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デンマーク不動産投資ガイド|コペンハーゲンの外国人規制と5年ルール
ヨーロッパ 法規制・税金

デンマーク不動産投資ガイド|コペンハーゲンの外国人規制と5年ルール

2026-01-01
2026-01-01 更新

北欧の人気都市コペンハーゲン。しかし非EU外国人には「5年居住ルール」という厳しい壁が。デンマーク不動産投資の現実と法人活用の選択肢を解説します。

「コペンハーゲンって、住みやすさランキングで常に上位ですよね。投資先としてはどうなんですか?」

——確かにデンマークは「世界一幸福な国」として知られ、コペンハーゲンは国際的な人気都市です。しかし投資家にとって、この国には大きな壁があります。

非EU外国人がデンマークで不動産を購入するには、5年以上の居住歴が必要——。これは北欧で最も厳しい規制の一つです。

この記事では、デンマーク不動産投資の現実と、日本人投資家が取りうる選択肢について解説します。

デンマークの外国人規制

5年ルールとは

デンマークでは、外国人の不動産購入に明確な制限があります。

外国人購入の条件

非EU/EEA国民(日本人を含む)がデンマークで不動産を購入するには:

  1. デンマークに5年以上居住していること、または
  2. 法務省の特別許可を取得すること

いずれの条件も満たさない場合、個人での不動産購入はできません。

読者
読者

特別許可って、申請すれば取れるんですか?

専門家
専門家

残念ながら「申請すれば取れる」というものではありません。法務省は「デンマークとの実質的なつながり」を審査します。具体的には、デンマークでの就労、家族関係、事業活動などが評価されます。審査には6〜12ヶ月かかり、却下されることも珍しくありません。

EU/EEA国民との違い

国籍 購入条件
デンマーク国民 制限なし
EU/EEA国民 居住許可があれば購入可能
非EU外国人 5年居住 or 法務省許可

法人購入という選択肢

デンマークで法人(ApS等)を設立し、その法人名義で不動産を購入する方法があります。ただし、以下の条件があります:

  • 非EU企業は法務省の許可が必要
  • 許可取得には「デンマークでの事業活動」が求められる
  • 単なる投資目的では許可されにくい
読者
読者

じゃあ、日本人がコペンハーゲンに投資するのは実質的に無理ってこと?

専門家
専門家

「簡単ではない」というのが正直なところです。現実的な選択肢としては:(1) デンマークに移住して5年待つ、(2) デンマークで事業を始めて法人購入を目指す、(3) 北欧REITやファンドを通じた間接投資、のいずれかになります。「観光ついでに物件購入」は不可能と考えてください。

市場概況

規制の厳しさを理解した上で、コペンハーゲン市場の現状を見てみましょう。

価格動向

指標 数値
コペンハーゲン平均住宅価格 約760万DKK(約1.6億円)
コペンハーゲン平均アパート価格 約580万DKK(約1.2億円)
デンマーク平均㎡単価 €4,008
2025年価格上昇予測 +3〜3.9%
2030年までのCAGR +4.4%
読者
読者

1.2億円のアパートって、東京の都心並みですね…

専門家
専門家

その通りです。コペンハーゲンは世界でも有数の高価格都市です。ただし、第2都市のオーフス(Aarhus)や地方都市はかなり安くなります。国全体の価格というより、「コペンハーゲン一極集中」と考えた方が正確です。

利回り

都市 利回り 特徴
コペンハーゲン中心部 5〜7% 国際人材・学生需要
シドハウン(Sydhavn) 8〜12%(値上がり期待込み) 再開発エリア
オーフス(Aarhus) 4〜5% 大学都市、テック産業

北欧の中では比較的高い利回りが期待できますが、これは購入できた場合の話です。

税金と購入コスト

購入時の費用

項目 費用
登記料 0.6% + DKK 1,750
仲介手数料 2〜4%(売主負担)
弁護士費用 DKK 10,000〜30,000

買主の負担は比較的軽い構造です。

年間保有コスト

  • 固定資産税:評価額の1〜3%
  • 住宅組合費:アパートの場合、月額数千〜数万DKK

売却時の税金

  • キャピタルゲイン税:所得として課税(最大約52%)
    • ただし、2年以上居住した自宅は非課税

ローン

外国人でもデンマークの住宅ローンを利用可能ですが、条件は厳しめです。

条件 内容
金利(2025年) 4.45〜5.53%
頭金(EU国民) 10〜40%
頭金(非EU) 30〜40%
LTV(非EU) 60〜70%が上限

投資判断:メリットとリスク

メリット
  • 政治・経済が非常に安定
  • 高い生活水準、透明な市場
  • コペンハーゲンは国際都市として需要堅調
  • 利回り5〜7%は北欧では高め
  • 賃貸市場が整備されている
  • 価格上昇トレンド継続予測
デメリット
  • 非EU外国人は5年居住or許可が必要(最大の壁)
  • 許可取得は保証されない(6〜12ヶ月審査)
  • コペンハーゲンの物件価格が非常に高い
  • キャピタルゲイン税が高い(最大52%)
  • 法人購入も事業活動が必要
  • 日本からのアクセス・言語の壁

