「ヨーロッパでゴールデンビザを取りたいけど、ポルトガルは値上がりしたし、スペインは終わっちゃったし...」
——そんな投資家に、今注目されているのがハンガリーです。
2025年1月、ハンガリーはゴールデンビザ制度を大幅改定しました。€500,000の不動産直接投資ルートは廃止され、現在は€250,000の投資ファンドが実質唯一の選択肢になっています。
「え、不動産を直接買えないの?」と思うかもしれません。でも実は、この投資ファンドの中身は不動産です。そして処理速度はEU最速の4〜8週間。この記事では、ハンガリーゴールデンビザとブダペスト不動産投資の実態を詳しく解説します。
ハンガリーゴールデンビザの仕組み
ハンガリーのゴールデンビザ(正式名称:Guest Investor Residence Permit)は、投資と引き換えに10年間の居住権を取得できる制度です。更新は無期限で可能なので、実質的に生涯居住権といえます。
投資オプションは「ファンド投資」一択に
2025年1月の制度改定で、投資オプションは以下のように変更されました。
| オプション | 金額 | 現在の状況 |
|---|---|---|
| 投資ファンド | €250,000 | 唯一の選択肢 |
| 不動産直接投資 | €500,000 | 2025年1月に廃止 |
| 寄付 | €100万 | 別途存在(非営利投資) |
不動産を直接買えないのは残念ですね。ファンド投資って、具体的にどんな仕組みなんですか?
投資ファンドといっても、中身は不動産です。ハンガリー国立銀行が認可したファンドに€250,000を投資し、そのファンドが国内の住宅不動産に投資する仕組みです。ファンドの純資産の40%以上はハンガリー国内の住宅に投資されることが義務付けられています。
現在認可されているファンドには「Gravitas Hungary Fund」や「SPRINT Hungary Real Estate Development and Investment Fund」などがあります。
トータルコストは€326,250程度
投資額だけでなく、手数料も考慮する必要があります。
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 投資ファンド | €250,000 |
| 政府手数料 | 約€60,000 |
| 弁護士・管理費用 | 約€10,000〜16,000 |
| 合計 | 約€320,000〜326,000 |
投資ファンドは最低5年間保有する必要があります。5年経過後に売却可能ですが、居住権はそのまま維持できます。年間利回りは約3.5%+資本増価2〜3%が見込まれています。
EU最速の処理スピード
ハンガリーゴールデンビザの最大の魅力は、4〜8週間という処理速度です。ポルトガルが6〜12ヶ月、ギリシャが3〜6ヶ月かかることを考えると、圧倒的に速い。
取得の流れ
最初に6ヶ月間の「Guest Investor Visa」が発給され、入国後90日以内に投資を完了すれば、10年間の居住許可が下ります。移民局の審査は最大21営業日で完了します。
滞在義務はあるんですか?ヨーロッパに住む予定がない人でも取得できますか?
ハンガリーのゴールデンビザには最低滞在義務がありません。年に1日も滞在しなくても居住権は維持できます。これは他のEU諸国にはない大きなメリットです。ただし、183日以上滞在すると税務上の居住者になるので、税金面では注意が必要です。
家族も含めて申請可能
配偶者と18歳未満の子供は一緒に申請できます。18歳以上の子供でも、扶養関係が証明できれば(学生で未婚など)含めることが可能です。65歳以上の両親も扶養証明なしで申請できます。
ゴールデンビザ取得後、8年間ハンガリーに居住すれば市民権(パスポート)の申請資格が得られます。ハンガリーはEU加盟国なので、ハンガリーパスポートがあればEU全域で自由に居住・就労できます。
ブダペスト不動産市場の現状
ゴールデンビザでは不動産を直接購入できませんが、投資ファンドとは別に個人で物件を購入することは可能です。ブダペストの不動産市場は、実は今かなり熱い状況にあります。
価格と利回り
2025年のブダペストの平均価格は約€3,150/平方メートル(HUF 127万)。リスボンの€5,300/平方メートルと比べると約40%安く、プラハやワルシャワと比べても15〜30%安い水準です。
| エリア | 価格帯(€/平方メートル) | 特徴 |
|---|---|---|
| 第5区(ベルヴァーロシュ) | €5,000〜5,500 | 歴史地区、最高級エリア |
| 第12区 | €4,500〜5,000 | 高級住宅街 |
| 中心部平均 | €3,700〜4,000 | 観光・ビジネス中心 |
| 外縁部 | €1,800〜2,400 | 地元住民向け |
2025年初頭の価格上昇率は年間19.2%、取引件数は前年比36%増と、非常に活況です。
価格がかなり上がっていますね。今から買っても遅くないですか?
