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バンガードとは|インデックス投資の生みの親、VOO・VTI運営企業を解説
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バンガードとは|インデックス投資の生みの親、VOO・VTI運営企業を解説

2025-12-28
2025-12-28 更新

世界初のインデックスファンドを生んだバンガード。運用資産7兆ドル超、VOO・VTI等の人気ETFを運営。低コスト投資の代名詞となった同社を解説。

インデックス投資の代名詞ともいえるバンガード(Vanguard)。

1976年に世界初のインデックスファンドを個人投資家に提供し、投資の民主化を実現した。VOO・VTI等の人気ETFで知られる同社を解説する。

バンガードの基本情報

項目 内容
正式名称 The Vanguard Group, Inc.
設立 1974年
本社 米国ペンシルベニア州
創業者 ジョン・ボーグル
運用資産 約7.1兆ドル(約1,000兆円超)
上場 非上場(投資家が所有者)
読者
読者

バンガードの名前の由来は何ですか?

西山(投資信託アナリスト)
西山(投資信託アナリスト)

フランス革命戦争の「ナイルの海戦」で活躍した、英雄ホレーショ・ネルソン提督の旗艦名に由来します。「先駆者」という意味が込められています。

歴史的な功績

世界初のインデックスファンド

1976年8月31日、バンガードは「First Index Investment Trust」(現:バンガード500インデックス・ファンド)を設定。

世界初の個人投資家向けインデックスファンドとして、投資の歴史を変えた。

バンガード500インデックス・ファンド
  • 設定:1976年8月31日
  • 投資対象:S&P500指数
  • 資産総額:約789億ドル(2025年1月時点)
  • 経費率:0.04%

創業者ジョン・ボーグル

「インデックスファンドの父」と呼ばれるジョン・ボーグル氏は、「コストを下げることが投資家のリターンを最大化する」という信念のもと、低コスト投資を普及させた。

2019年に逝去したが、その理念は今もバンガードに受け継がれている。

独自の企業構造

バンガードは他の運用会社と決定的に異なる構造を持つ。

投資家が所有者

バンガードの構造
  • バンガードのファンドがバンガード社を所有
  • ファンドの所有者=投資家
  • つまり、投資家が間接的にバンガードを所有

この構造により、利益は投資家にコスト削減として還元される。

アットコストの原則

バンガードは「アットコスト(at cost)の原則」に基づき、運用コストを極限まで下げている。

項目 バンガード 業界平均
平均経費率 0.07% 0.27%
業界平均の約1/4 -

人気のバンガードETF

主要ETF一覧

ティッカー 名称 投資対象 経費率
VOO Vanguard S&P 500 ETF S&P500 0.03%
VTI Vanguard Total Stock Market ETF 全米株式 0.03%
VT Vanguard Total World Stock ETF 全世界株式 0.07%
VEA Vanguard FTSE Developed Markets ETF 先進国(除く米国) 0.05%
VWO Vanguard FTSE Emerging Markets ETF 新興国 0.08%
BND Vanguard Total Bond Market ETF 米国債券 0.03%

VOOの詳細

項目 内容
投資対象 S&P500指数
経費率 0.03%
分配金利回り 約1.3%
純資産 約5,000億ドル

VOO、VTI、VTは日本の個人投資家にも大人気のETFだ。

ブラックロックとの違い

項目 バンガード ブラックロック
運用資産 約7兆ドル 約11.6兆ドル
順位 世界2位 世界1位
ETFブランド Vanguard ETF iShares
上場 非上場 NYSE上場(BLK)
特徴 低コスト重視 品揃え重視
読者
読者

バンガードとブラックロック、どちらを選べばいいですか?

西山
西山

どちらも低コストで優秀です。S&P500なら、バンガードのVOO(経費率0.03%)とブラックロックのIVV(経費率0.03%)で差はほぼありません。好みや使い慣れた方を選べば大丈夫です。

2024年の動向

新CEO就任

2024年7月、元ブラックロック幹部のサリム・ラムジ氏がCEOに就任。

ブラックロックのETF・インデックス投資部門グローバルヘッドを務めた人物で、バンガードの更なる成長が期待されている。

日本での投資方法

バンガードETFは日本からも購入できる。

方法 内容
海外ETF SBI証券、楽天証券等でVOO、VTI等を購入
投資信託 楽天・全米株式インデックスファンド(VTI連動)
eMAXIS Slim バンガード製品ではないが同様の低コスト投資が可能

まとめ

バンガードは、インデックス投資を世界に広めたパイオニアだ。

  • 1976年、世界初のインデックスファンドを個人投資家に提供
  • 運用資産7兆ドル超で世界2位
  • 投資家が所有者という独自構造で低コストを実現
  • 平均経費率0.07%は業界平均の約1/4
  • VOO、VTI、VT等のETFが日本でも人気

長期投資を志す投資家にとって、バンガードは欠かせない存在だ。

よくある質問(記事のおさらい)

Q
Q1. バンガードはなぜ低コストなのですか?
A

バンガードは投資家がファンドを所有し、そのファンドがバンガード社を所有するという独自構造です。外部株主への利益還元が不要なため、運用コストを極限まで下げ、投資家に還元しています。これを「アットコストの原則」と呼びます。

Q
Q2. VOOとVTIはどちらを選べばいいですか?
A

VOOはS&P500(米国大型500社)、VTIは全米株式(約4,000社)に投資します。リターンはほぼ同じですが、VTIの方がやや分散が効いています。シンプルさを重視するならVOO、より広い分散を好むならVTIがおすすめです。

Q
Q3. 日本からバンガードETFを買う方法は?
A

SBI証券や楽天証券などで海外ETFとして購入できます。VOO、VTI、VT等は人気商品で、NISA(成長投資枠)の対象にもなっています。また、楽天・全米株式インデックスファンドのようにVTIに連動する投資信託を購入する方法もあります。


※本記事は情報提供を目的としており、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。投資判断は自己責任でお願いいたします。