果 |
|---|---|---|
| 暴落時 | 怖くなってやめる | 安値で売却 |
| 回復後 | 安心して再開 | 高値で買い戻し |
これは「高値で買って安値で売る」という最悪のパターンです。
どうしてもやめたい時の対処法
ケース1:お金が苦しい場合
まず固定費(通信費、保険料、サブスク)を見直して、積立を続ける余裕を作れないか検討します。
月3万円→月1万円、月1万円→月5,000円など、無理のない金額に減額します。新NISAの積立設定は簡単に変更できます。
どうしても無理なら積立を一時停止し、保有資産は売却せずに持ち続けます。経済状況が改善したら再開しましょう。
ケース2:暴落が怖い場合
暴落時は誰でも不安になります。でも、積立投資は暴落を味方にできる投資法です。
暴落時こそ「安売りセール」と考えましょう。同じ金額でたくさんの口数を買えるチャンスです。過去の暴落(リーマンショック、コロナショック)も、すべて回復しています。
ケース3:ファンドを変えたい場合
「もっと良いファンドを見つけた」という場合、積立先を変更できます。
| 選択肢 | 内容 |
|---|---|
| 新規積立のみ変更 | 今持っている資産はそのまま、新規積立だけ別ファンドへ |
| 全部乗り換え | 既存資産を売却して新ファンドを購入(売却益に課税の可能性) |
NISA口座では売却益に税金がかかりません。ただし、売却しても非課税投資枠は復活しないので注意が必要です。
積立投資を続けるコツ
1. 生活費と分けて「ないもの」と思う
積立用の口座を分けて、「最初からなかったお金」と思い込みましょう。
2. 日々の値動きを見ない
毎日チェックすると不安になります。月1回か、見ないくらいでちょうどいいです。
3. 「やめたら負け」と心に決める
長期投資の勝者は「続けた人」です。暴落時も淡々と続けることが成功の秘訣です。
4. 減額してでも続ける
苦しい時は月1,000円でもOK。投資習慣を絶やさないことが大切です。
まとめ
積立投資をやめたい時のポイントを整理します。
- 積立をやめる選択肢は「中止して売却」「中止して保有継続」「減額して継続」の3つ
- おすすめは「減額して継続」
- 売却すると複利効果を失う
- 暴落時こそ安く買えるチャンス
- 15年以上続ければほぼ確実にプラス
- 苦しい時は月1,000円でも続けよう
長期投資は「続けた人」が勝ちます。辛い時こそ、淡々と積み立てを続けましょう。
よくある質問
再開は可能ですが、やめている間に株価が上昇すると、高値で買い直すことになります。できれば減額してでも続ける方がおすすめです。どうしても無理なら、保有資産は売却せずに持ち続けながら休止しましょう。
理論上は得ですが、「底値」を当てることは誰にもできません。多くの人は「まだ下がる」と思って再開できず、回復してから慌てて高値で買い戻します。「タイミングを読まない」のが積立投資の本質です。
iDeCoは原則として60歳まで引き出せません。掛金の拠出を停止することは可能ですが、口座維持手数料がかかり続けます。また、60歳まで資金が拘束される点は変わりません。iDeCoを始める前に、続けられる金額かどうかよく検討しましょう。
※本記事は情報提供を目的としており、特定の金融商品の購入を推奨するものではありません。投資に関する最終決定は、ご自身の判断と責任において行ってください。