カナダは長年、外国人投資家に人気の市場でした。しかし、2023年から状況は一変しました。
外国人の住宅購入が原則禁止されています。
この禁止令は2027年1月まで延長されており、投資環境は大きく変化しています。この記事では、2025年のカナダ不動産投資の最新情報と、禁止令の例外措置を解説します。
【重要】外国人購入禁止令とは?
カナダで外国人が不動産を買えなくなったって本当?なぜそんな法律ができたの?
本当です。2023年1月から「Prohibition on the Purchase of Residential Property by Non-Canadians Act」という法律が施行されました。背景にあるのは住宅価格の高騰。特にバンクーバーとトロントでは、外国人投資が価格上昇を加速させたと批判されていました。「カナダ国民が家を買えない」という声に応える形で、政府が外国人の住宅購入を禁止したんです。当初は2025年までの予定でしたが、2027年1月まで延長されました。
禁止令の基本ポイントは以下の通りです。施行日は2023年1月1日、延長期限は2027年1月1日まで。対象は非カナダ人(市民権・永住権なし)で、対象物件は住宅(3戸以下)。対象地域はCensus Metropolitan Areas(大都市圏)に限定されています。違反した場合の罰則は最大C$10,000(約110万円)の罰金と、場合によっては強制売却です。
2027年以降はどうなるの?また買えるようになる?
2025年12月時点で、カナダ政府は2027年以降の規制緩和を検討していると報道されています。住宅供給を増やすため、外国資本の活用を再検討している可能性がありますね。ただし、確定ではありません。仮に禁止令が終了しても、外国人投機税(NRST)は継続される可能性が高いので、「2027年になったら自由に買える」とは限りません。
例外措置:外国人でも購入できるケース
| 例外区分 | 条件 | 備考 |
|---|---|---|
| 就労ビザ保持者 | 残存183日以上 | 1物件のみ |
| 4戸以上の集合住宅 | なし | 禁止令対象外 |
| 商業不動産 | なし | 禁止令対象外 |
| 地方・リモート地域 | 大都市圏外 | 禁止令対象外 |
例外があるって聞いたけど、日本人でも購入できる方法はあるの?
いくつかの例外があります。まず「人」の例外として、就労ビザ保持者(残存期間183日以上)は1物件まで購入可能。難民認定者や外交官も免除対象です。留学生は5年間の税務申告・滞在要件を満たせばOK。そして重要なのが「物件」の例外。4戸以上の集合住宅、商業不動産、大都市圏外の地方物件は禁止令の対象外なんです。
就労ビザ保持者の条件を詳しく見ると、ビザの残存期間が183日(約6ヶ月)以上あること、そして購入できるのは1物件のみという制限があります。
留学生の場合はより厳しく、過去5年間毎年カナダで確定申告を行っていること、過去5年間毎年244日以上カナダに滞在していること、禁止令施行後に物件を購入していないことが求められます。
物件の例外について、もう少し詳しく教えて
4戸以上の集合住宅、つまりアパートビルは禁止令の対象外です。オフィス、小売、工業用などの商業不動産も購入可能。そして意外と知られていないのが地方・リモート地域。大都市圏外の物件は禁止令が適用されません。リゾート物件の一部も対象外になるケースがあります。ただし、これらの物件は投資額が大きくなったり、法的確認が必要だったりするので、必ずカナダの不動産弁護士に相談してください。
法人・投資構造の例外もあります。カナダ上場企業は免除です。外国人所有10%未満の法人(改正で3%から10%に緩和されました)も購入可能です。リミテッドパートナーシップはGP(無限責任社員)がカナダ人の場合に認められます。
外国人投機税(NRST)の重さ
禁止令の例外に該当しても、外国人が住宅を購入する際には高額の追加税がかかります。
外国人投機税ってどのくらいかかるの?
とんでもなく高いです。オンタリオ州(トロント)では州のNRSTが25%。さらにトロント市内なら市のNRSTが10%追加されて合計35%。BC州(バンクーバー)では追加Property Transfer Taxが20%。つまり、C$1,000,000(約1.1億円)の物件をトロント市内で買うと、NRSTだけでC$350,000(約3,850万円)かかるんです。物件価格の35%が税金として消えます。
ただし、永住権を取得すると一部のNRSTは還付される可能性があります。オンタリオ州では購入後4年以内に永住権を取得し、特定条件を満たせば還付申請可能です。BC州にも同様の還付制度があります。ただし、投資目的の購入では通常還付されません。
2025年の市場動向
今のカナダの不動産市場はどんな状況?
