米国株に投資していて、保有銘柄が破産申請したらどうなるのか。
トランプ関税などの影響で経営環境が劇的に変化する中、チャプター11の申立てが増加する可能性も指摘されています。
この記事では、米連邦破産法のチャプター11とチャプター7の違い、株式の扱いを解説します。
チャプター11とは
チャプター11って何ですか?
米連邦破産法第11条のことで、日本の民事再生法に相当する再建型の倒産手続きです。会社を存続させながら再建を目指します。
チャプター11の概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 正式名称 | 米連邦破産法第11条 |
| 日本の相当法 | 民事再生法 |
| 目的 | 企業再建 |
| 会社の継続 | あり |
手続きの流れ
- 申請:企業が裁判所に申請
- 債権取立停止:裁判所の命令で停止
- 再建計画策定:原則120日以内
- 債権者との協議:負債整理・契約見直し
- 再建実行:計画に基づき事業継続
チャプター11とチャプター7の違い
チャプター11は「再建型」、チャプター7は「清算型」です。チャプター7では会社が解散し、株式の価値はゼロになります。
比較表
| 項目 | チャプター11 | チャプター7 |
|---|---|---|
| 種類 | 再建型 | 清算型 |
| 会社の継続 | あり | なし(解散) |
| 株式の価値 | 理論上ゼロではない | ゼロ |
| 上場 | 継続の場合あり | 上場廃止 |
株式はどうなる?
保有株がチャプター11になったら、株は無価値になりますか?
チャプター11の場合、理論上は株式価値がゼロにはなりません。ただし、実際には再建のために100%減資となるケースがほとんどです。
株式の扱い
チャプター11の場合:
- 100%減資でなければ理論上ゼロにならない
- しかし、新スポンサーの出資のため100%減資が通常
- 既存株主は持分を失うことが多い
チャプター7の場合:
- 会社が清算されるため株式価値はゼロ
- 上場廃止
実例
直近では、自動車部品製造会社のマレリ株式会社がチャプター11を申立てたことが記憶に新しいです。
2025年の動向
破産申請増加の可能性
トランプ関税などの影響による経営環境の劇的な変化により、米国企業やグローバル企業の経営が悪化し、チャプター11の申立てが増加することも想定されています。
投資家への影響
特定の業種(自動車部品、小売りなど)で経営難に陥る企業が出てくる可能性があり、注意が必要です。
投資家がすべきこと
①分散投資
特定の銘柄に集中投資しないこと。分散投資により、1社の破産がポートフォリオ全体に与える影響を限定できます。
②財務状況のチェック
- 負債比率が高くないか
- キャッシュフローは健全か
- 格付けは維持されているか
③ニュースに注意
破産申請の予兆となるニュースに注意しましょう:
- 格下げ
- 大規模リストラ
- 経営陣の辞任
- 監査法人の交代
④損切りルールの設定
あらかじめ損切りラインを設定し、ルールに従って行動することが重要です。
まとめ:破産リスクへの備え
米国企業の破産と株式のポイント:
- チャプター11は再建型、チャプター7は清算型
- チャプター7では株式価値はゼロ
- チャプター11でも多くは100%減資
- 分散投資でリスク分散
- 財務状況を定期チェック
米国株投資では破産リスクを認識し、分散投資と財務チェックでリスク管理を行いましょう。
よくある質問(記事のおさらい)
チャプター11は再建型で会社は存続、チャプター7は清算型で会社は解散します。チャプター7では株式価値はゼロになり上場廃止となります。
理論上は株式価値がゼロにはなりませんが、実際には再建のために100%減資となるケースがほとんどで、既存株主は持分を失うことが多いです。
分散投資でリスク分散、財務状況の定期チェック、格下げなどのニュースに注意、損切りルールの設定が重要です。
トランプ関税などの影響で経営環境が劇的に変化しており、チャプター11の申立てが増加する可能性が指摘されています。