バンガードの人気ETF「VOO」「VTI」「VT」。
どれも低コストで優秀なETFだが、投資対象が異なる。3つの違いとあなたに合った選び方を解説する。
3つのETFの基本情報
| 項目 | VOO | VTI | VT |
|---|---|---|---|
| 正式名称 | Vanguard S&P 500 ETF | Vanguard Total Stock Market ETF | Vanguard Total World Stock ETF |
| 投資対象 | S&P500(米国大型500社) | 全米株式(約4,000社) | 全世界株式 |
| 銘柄数 | 約500 | 約4,000 | 約9,000 |
| 経費率 | 0.03% | 0.03% | 0.07% |
| 設定年 | 2010年 | 2001年 | 2008年 |
投資対象の違い
VOO:S&P500
米国の大型株500社に投資。
- 米国市場の時価総額約80%をカバー
- Apple、Microsoft、NVIDIA等の大型株のみ
- シンプルでわかりやすい
VTI:全米株式
米国の上場株式ほぼ全てに投資。
- 大型株+中型株+小型株
- 約4,000銘柄に分散
- 中小型株の成長も取り込める
VT:全世界株式
全世界の上場株式に投資。
- 米国+先進国+新興国
- 約9,000銘柄に分散
- 米国比率は約60%
- 日本株も含まれる(約5%)
VOOとVTIって何が違うんですか?同じ米国株ですよね?
VOOはS&P500の大型500社のみ、VTIは中小型株も含む約4,000社です。ただ、時価総額加重なので上位銘柄はほぼ同じで、リターンもほぼ同じになります。
構成銘柄の比較
上位銘柄(VOO・VTI)
VOOとVTIの上位銘柄はほぼ同一。
| 順位 | 銘柄 | VOO比率 | VTI比率 |
|---|---|---|---|
| 1 | Apple | 約7% | 約6% |
| 2 | Microsoft | 約6% | 約6% |
| 3 | NVIDIA | 約6% | 約5% |
| 4 | Amazon | 約4% | 約3% |
| 5 | Alphabet | 約4% | 約3% |
上位10銘柄で全体の約3割を占める点も共通。
VTの地域構成
| 地域 | 比率 |
|---|---|
| 米国 | 約60% |
| 先進国(米国除く) | 約30% |
| 新興国 | 約10% |
パフォーマンス比較
過去のリターン
| 期間 | VOO・VTI | VT |
|---|---|---|
| 過去30年 | 1,000%超 | 米国より低い |
| 過去5年 | 約60% | 約40% |
過去30年では米国株(VOO/VTI)が全世界株(VT)を大きく上回っている。
ただし、これは過去の実績であり、将来も同じとは限らない。
VOOとVTIの差
VOOとVTIのリターンはほぼ同じ。
- 2010年10月:VOO 102ドル → 2025年11月:約618ドル(約6倍)
- 2010年10月:VTI 58ドル → 2025年11月:約330ドル(約5.7倍)
ほぼ同等のパフォーマンスで、悩む必要はない。
経費率
| ETF | 経費率 | 業界平均との差 |
|---|---|---|
| VOO | 0.03% | 業界平均の約1/9 |
| VTI | 0.03% | 業界平均の約1/9 |
| VT | 0.07% | 業界平均の約1/4 |
いずれも超低コストだが、VTは世界中の銘柄を扱うため、やや高い(それでも0.07%と十分低い)。
どれを選ぶべきか?
| タイプ | おすすめETF | 理由 |
|---|---|---|
| シンプルが好き | VOO | S&P500は最も有名でわかりやすい |
| 米国全体に投資したい | VTI | 中小型株も含む完全分散 |
| 世界分散で安心したい | VT | 米国以外の成長も取り込める |
| 迷ったら | VT | 世界に広く分散で安心 |
正直、どれを選んでも大丈夫ですか?
はい、どれも「正解」です。3つとも優良ETFで、長期投資に適しています。大事なのは「自分の投資スタイルに合ったものを選ぶこと」です。
日本での購入方法
海外ETFとして購入
SBI証券、楽天証券などで米ドル建てのVOO/VTI/VTを直接購入可能。
投資信託で購入
| 連動対象 | 投資信託例 |
|---|---|
| VOO(S&P500) | eMAXIS Slim米国株式、SBI・V・S&P500 |
| VTI(全米) | 楽天・全米株式(楽天VTI)、SBI・V・全米株式 |
| VT(全世界) | eMAXIS Slim全世界株式、SBI・V・全世界株式 |
まとめ
VOO・VTI・VTは、いずれも長期投資に適した優良ETFだ。
- VOO:S&P500(米国大型500社)、シンプルで人気
- VTI:全米株式(約4,000社)、中小型株も含む
- VT:全世界株式(約9,000社)、最大限の分散
- 経費率はいずれも超低コスト(0.03〜0.07%)
- 過去実績はVOO/VTIが優位だが、将来は不明
- どれを選んでも「正解」
自分の投資方針に合ったETFを選び、長期で積み立てることが大切だ。
よくある質問(記事のおさらい)
リターンはほぼ同じなので、どちらでも大丈夫です。S&P500のシンプルさが好きならVOO、中小型株も含めたい(完全な米国市場連動)ならVTIがおすすめです。
はい、VTは全世界株式なので日本株も約5%含まれています。すでに日本株を保有している場合は、重複を意識する必要があるかもしれません。
海外ETF(VOO/VTI/VT)は成長投資枠で購入可能です。また、eMAXIS Slimや楽天VTI等の投資信託なら、つみたて投資枠でも購入できます。
※本記事は情報提供を目的としており、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。投資判断は自己責任でお願いいたします。