全国平均価格はC$759,419(約8,350万円)で、前年比3〜4%の下落です。ただし、地域差が大きい。バンクーバー・トロントのあるオンタリオ州は-5.2%、BC州は-5.8%と下落傾向。一方、東部・中部カナダは上昇しています。ケベック州+6.5%、サスカチュワン州+7.2%、ニューファンドランド州+10.3%。外国人禁止令と金利上昇のダブルパンチで、大都市圏は調整局面ですね。
トロントはGTA(グレータートロントエリア)の平均価格がC$1,039,458(約1.14億円)で前年比-5.8〜-6.0%。取引件数は-14.7%と大幅減少。バンクーバーは平均価格C$1,235,575(約1.36億円)、一戸建て平均はC$2,025,115(約2.23億円)と依然として高額ですが、前年比-3.9〜-6.2%で下落しています。
外国人の投資戦略
結局、日本人がカナダで不動産投資するにはどうすればいい?
現実的な選択肢は4つあります。(1) 商業不動産:オフィス、小売、工業用は禁止令対象外。NNNリースなど管理負担の少ない物件もあります。(2) 4戸以上の集合住宅:小規模アパートビル投資。投資額は大きくなりますが、法的にはクリア。(3) 地方・リモート地域:大都市圏外は禁止令対象外。リゾート地や農村部が候補。(4) カナダ法人経由:外国人所有10%未満の法人を通じて投資。ただし複雑な構造と維持コストがかかります。
もう一つの戦略は「禁止令終了を待つ」ことです。2027年1月に禁止令が終了または緩和される可能性があるため、それまで市場を観察し、資金を準備しておく方法です。ただし、禁止令終了後も外国人投機税(NRST)は継続される可能性が高いことを忘れないでください。
カナダ vs アメリカ:どちらを選ぶべき?
隣のアメリカと比べてどうなの?
正直に言うと、現時点では外国人投資家にとってアメリカの方が圧倒的に参入しやすいです。カナダは外国人購入禁止(例外あり)に加えて追加税20〜35%。アメリカは外国人でも自由に購入でき、追加税は一部州のみ。利回りもアメリカは4〜8%と幅広い一方、カナダは3〜5%。通貨はどちらも北米ですが、米ドルの方が流動性が高い。カナダに特別な思い入れがなければ、まずはアメリカを検討する方が現実的でしょう。
まとめ
カナダは外国人購入禁止令により、住宅投資は困難な状況です。
2027年1月まで外国人の住宅購入は原則禁止です。違反には最大C$10,000の罰金と強制売却があります。4戸以上の集合住宅、商業不動産、地方は例外として購入可能です。NRST(外国人投機税)は20〜35%と重いです。トロント平均価格C$1,039,458(前年比-6%)、バンクーバー平均価格C$1,235,575(前年比-4%)と市場は調整中です。2027年以降の規制緩和を政府が検討中との報道があります。
現時点では、外国人はカナダ住宅市場への直接投資は困難です。商業不動産や法人経由の投資を検討するか、2027年以降を待つ戦略が現実的です。
よくある質問
住宅(3戸以下)は原則禁止です。ただし、例外があります:(1) 4戸以上の集合住宅は購入可能、(2) 商業不動産は購入可能、(3) 大都市圏外(地方)の物件は購入可能、(4) 就労ビザで6ヶ月以上の残存期間があれば1物件購入可能。いずれの場合も、カナダの弁護士に相談し、法的に問題がないか確認してください。
一定条件を満たせば還付される可能性があります。オンタリオ州では、購入後4年以内に永住権を取得し、物件を主たる住居として使用するなどの条件を満たせば還付申請が可能です。ただし、投資目的の購入では通常還付されません。
現時点では不明です。禁止令は当初2025年までの予定でしたが、2027年まで延長されました。2025年12月に政府が規制緩和を検討しているとの報道がありましたが、確定ではありません。禁止令が終了しても、外国人投機税(NRST)は継続される可能性が高いです。最新情報は政府発表をご確認ください。
※本記事は情報提供を目的としており、特定の不動産物件の購入を推奨するものではありません。
カナダの不動産購入には法的制限があります。投資前に必ずカナダの弁護士に相談してください。
法規制は変更される可能性があるため、最新情報をご確認ください。