確かに値上がりしていますが、まだ他のヨーロッパ主要都市より安い水準です。投資家の割合が全体の40〜45%を占めており、外国人投資は2025年までにHUF 1,000億(約400億円)を超える見込み。賃貸利回りは年5〜7%と、ヨーロッパでは高い部類に入ります。
なぜブダペストが注目されるのか
ブダペストは年間4,600万人の観光客が訪れる世界的観光都市です。ドナウ川沿いの美しい街並み、世界遺産の温泉文化、そして意外にも充実したナイトライフ。短期賃貸(Airbnb)の需要は非常に高く、観光シーズンの稼働率は80%を超えることもあります。
ブダペストには120以上の温泉源があり、セーチェーニ温泉やゲッレールト温泉など歴史的な施設が人気です。「温泉に入れるヨーロッパの首都」という希少性が、長期滞在者や移住希望者を惹きつけています。
ハンガリーの税制
ハンガリーの税制は、投資家にとって非常に魅力的です。
主な税率
| 税目 | 税率 | 備考 |
|---|---|---|
| 個人所得税 | 15% | フラット税率 |
| 法人税 | 9% | EU最低水準 |
| 不動産取得税 | 4% | 印紙税相当 |
| 賃貸所得税 | 15% | 個人所得税と同率 |
| VAT | 27% | EU最高(ただし不動産は5%の場合あり) |
特筆すべきは法人税9%。これはEU加盟国で最低水準であり、法人を活用した不動産投資を検討する価値があります。
ゴールデンビザを取ったら、ハンガリーで税金を払わないといけないんですか?
ゴールデンビザ保有者でも、年間183日以上ハンガリーに滞在しなければ税務上の非居住者です。つまり、ハンガリー国外の所得には課税されません。投資ファンドから得られる利益(約3.5%/年)には15%の所得税がかかりますが、それ以外の海外所得は非課税です。
日本とハンガリーは租税条約を締結しています。二重課税は回避されますが、日本の居住者がハンガリーで得た所得は日本で申告が必要な場合があります。具体的なケースは国際税務に詳しい税理士に相談してください。
ハンガリー投資のメリット・デメリット
- €250,000でEU居住権が取得可能(ポルトガルの半額)
- 処理速度がEU最速(4〜8週間)
- 最低滞在義務なし
- 10年居住権、更新無制限
- 法人税9%とEU最低水準
- ブダペスト不動産はまだ割安
- シェンゲン圏26カ国に自由に移動可能
- 不動産直接投資オプションは廃止
- 投資ファンドは5年間ロック
- ハンガリー語の壁(ただし英語は通じやすい)
- EU周辺国(非ユーロ圏)の地政学リスク
- 市民権取得には8年居住が必要
結局、どんな人に向いている投資なんですか?
「EUの居住権が欲しいけど、ポルトガルの€50万は高い」「取得に1年も待てない」「滞在義務なしで柔軟に使いたい」という方に最適です。特にビジネスでヨーロッパを行き来する方、将来的にEU市民権を視野に入れている方には魅力的な選択肢です。
よくある質問
€250,000の投資ファンドへの投資が必要です。政府手数料や弁護士費用を含めると、総額は約€326,000(約5,200万円)になります。
4〜8週間でEU最速です。移民局の審査は最大21営業日で完了します。ポルトガル(6〜12ヶ月)やギリシャ(3〜6ヶ月)と比べて圧倒的に短期間です。
はい、ゴールデンビザとは別に個人で購入可能です。ただし、不動産購入だけではゴールデンビザは取得できません。2025年1月に不動産直接投資オプション(€500,000)は廃止されました。
はい、最低滞在義務はありません。年間0日滞在でも10年間の居住権は維持できます。ただし、183日以上滞在すると税務上の居住者になります。
年間利回り約3.5%+資本増価2〜3%が見込まれています。5年間の最低保有義務があり、5年後に売却可能です。利益には15%の所得税がかかります。
まとめ
ハンガリーゴールデンビザは、EUへの入口として非常にコスパの高い選択肢です。
- €250,000の投資ファンドで10年居住権(唯一の投資オプション)
- 処理速度4〜8週間でEU最速
- 最低滞在義務なしで柔軟な利用が可能
- 法人税9%、個人所得税15%とEU最低水準
- ブダペストは€3,700/平方メートルで他のヨーロッパ主要都市より30%安い
- 年間4,600万人の観光客、賃貸利回り5〜7%
ポルトガルの€50万、ギリシャの€40万と比べると、€25万で取得できるハンガリーは明らかに割安。しかも処理速度は最速。「EUの居住権がほしい」という目的なら、最も効率的な選択肢のひとつといえるでしょう。
※本記事は情報提供を目的としており、特定の不動産物件や投資ファンドの購入を推奨するものではありません。
ハンガリーの投資移民制度・税制は変更される可能性があります。投資前に必ず現地の弁護士・税理士に相談してください。