「AIがXRP(リップル)の価格が1万ドルに達すると予測した」という話題がSNSで広がっている。
しかし、主要なAIモデルによる実際の分析結果を確認すると、この「1万ドル予測」には重大な疑問符がつく。現実的なAI予測と、なぜ1万ドルが非現実的なのかを検証する。
実際のAI予測はどうなっているのか
複数のAIモデルと分析手法によるXRP価格予測を確認してみよう。
ChatGPTの予測
ChatGPTは2025年末のXRP価格について、現在価格から+3.6%の上昇で約2.30ドルと予測している。
ETF(上場投資信託)への100億ドルの資金流入があった場合でも、ChatGPTの予測は6〜8ドル程度にとどまる。
Claude(Anthropic)の予測
AnthropicのClaude AIは、よりブル寄りの見方を示しており、ETFや銀行との新たなパートナーシップが進展した場合、2025年末に5〜15ドル、2026年には15ドルに近づく可能性があると予測している。
モンテカルロ・シミュレーション(1万回)
AIを使った1万回のモンテカルロ・シミュレーションによると、2026年末のXRP価格予測は以下の通りだ。
| シナリオ | 価格レンジ | 確率 |
|---|---|---|
| ベースケース | $1.04〜$3.40 | 60% |
| ベストケース | $6以上 | - |
| ワーストケース | $0.59以下 | - |
「1万ドル」が非現実的な理由
でも、ビットコインだって数ドルから何万ドルにもなりましたよね?XRPも可能性があるのでは?
重要なのは時価総額です。XRPの最大供給量は1,000億トークン。1万ドルになると時価総額は1京ドル(1 quadrillion)に達します。これはビットコインの現在時価総額(約1.77兆ドル)の560倍以上で、世界のGDP総額をはるかに超えます。
- XRP最大供給量:1,000億トークン
- 現在流通量:約605億トークン
- $10,000 × 1,000億 = $1京(1 quadrillion)
- 参考:ビットコイン時価総額 約$1.77兆
- 現実的には不可能な数字
ChatGPTも「100ドルは数学的には可能だが、現在の市場環境では極めて非現実的」と分析している。
XRP ETFは順調なスタート
一方、XRPに関するポジティブなニュースもある。
2025年11月に米国でスポットXRP ETFが上場し、最初の4週間で約10億ドルの資産を集めた。このペースは、初期のイーサリアムETFの採用ペースを上回っている。
投資家が注意すべきこと
- XRP ETFの登場で機関投資家の参入が容易に
- 規制環境の明確化が進んでいる
- 銀行との提携拡大の可能性
- 「1万ドル」などの過大な予測は根拠に欠ける
- 仮想通貨市場全体のボラティリティは高い
- 競合する決済ソリューションの存在
SNS上の「AIが1万ドルを予測」といった情報の多くは、信頼性の低いソースに基づいているか、文脈を無視した誇張です。投資判断は、複数の信頼できる情報源を確認してから行いましょう。
まとめ
- 主要AIモデルのXRP予測は$2〜$15程度
- 「1万ドル予測」は時価総額の観点から非現実的
- 1万ドルには時価総額1京ドル(BTC時価総額の560倍以上)が必要
- XRP ETFは順調で、4週間で10億ドルを集める
- 誇大な予測に惑わされず、冷静な判断を
よくある質問
いいえ。主要AIモデル(ChatGPT、Claude等)の予測は2025〜2026年で2〜15ドル程度です。1万ドルには時価総額1京ドルが必要で、現実的ではありません。
XRPに連動する上場投資信託です。2025年11月に米国で上場し、仮想通貨を直接保有せずにXRPに投資できるようになりました。最初の4週間で約10億ドルの資産を集めています。
仮想通貨は価格変動が非常に大きいハイリスク資産です。投資する場合は、失っても良い金額に限定し、ポートフォリオ全体の一部(例:5%以下)に留めることをおすすめします。
※本記事は情報提供を目的としており、特定の金融商品の購入を推奨するものではありません。
投資に関する最終決定は、ご自身の判断と責任において行ってください。