日本人投資家の選択肢

選択肢1:移住して5年待つ

最も確実な方法ですが、ビザ取得と5年という時間が必要です。

  • 就労ビザでの移住
  • 起業ビザ(スタートアップビザ)
  • 家族滞在ビザ

選択肢2:事業を通じた法人購入

デンマークで実際に事業を行う法人を設立し、その法人名義で購入する方法。

  • 法務省の許可が必要
  • 「実態のある事業」が求められる
  • 単なるペーパーカンパニーでは不可

選択肢3:間接投資

最も現実的な選択肢として、以下があります:

間接投資の方法

直接所有ではありませんが、デンマーク不動産市場へのエクスポージャーを得る方法として検討の価値があります。

  • 北欧REITへの投資:ストックホルム証券取引所上場のREIT
  • 不動産ファンド:デンマーク不動産を含むファンド
  • クラウドファンディング:欧州の不動産投資プラットフォーム

コペンハーゲンのエリアガイド

購入資格がある方向けに、主要エリアを紹介します。

インナーシティ(Indre By)

歴史的な中心部。チボリ公園、ニューハウン周辺。

  • 価格:最高価格帯
  • 利回り:5〜6%
  • 需要:観光客・短期滞在者

オステルブロ(Østerbro)

高級住宅街。公園が多く、ファミリー向け。

  • 価格:高い
  • 利回り:4〜5%
  • 需要:駐在員・富裕層

ノーレブロ(Nørrebro)

多文化エリア。若者・クリエイター向け。

  • 価格:中程度
  • 利回り:5〜6%
  • 需要:学生・若手プロフェッショナル

シドハウン(Sydhavn)

再開発が進む港湾エリア。投資妙味あり。

  • 価格:上昇中
  • 利回り:値上がり期待込みで8〜12%
  • 需要:増加傾向

まとめ

デンマーク不動産投資のポイント:

  • 外国人規制:非EU外国人は5年居住or法務省許可が必要
  • 価格帯:コペンハーゲンは平均1.2〜1.6億円と高額
  • 利回り:5〜7%(北欧では高め)
  • 購入コスト:登記料0.6%+定額(買主負担は軽い)
  • 税金:キャピタルゲイン税は最大52%(居住用除く)
  • 日本人が直接購入するのは極めて困難

デンマークは「住みたい国」として魅力的ですが、「投資したい国」としては大きな壁があります。5年ルールをクリアできる見込みがない限り、直接投資は現実的ではありません。北欧市場へのエクスポージャーを求めるなら、規制の緩いスウェーデンや、間接投資を検討した方が良いでしょう。


よくある質問

Q
Q1. 日本人でもデンマークで不動産を買えますか?
A

非常に困難です。非EU外国人は5年以上の居住歴があるか、法務省の特別許可が必要です。許可は「デンマークとの実質的なつながり」が審査され、観光客や短期滞在者には認められません。

Q
Q2. 法人名義なら購入できますか?
A

法人名義でも、非EU企業は法務省の許可が必要です。許可には「デンマークでの実際の事業活動」が求められ、単なる投資目的の法人では認められにくいです。

Q
Q3. コペンハーゲンの利回りはどのくらい?
A

中心部で5〜7%程度。再開発エリアのシドハウンでは値上がり期待込みで8〜12%も狙えます。北欧の中では比較的高い水準です。

Q
Q4. 間接投資の方法はありますか?
A

北欧REITへの投資、不動産ファンド、欧州の不動産クラウドファンディングなどが選択肢です。直接所有ではありませんが、デンマーク市場へのエクスポージャーを得られます。

Q
Q5. 将来的に規制が緩和される可能性は?
A

現時点では緩和の兆候はありません。デンマークは自国民の住宅確保を優先しており、EU内でも最も厳しい規制を維持しています。規制緩和を期待して待つのは現実的ではないでしょう。


※本記事は情報提供を目的としており、特定の不動産物件の購入を推奨するものではありません。
海外不動産投資にはリスクが伴います。投資に関する最終決定は、ご自身の判断と責任において行ってください。
各国の法規制・税制は変更される可能性があるため、最新情報は現地の専門家にご確認ください。